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第34話 食事をしよう

 その後、ブラックの加入動機にフリルが難癖をつけたりもしたが、それから二度目の公演を行い、今度はブラックも入ったことで、何人かがそれを真似たことで、一回目よりは、マシになった。

 とはいえ、まだ全然駄目ではあったのだが。


 だが、飛び散った金の量は、ブラックが加わったこともあり前回よりも遥かに多く、馬車にはかなり近づいたと言えるだろう。


 ブラック単体と、彼らの一回目を合わせた金額より遥かに多く、それだけでお互いに合流した甲斐はあったと言えるだろう。


 ちなみにフリルは途中までは踊りを真似していたが、恥ずかしくなってやめた、けど、ブラックに嘲笑されかけたのでまた踊りだした。

 パンは元気に踊っていたが、真似の出来ない部分がそこそこあった。

 ワインが一番真似していたが、逆に何の面白みもなかった、だってただのコピーだから。


 ストライプとノーはぶれることなく、初回と同じ感じだった。


「今日はこれで終わりか?」

「そうですね、終わりにしましょう。レザーさんも疲れてるみたいですし」

「終わりにゃ? じゃ、狩りに行ってくるにゃ!」


 ストライプさんは元気である。


「いえ、ここは首都ですから、かなり遠くまで行かないと野生動物はいませんよ?」

「じゃあどうするにゃ! 私は半日食べないとあばれるにゃ!」


 またやっかいさんの新しいやっかい知識を知ってしまった。


「首都には料理を出すお店がたくさんありますから、首都にいる間はそういうところで食べましょう!」

「うまいやつにゃ?」

「えーと、はい、そういうお店を探しましょう」

「うにゃ~」


 集団の財政はパンに一任されたので、パンは今日、みんなを元気づけるためにもいいレストランに入ろうかと思っていた。

 もちろん、種族が異なる、人種が異なる、などという者もいる集団なので、店を選ばなければならない。

 首都というのは色々な種族、人種が集まって来るため、田舎のような排他性はないのだが、逆に前にこの種族に物を盗まれた、とか、この人種が店で暴れた、ということもあり、それぞれ個々人が種族や人種に対して偏見や差別を持っていることもある。


 味が良くて、偏見のない店、という、外から見ては分からないし何の情報もない店を、この広い首都から探し当てる必要がある。

 もちろん、そんなことは天才パンをもってしても不可能だ。

 だったら方法は一つしかない。


「ブラックさん、お勧めのお店、ありますか? 種族にも人種にも偏見のないところで」


 そう、知ってる人に聞けばいい。

 パンはその人選をするだけですむ。


 幸い、地元に住んでいて、見た目から首都に住む人種とは異なる者が仲間にいるのだ。

 ブラックに聞けばいい店を教えてくれるだろう。


「いいよ、でもあたしは菜食中心だから、あんたらに合うかねえ?」

「合わないにゃ! そんな店連れて行ったら、両手にゃ!」


 ストライプの言う「両手」の意味はメンバーの誰もが分かり震え上がる。

 片手でも大変なのに両手を使われたらと思うと恐ろしい。


「……じゃ、じゃあお客に連れて行かれたお店に肉料理中心の店があったね。そこでいいかい?」

「いいにゃ! 肉があればいいにゃ!」


 もちろんストライプは肉中心だし、それ以外も肉料理を好むものが多いメンバーなので、どれだけうまい菜食でも、ちょっと味の落ちる肉料理の方がいいだろう。


「じゃ、そこに行くよ? ここからちょっとあるけどいいね?」

「別に構わねえぜ? 俺らここまで歩いて来たんだからな?」

「私は飛んできた」


 言わなくていいのに間違えが許せなかったのかノーが訂正する。


「一人だけ飛んで、許せないにゃ!」

「あーーーーーーーーーっ!」


 メンバーの半分くらい、ノーが喋った瞬間から絶対に難癖つけられると分かっていたが、何も出来なかった。

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