食材
「さあさ、こちらです。」
店の男はエルフと李三を一つの席に案内した。
「おお、席も噂通り豪華ですね。」
「大美野さんに褒めていただけるとは、光栄です。
では、こちらは水になります。」
男は水の入ったグラスを二人に差し出す。
そして男はひとまずメニューを渡して、立ち去っていった。
「さあ、好きな物を選んで。
何でもいいよ?」
「うん……」
エルフは迷っていた、メニューには自分の好きな肉料理が色々写っていた。
「ここに写ってるの全部って言ったら……怒る?」
「多分、怒るだろうね。」
「じゃあ……ここに写ってる右半分をお願い。」
「それならいいよ。」
李三は、すぐに店員を呼び、注文を頼んだ。
それから数分後、一つ目の料理が届いた。
「……美味しそう。」
「これは君が頼んだものだから、君が食べるべきだよ。」
「うん……。
いただきます。」
エルフは、届いた料理をたったの一分で平らげてしまった。
しかも食べ方が雑過ぎて、手から血が出ている。
「あっ……。」
「大丈夫かな?
ハンカチはあるよ?
これで血を拭きなさい。」
李三はすぐにハンカチでエルフの手の血を拭き取った。
そして、次々と料理は届き、エルフは次々と平らげる、そうこうしている内に食事が終わった。
そして店の外に出て。
「いや、エルフちゃん、今日は助かったよ、ありがとう。」
「いえ……。」
「君とは、いずれまた何処かで会えるかもしれないね。
その時を楽しみにしているよ。
じゃ、またね。」
李三はその場から立ち去り、エルフもとりあえず立ち去った。
それから数分後、李三は自らの家の中で、エルフの血を拭き取ったハンカチのにおいを嗅いでいた。
「ハァ……ハァ……。
何だこのにおいは!?
柔らかく甘い香りがするにも関わらず、とても芳醇で旨味に溢れている香りだ!!
エルフちゃん……。
僕は君を甘く見ていたようだよ、エルフちゃんの全力、僕はそれを見てみたい!
全力をだしたエルフちゃんを僕は美味しく頂きたい!!
ハァ……ハァ……。」
考えてる事が声に出てる李三であった。
この青年はとある漫画の登場人物が元なのですが、皆さまにはわかりますか?