プロローグ
この星は腐った。
人々が様々な研究を行い、この星を汚し・穢してきたからだ。
山の木々は枯れ果て、海の水は汚れ、大気は人の住むことのできなくなるほどだった。
やがて人間は枯れ果てた土地を捨て、地下へ「ユートピア」と呼ばれる閉鎖空間を作った。
そこは、名前の通りの理想郷で、人間がなくしたものすべてがそろっていた。
人類は地上を捨てた。しかし、30年前ある一人の人物によりこの星は浄化された。
それは男だっただろうか、それとも女だっただろうか。人間だったのであろうか。
一体どんな方法を使ったのだろうか。それは誰にもわからない。
「ユートピア」という「檻」へ移り住んだ人間たちは"今"も地上には何があるのかを知らな"かった"。
そう。この大惨事が起こるたった1分前までは。
とある山中にて。
「おい!」
少々大柄な男が銃を構え少年に向ける。
どこかの特殊部隊にでもいそうな出で立ちだ。
「止まれ」
小柄な少年は立ち止まる。
そして、ゆっくりと両手をあげた。
「動くな。・・・」
男はしっかりと少年の頭に照準した。
男は指を引き絞りトリガーを引いた。銃口から発射された9x19mmパラベラム弾は見事に少年の頭をとらえた。
「こちら、ポイントC、被験体を発見。射殺した。これより帰投する」
「・・・。おじさん。待ってよ・・・」
通信端末を使い、本部に連絡をし帰還しようと足を踏み出したときだ。
「んっ?」
男は少年の方に向き直った。
「な、、、」
「・・・」
少年は立ち上がっていた。頭に弾丸をくらい、生きている。
そして、ゆっくりと足を踏み出した。
「っ!く、くるな!、、、っ!」
銃を乱射するも少年にはかすり傷一つつかない。
少年は一歩また一歩と男の方へ近づき、目の前までくるとこう言った。
「君は、四季の中でどの季節が一番好きだい?僕は” ”だよ」
ーーー同刻。とある山中にて。
「おい!」
少々大柄な男が銃を構え少女に向ける。
どこかの特殊部隊にでもいそうな出で立ちだ。
「止まれ」
小柄な少女は立ち止まる。
そして、ゆっくりと両手をあげた。
「動くな。・・・」
男はしっかりと少女の頭に照準した。
男は指を引き絞りトリガーを引いた。銃口から発射された9x19mmパラベラム弾は見事に少女の頭をとらえた。
「こちら、ポイントH、被験体を発見。射殺した。これより帰投する。」
「・・・。おじさん。待ってよ・・・」
通信端末を使い、本部に連絡をし帰還しようと足を踏み出したときだ。
「んっ?」
男は少女の方に向き直った。
「な、、、」
「・・・」
少女は立ち上がっていた。頭に弾丸をくらい、生きている。
足下がおぼつかないが、一歩ずつ歩みを進めてきた。
「っ!く、くるな!、、、っ!」
銃を乱射するも少女にはかすり傷一つつかない。
少女は一歩また一歩と男の方へ近づき、目の前までくるとこう言った。
「あなたは、四季の中でどの季節が一番好き?私は” ”だよ」
そして、双方の山から光の柱が立ち上った。
その光は、「檻」の天蓋に大きな穴を開けた。
その後、山は半分が崩れ周辺地域に甚大な被害をもたらした。
人々はこの事件のことを、
「The twin pillar of light (光の双柱)」
と呼んだ。
その後人類は地上へ調査隊を送り出し、「檻」の外側に何があるかを調べ始めた。
しかし、調査隊はどこの隊も帰ってくることはなかった。
それから、何年もの年月をかけ人々は、どうにか穴を塞ぎ平穏な生活を送っていた。
ユートピアという"檻"の中で。