最強
これはどうでもいい裏設定ですが、ジェーン・アルベルト氏の出生前にカメラで見られた時、彼は何故か女性と勘違いされていたらしいです。
その結果あの名前なのです。
あれから翌日の放課後、エルフと由香は話していた。
「ねえ、エルフちゃん。
今日の作文のテーマって将来の夢だったよね?
どんなの書いたの?」
「うん……実はね、嘘を書いた。
歌手になりたいっていう嘘をね。」
「えっ!?
何で?」
「内緒にしてくれるなら話すよ?」
「うん、するよ!」
するとエルフはゆっくり話始めた。
「私の夢はね、いつか人間と怪物が共存して暮らせる世界にこの世界を変えたいんだ……。
でも、そんなこと書いたら私の素性がバレちゃうでしょ?
だから嘘を書いたの。
それに、この夢は、今の状態じゃ叶わない夢だから……。
化け物の言うきれいごとは多分人間には届かない……はずだから。」
彼女は自分の境遇のせいで、夢が叶わない可能性の方が大きい事を分かっていた、それが嘘を書くことに繋がった。
エルフは由香以外の人間に自分の素性が割れてはいけない。
もし、そんなことになれば、どうなるか、彼女は想像してしまっていた。
そんな彼女の夢を聞いた由香は
「エルフちゃんなら、きっと叶えられるよ!
とっても素敵な夢だよ。」
「ありがとう……。
でもね、私達怪物は人間を食わないと生きられない。
だから、多分分かってくれるのは由香だけだと思う……。
だから、人間達がいつか分かってくれる日が来るまで、誰にも言わないようにしてるから……内緒にしてて。」
由香はうなずいた、ただそれだけの反応だったが、確かに二人の間に信頼のような物があった。
一方で、場所は変わって羽田空港。
飛行機から、白衣を着てトランクを持つ中年の男が降りてきた。
その男の名前は堺一、彼は医者であり、日本人最強の賞金稼ぎだ。
一はアメリカに医者としての出張に行っていたようで、彼はその帰りのようだ。
「(未知の病がアメリカで見つかったから行ったが……疲れたな。
さて、娘が待っている、家に帰るか。)」
一がそんな事考えてると、事件が起きた。
そう、空港で怪物が暴れだしたのだ。
「ウオオオオオオ!!
肉!肉!肉!肉!肉!肉!肉!ニ"グゥウウウウウ!!」
怪物は思い切り叫び、人間の肉を求めて大暴れしていた。
その怪物の特徴は、左目が赤く、茶色の毛皮を被った両腕両足、それはまるで熊を連想させる風貌だ。
ソイツは一を見るなりすぐさま襲い掛かってきた。
「餓えて恐慌状態に陥ったか……。」
一はすぐにトランクを開き流れるように一本の棒を出した、そしてそれにはスイッチがあり、それを一が押すことで、棒が変形し、刃の部分が銀で出来たナギナタへと変化した。
「ウオオオオオオ!!」
怪物は思い切り引っ掻いてきたが……
「恐慌状態に陥ったクリーチャーは動きが単調になるのが多い……。
なぜなら……。」
あっさりと一は避けた。
「餓えで冷静になれないからだ……。
素人のハンターならお前の腕で倒せてたかもな……。」
流れるように、ナギナタで怪物の胴を突き、そこから上に切り裂いた。
「ギャアアアアアアア!!」
空港に響く断末魔、この怪物は倒れて息絶えた。
「悪いが……。
人類にとって驚異になる分子は排除しなければならない……。
それがハンターの役目だ……。」
彼は怪物の首を切り落とし、持ち帰った。