第63話 重大な秘密。
「しかえしにゃ!」
「さっき十分にしたでしょうが! 分かったわよ! 悪かったわよ……」
ストライプから逃げ、ずっと身を潜めていたが、そろそろいいかと思って出てきたら、ストライプは思ったよりしつこかった。
流石に疲れてきたので謝って許してもらおうと思ったリボンちゃん。
「そんな事で許されると思うのにゃ? 私は人前でお尻を剥き出しにされたにゃ!」
「だから、それも仕返しされたじゃないの! 私だってあんたに剥き出しにされた上に何回も絶叫させられたのよ!」
「私はいつもされている」
「うるさいにゃ!」
「あーーーーーーーーーっ!」
今のは流石にノーが悪い、と誰もが思う時点でおかしいと気づいて?
「お前ら落ち着けって。恥ずかしいのはみんな同じだろ?」
「フリル程じゃないにゃ! お前は人間の王族貴族達の見守るふぐう」
「てめえ、それを言うんじゃねえ!」
なんか、もの凄い勢いで口をふさがれた。
「……何があったの?」
王族貴族と言われて、何事かと疑問に思うリボンと、目を逸らすみんな。
「……聞くな」
ちょっとだけ涙目になって凄んでくるフリル。
ただ、もう二度とこの話はしてはいけないとだけ、リボンは理解した。
そう言えば、このフリルって人、口は粗野そのものだけど、物腰が上品よね、とか思っていた。
「んー……」
だが、今度はフリルが迷うような様子だった。
困っている、というよりは悩んでいる感じだった。
「しょうがねえなあ、リボンにだけ言わないわけにはいかねえから、言うか」
結局、フリルは言ってくれるようだ。
「いいよな、レザー?」
「え? う、うん……」
どうしてだか、フリルはレザーに確認を取った。
これを言うことで、リボンが裏切った場合、何らかの影響があるからだろうか。
「リボン、これは絶対秘密にして欲しいんだが、いいか?」
「う、うん。私も仲間になった以上は秘密は絶対守るわ」
リボンは、これから重要な秘密を伝えられると、身構える。
「……本当は言いたくねえんだが……一応は平等に知っておいて欲しい」
「うん……」
「実は……実はな?」
フリルは意を決したように口を開く。
「レザーは、真性包茎なんだ」
「フリルさん!?」
遠くにいたレザーは立ち上がっただけでこちらには来なかった。
来て、おっぱいの一つでも揉めたかもしれないけど、おそらく隙のないフリル相手には無理だと諦めたのだ。
真性包茎。
それは、おっきした時でもちんちんに皮がコーティングされた状態になっていることだ。
この事実を知っているのは実際に見た者だけである。
それはまさに、どんな時もみんなに守られ甘やかされているレザーにふさわしいのかも知れない。
とか、どうでもいいことを聞かされたリボンは、早々に抜けようかな、と考えていた。
ちなみにレザーは真っ赤になって拗ねたので、フリルが慰めてやった。
性的じゃない意味で。




