第37話 逃げちゃだめだを連続で言うとパクリになる。
「フリルにゃっ!」
レストランを出て、すぐの角、そこにいた、フードを冠ったフリルを見つけて走るストライプ。
「うわっ!? お前っ!」
飛びかかったはいいが、マントとフードをしっかり纏っているフリルの尻穴は無理だと悟ったストライプは、そのまま抱き着いて来た。
尻穴が駄目なら抱き着くとか、本気でストライプは尻穴指突っ込みが愛情表現なんだね。
「ふにゃ~」
「ストライプ……それに、ワイン……」
気まずそうにこちらを見て、ため息をつき、諦めたように笑う。
「……どこまで聞いたんだ?」
「特に何も。あなたがこの国の第二王女という程度だわ」
「思いっきり全部聞いてんじゃねえか!?」
フリルは思わず突っ込んでしまった。
ちなみにストライプはフリルの胸で甘えているので頭を撫でてやってる。
「別にそれがどうしたのかしら?」
ワインちゃんはさっき悔しくて誇らしいとか複雑な乙女心を披露したくせに強がってる感があるから可愛いよね。
「どうかしたって……俺がそういう身分だって、教えてなかったんだぞ? その……裏切られたとか、そういうことじゃねえのかよ?」
「誰にだって知られたくないことくらいあるわ? それに人間の世界の身分なんて私には関係のないことだわ」
さっき悔しくて誇らしいとか以下略。
「……そっか」
「それに、そういう事情があるにもかかわらず、首都を絶対拒否出来たはずなのに、あなたは全体を考えてそれをしなかったわ。だったら私はあなたを責めるところがないわね」
ワインの言葉が暖かく、フリルはこいつと仲間になったことを嬉しく思っていた。
なんかいい雰囲気なんでこのままいくけど。
こういう役割って主人公なんじゃね、普通?
なんで女の子同士で進めてるの?
「でも一つだけ責められるところがあるのなら、どうして逃げたのかしら? もし逃げるのなら、どうして私たちを置いて行ったのかしら?」
「……悪い」
「別にあなたがこの国から逃げるのは構わないわ、人にはそれぞれ事情がある。だけど、私たちからは逃げないで? 私たちにはもう、あなたが欠かせないのよ?」
「……おう」
ワインはフリルの手に抱き着く。
そこまで長身ではないフリルも、小柄なエルフの前では男女くらいの身長差がある。
「じゃ、行くわよ? もう、逃げないで?」
「……分かった」
ワインはフリルの腕を抱いたまま、逃げるわけがないフリルを連れて行った。
ちなみにストライプはフリルに抱き着いたままだったので、何も言わなかったけどフリルは結構二人にしがみつかれてきつかった。




