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獣人  作者: ###私は友愛されました###
4/21

友人

「まさかエルフちゃんが、クリーチャーだったなんて……」

エルフの正体が、世間でクリーチャーとも怪物とも呼ばれる生命体だと言うことが、由香にバレてしまった。

「ごめん……」

「ふざけないでよっ!!」

由香はエルフの顔に思いっきりビンタをした、強靭な肉体に定評のある怪物の一体、エルフはビンタされたように首が動くが、痛みはなかった。

しかし、彼女の心は深く傷ついた。

「エルフちゃんが……人間を食ってる生物なんて!!

それを隠していたなんて最低だよ!!」

由香は走って逃げて行った。

それを見たエルフの目からは、涙が流れていた事に由香は気付かなかった。

「(私だって……人として生きたいよ、でも人間食わなきゃ寿命で死ぬ体で、どうやって人のように生きればいいの……

誰か教えてよ。)」

彼女はその場で動かず、ただ静かに泣いていた。

自分達の事を理解してくれる人間は居ない、だから素性を隠していたのだが……それがバレて友人を傷つけた、エルフはただ辛かった。



この一軒から翌日の事だった、いつものように学校に行くのだが、エルフは遅刻してしまった。

そして学校廊下に彼女は立たされるのだが何かに気付く。

「(由香が居ない?)」

そう、由香が学校に姿を見せなかった。

その翌日も、さらに翌日も。

彼女はあれ以来学校に姿を見せなかった、相当なショックを与えてしまった事を、エルフは悔やんでいた。

そして、あれから一週間くらいたった日の下校中の時刻だろうか。

事件は起こった。

それはエルフの帰り道にある、路地裏での出来事だ。

「い、嫌……誰か」

「おいおい……声は出すなよ?

……僕は今すごくお腹が空いている……」

由香は怪物に襲われていた、その怪物の特徴は、額に六つの赤い複眼のような物があり、肩甲骨の辺りから左右に二本ずつ、黒と黄色の縞模様の大きな蜘蛛の足のような物が生えていた。

「大きな声を出すなよ……?

……お前は今から俺の燃料になるんだ……。」

「ね、燃料?」

「そう、僕らクリーチャーを車とするなら……君たち人間はガソリン……わかるだろう?

僕は人間を食わないと生きられないんだ……だから、ごめんね……?」

その後少年は由香を咀嚼しようとしたその時。

一人の少女が二人の間に飛び込んできて、少年にとびひざげりをお見舞した。

「ぶげっ!?」

少年は吹っ飛ばされて壁に叩きつけられた。

「由香は……誰にも食べさせない!」

「エルフ……ちゃん?

何で……あの時私、酷い事言っちゃったのに?」

「そんなの関係無い。

由香は私の……たった一人の友達だから!!」

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