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第26話 愛は無罪。

「おい、いい加減にそろそろ寝るぞ? パンが起きちまうじゃねえか」

「まだにゃ! 食後は運動にゃ!」


 一人さっきよりハイテンションなストライプが吠える。

 ちなみにフリルは寝床に移動する少し前から計算をして、移動中も動いて、レザーの横を勝ち取ったが、寝落ちしたパンの尻穴がピンチになったので反対側で寝かせ、守ってやった。

 レザーのもう片方は存在感のないノーがいつの間にかいた。


 こいつは見た目のわりに結構出来る。いや、見た目のわりにな奴らばかりだが。


「本当に静かにしなさい。もうみんな寝るわよ?」

「寝たら無防備にゃ! 攻撃するにゃ!」


 こう言っているのでうかつに眠れない。

 が、それは隙の無いワインやフリルの話で、常日頃から隙だらけのノーやパンは例外だ。


「あーーーーーーーーーっ!」


 無防備にされるがままのノーが攻撃を受ける。

 今回はタップに成功してたけど、完全に無視されてた。


「このままじゃ寝られねえ……くそ、縄で縛るか?」


 さすがにフリルも寝るときには油断が生じる。

 ストライプのあの速度で攻撃されれば、ひとたまりもない。

 フリルは初めてはレザーと決めている。

 それは前も後ろも同じだ。

 というか、そういうのは別にしてレザーの前であの痴態を晒したくはない。

 ノーの日常を痴態呼ばわりかよ。

 まあ、とにかく、このままでは眠れない。

 少なくとも攻撃してこないという確証が欲しい。


「レザー、ストライプを抱きしめるといい」


 いきなりそう言い出したのは、ついさっき指を入れられていたノー。


「はあ? 何言ってんだよ?」

「ストライプは自分より大きな男の人に抱きしめられると大人しくなる」

「なんだよそれは……?」


 抱きしめられると大人しくなる。

 まあ、ああ見えても女の子だし、もっと言えば獣のメスみたいだしないと言い切れない。

 それで大人しくなるなら、安心して眠れるなら、それに越したことはない。

 だが、フリルちゃんとしては、とってもやだ。

 レザーが他の女の子を抱きしめているところを間近で見るのは嫌で仕方がない。


「それが一番簡単」

「駄目だ! それは俺が許さねえ!」


 やなの!

 とにかく、やなの!


「それではノーが飽きるまで眠れないし、いつ起きるか分からないから深く眠れない」

「……じゃ、じゃあ、俺が抱きしめてやるよ! ストライプ、来い!」

「ふにゃ?」


 フリルはストライプを引き寄せると、そのまま抱きしめた。


「ふにゃ~」


 ストライプは甘えたような声を出し、力を抜く。


「うまくいくじゃねえか……」


 フリルは少しほっとして言う。


「女の場合だと初めはうまくいくけど、そのうち飽きてしまう」


 フリルが安心して油断したところを、狙われてしまった。


「にゃ、パンにゃ! いないと思ったらこんなところにいたにゃ!」


 ストライプはフリルの腕から飛び出て、フリルのすぐ後ろのパンを狙う。

 熟睡していたパンは、何の抵抗もなく尻を露出され、そして──。


「……むにゃ……え? あーーーーーーーーーっ!」


 寝起き貫きをされてしまった。

 この時、フリルが後ろから止めれば、起こされることはあっても、貫かれるところまでは、なかっただろう。

 だけど、フリルは別の選択肢を選んだ。


 レザーに目隠しをすることを優先したのだ。

 これは、誰が悪いわけでもない。

 フリルは確かにパンを大切な仲間だと思っているが、それでもレザーの方が大切なのだ。

 パンが尻穴に突っ込まれるという被害を受け、もしかすると人生が変わってしまうかも知れないが、レザーも幼女のパンツや尻を見て、人生が変わってしまうかも知れない。

 それを恐れたのだ。


 だから、これは、誰が悪いわけでもないのだ。



 いや、全面的にまず、ストライプが悪いよね。


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