充電
……枕元に、充電器のコードがある。
今日は動画をよく見たから…、スマホのバッテリーが28%だ。
充電しておくか。
…ぺほん!
充電が開始された。
明日の朝には、充電は満タンになっていることだろう。
……枕元に、充電器のコードがある。
今日はやたら長い説教をされたから…、スマホのバッテリー残量が8%しかない。
充電しておかねば。
…ぺほん!
充電が開始された。
明日の朝には、充電は満タンになっていることだろう。
……枕元に、充電器のコードがある。
今日は休みだったから、スマホのバッテリーはまだ98%も残ってるな。
充電する必要はないかな。
充電器のコードが、あまっているな。
なんか、別のものでも充電しとくか。
タブレット…は充電スタンドにセットしてある。
モバイルバッテリーは…会社に忘れてきたんだった。
………。
ふと気まぐれに、口にくわえてみた。
最近疲れてるし、充電できねえかなってね。
…ぺほん!
充電が開始された。
明日の朝には、充電は満タンになっていることだろう……。
……枕元に、充電器のコードがある。
いつの間にか、口から外れてしまったようだ。
充電が完了しなかったらしく、ずいぶん頭が…重い。
時刻は6:45…あと15分くらいなら、充電できそうだ。
もそもそと手を伸ばし、充電コードの先を口にくわえた。
動けるようになるまで、もうひと眠り……。
てれれってってん♪
てってててってて♪
着信音で目が覚めた。
電話の主は・・・げえ、上司だ!!
『もしもし?!何かあったのか?!今、どんな状況?』
「フふぇっ?!え、あ…すみません、ええと・・・」
ぶつ
電話が切れた。
何事かと思ってスマホを見ると、残量不足の表示が一瞬写って…真っ暗になった。
どうやら充電が切れたようだ。
ヤバイと思って、口の中に接続していたコードを、あわててスマホにつなぐ…。
………?
うんともすんともいわない。
ちょ…、何でこんなときに壊れてんだよ?!
もう二度と自分の充電なんかしねえぞと固く誓った俺は、歯も磨かず、顔を洗わず、飲まず食わずの腹ペコ状態で…会社に向かったのだった。