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軍法裁判所
確かに、弁護士のいう通り、ほとんど変わることはなかった。
変わったのは、軍服を着た人があちこちにいるということだろうか。
裁判員は軍法裁判所ではいないため、その席は当然にない。
だからだろうか、裁判所全体が小さく見えた。
「では、これより裁判を行う」
裁判長が言うと、全員が着席した。
「…冒頭陳述は、以前のままで変更はないか」
相変わらず変わらない検察官サイドと、弁護士たちに首を振って、それぞれの意思を確かめる。
「こちらは異議ありません」
「こちらも同様に異議ありません、裁判長」
双方に意見を言うと、裁判長はうなづいた。