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隠れ話
検察官は、簡潔に鈴谷の罪状とその理由を述べた。
「あとは、検察官が、とうとうと話をするだけです」
鈴谷に弁護士が小声で話しかける。
「でも、私は無罪を主張するつもりですが、いいですよね」
「はい。お願いします」
そして、途中で弁護士が無罪の主張をして、再び座る。
「あとは、ひたすら待つばかりです」
「そうなんですか」
静かに話をする弁護士と鈴谷は、検察官の話を、じっと聞き入っていた。
その中で、あれは違うとか、これはあってるとか、何かの評価をしているようだ。