第24話 野営も考えよう
「よし、飯も食ったしもう少し歩くか」
「そうね、この大所帯では出来れば野宿をしたくないわね……特に約一名とは絶対に」
「にゃ~、男だからってレザーを迷惑扱いするのは可哀想だにゃ」
「あなたのことよストライプ」
「ふにゃ~」
少し厳しめに言ったのに、ワインに甘えるストライプ。
自分を雇って好待遇で迎えてくれるエルフが好きなのだろうか?
最初は「エルフの中で自分を阻害している家の奴」くらいに思っていたワインを、こいつはそうじゃないと思ったのか、それからは本当に甘えている。
ワインも迷惑だとは言っているが物理的に突き放したりはしない。
もちろん自分がこれまで彼女たちのようなエルフでない者たちを阻害してきたという負い目もあるが、それよりも女王お抱えのボディガードが、他に問題を起こさないように自分が面倒を見る必要があると思っている。
という名目で、甘えられるのを許している。
実際は、まあ、よく分からない感情がある。
それは尻穴を貫きあった仲だからなのか、甘えられて少しそういう感情が生まれたのか、後者希望。
この前と逆じゃねえか。
ともかく、街道での野宿は勘弁したいみんなは、少し歩を速めて歩くが、病み上がりの幼女がいるのでどうしても足は遅くなる。
ストライプが背負ってやると言っても尋常でない表情をして拒否するので、歩くしかないのだ。
そして、誰もそれを何ともしてあげられない。
ワインはエルフということもあり小柄で、パンより少し大きい程度だ。
まあ、ストライプも同じくらいだが同枠に収めるのは可哀想だ。
ノーはこの中だとフリルの次くらいに長身だが、体力なさそう、ていうかない。
そこそこ力と体力があるのは、フリルくらいで、彼女は既にレザーを背負っているので無理だ。
ていうか、どんだけ体力ないんだ。
「す、すみません、足を引っ張ってる上にワガママまで言って……」
「気にするな、みんな気持ちは分かるからよ」
「そうね、私があの時背負ったままだって気づけばよかったわごめんなさい」
パンの謝罪に、フリルとワインのまとも組が答える。
他の奴らはまともじゃないのか、パン以外まともじゃない。
「まあ、諦めて野宿する事を前提に、対策を考えるか」
「そうね、そうしましょう」
なんだか、野宿になりそうな予感がする。
レザーとしては誰かに襲われないか、期待と不安がある。
パンに襲われたらどうしよう、絶対ねえわ。
「なあ、ノー」
「何事か」
「あいつは、寝つきはいいのか?」
フリルはストライプを見ながら聞く。
ちなみにストライプは、街道の脇道に走って行った。
さっきからよくどこかに行ってるので別にうんこではない。
「寝つきはよい。横になったらすぐに眠る」
「そうか」
「だが、横になるまでが長い」
「…………」
つまり、こういうことだ。
寝る時間になってもいつまでもあんな感じで自由奔放に振る舞い、他の奴が眠るのを邪魔する。
だけど、自分が眠くなったらあっさり眠る。
真の自己中心とはこういうことか。
「あいつを縛ることも出来ねえしな、どうするか考えねえとな……」
「私の魔法で寝ている間のストライプから身を守ることも出来る」
「本当かっ!?」
「だが魔法を解くと、数倍の仕返しを受ける」
「……そりゃ意味ねえなあ」
安眠のために、翌日ひどい目に遭うのは避けたい。
フリル自身は何とか身は守れたとしても、弱い者に集中攻撃になり、ノーやパンが大変なことになる。
特にパンがこれ以上トラウマを作ってしまうと、彼女の将来のためにもよくない。
だから、それは避けることにしよう。
「フリル、大丈夫? 疲れてない?」
レザーが気遣う。
疲れているとしたら、まずてめえが原因だ。
「俺は疲れてねえが、確かにパンも大変そうだし、空も赤くなってきやがったし、そろそろ野営を考えるか」
こんばんは、このメンバーでの野営となった。




