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第42話 パーリーピーポーの皆さん、ごきげんよう

 その日、第二王女が一旦帰還したと言うことで、パーティーが開催された。


 が、その主役であるフリルこと、エリーズ姫は微妙な笑みを浮かべていた。

 うん、フリルちゃんはあの痴態を仲間に見られても、まあ自分もこの子らの痴態を見たし、いいかな、とは思ったんだけど、あの場にいた他の人、つまりは配下のメイドや、連れてきた伯爵他何人かの貴族やらに見られたのは恥ずかしくて死にたいと思っていた。


 だから、こんな公式の場は恥ずかしくて仕方がない。

 もうさっさと終えて旅に出たいと思っていた。

 とは言え、旅を許してくれた母にも義理があるし、国王である父にも会わなければならない。


 国王に表立って会うには、もう子供ではないフリルは例えて娘といえども謁見の義に則って行わなければならないが、パーティーならそういうの抜きで会えるのだ。


 ちなみに他の子たちもドレスを与えられて着ていた。

 その際、ストライプが下着チェックをして、ノーがパンツを履いていたので叫ぶことになった。

 それを見ていたブラックが慌ててパンツを履き替えた。


 レザーも似合わない衣装を着させられて、メンバーは笑ったが、他の人たちには「あの高貴なお方は誰?」って話題になった。


 いや、忘れてたけど、こいつ、魅力上昇中だから。


 パーティーでは、エルフの貴族であるワインの周りに人が集まったが、ワイン自身はストライプがやらかしたら大変なことになるとひやひやしていた。

 あれでもエルフの王族につながる家臣だ、問題を起こせば、大事になり、ナルケナの融和政策にも大いなる影響を与えることだろう。


 で、同じようにストライプのそばにも人が集まり始めたが、彼女はそれより食べたかったので、相手にしなかった。

 これで誰かがしつこく言っていたらやばかったが、そんなことはなかった。


 ストライプは食べるだけ、まあはしたないのははもう仕方がない。

 ノーは軽く食べてぼーっとしてて話しかけられたら答えてる。

 パンはぺこぺこ頭下げてて食べてないし、ブラックは自分の人種を気にして隅っこにいる。


 レザーは一人でいると次々話しかけられるので、フリルのそばを離れない。

 食事も何がどんなものか分からないから、フリルに取ってもらっていた。


 それを見た周囲が、王女が甲斐甲斐しく面倒を見ているので、あれはどこの国の王子なのだろう? とか話し合っていた。


 多分、仲間が聞いたら爆笑ものだろう。

 そして、フリルの方もレザーから離れるとやたら挨拶されたりどこで何してたか聞かれたりするので、ずっとレザーの世話をしていた。


「国王陛下入られます!」


 そんな時、フリルの父である国王が王妃を引き連れて会場にやってきた。


 会場は緊張し、フリルの周りの人垣が開く。

 慌ててレザーも退いて、フリルもついて来ようとしたけど止めた。


「皆の者、本日はわが娘のために集まり、ありがとう。この娘は戻ってきたところだが、明日から再び旅に出るという」


 威厳のある重い声が響く。


「わが娘は現段階で皆が期待をするような戦士ではない。だが、皆の期待に応えるため、魔王に挑むそうだ」


 おお、とあちこちから声が上がる。


 ていうか、あんたら、こんな女の子に何を期待してるの?

 いや、確かに強いし血統から期待してもいいんだけど。


「エリーズよ、こちらに来なさい」

「はい……」


 フリルは王のもとに歩く。

 王は軽くフリルを持ち上げる。


「大きくなったな。まだまだ軽いが」

「姫とはこの程度のものですわ」

「だが、魔王を倒すには軽量過ぎる。もう少し必死に倒すよう、私からの贈り物をやろう」


 フリルちゃんが武骨で重量級の戦士になったらやだ。

 多分みんなヤだと思うよ?


 王はフリルの身体を翻し、自らの膝に彼女の腹を乗せた。


「これは私からの餞別だ。魔王を倒さず帰ってきた場合、ただの恥ずかしい王女になるように──」


 そして、フリルのスカートをめくり、パンツを脱がして、そのキングフィンガーを突き立てる。



「あーーーーーーーーーっ!」



 パーティー会場。

 多くの貴族や貴婦人の中。

 フリルは再び絶叫した。


 王族って大変だね。


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