表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

トライアングルレッスン・転生

作者: RN・マーチヘア

 なろラジに送ったけど長いし採用されないだろうなぁ、でもせっかく書いたしなぁ、という事で投稿。

 ペットショップの前を通りかかると、ショーケースの中、ふてぶてしく箱座りする黒猫と目が合った。

 からかうようにその鼻先をガラス越しにくすぐると、

「お前が、エサだ」

 どこからかそんな声が聴こえた気がして、そこでわたしの意識は途絶えた。


 緑と土の匂いに目を覚ますと、そこは森の中だった。

 ついさっきまで街中に居たはずなのに、意味がわからない。なんだか身体に力が入らなくて、四つん這いで明るい方へ進むと、目の前に小さな泉が広がる。

 そして水面を覗き込むと、そこにはペットショップで見た黒猫が居た。

「……にゃあ?」

 違う。それは黒猫じゃなくて、

「にゃにゃにゃっ!?」

 わたしっ!?

 サラサラの黒い毛並みにキンキラ金色の瞳。肉球はプニプニで細い尻尾がピーンと伸びる。

「にゃー! にゃおーっ!」

 鳴いて喚いて転がり回って、それでわかるのは、結局わたしは猫になってしまった、という事だけだった。

「にゃあ~……」

 もう訳がわからずうなだれていると、

 がさがさっ、と近くの茂みが揺れる。その奥で光る、赤く濁った鋭い瞳。

 ぶわっ、と尻尾が逆立って、本能的な恐怖を感じた。

 逃げようとして、猫の身体の勝手がわからず、つんのめる。

 そして茂みの奥から巨大な蛇が飛び出して、わたしを丸飲みにしようとその大きな口を広げて、

「はあぁっ!」

 銀色の光が閃いたかと思うと、剣の一撃が蛇の頭を切り落とした。残った胴体がのたうち回って、

「凍て付き貫け、アイシクル・ランスっ!」

 無数に飛来した氷のつぶてが突き刺さり、蛇の胴体はやっと動きを止めた。

 それは二人組みの少年だった。一人はファンタジーに出てくる剣士のような、もう一人は魔法使いのような格好。

 だけど、なにより、

「にゃー! にゃにゃにゃ、にゃにゃにゃあーっ!」

「なんだこの猫、こいつも魔物か? わかるかヒロシ?」

「魔力は感じない、普通の猫だろう。そんな事よりタクミ、一人で突っ走るなと言っているだろう」

 ヒロシだ、タクミだ! 例え格好が違っても、その顔や声を間違えるはずがない。ヒロシとタクミだ!

「にゃあー!」

「おうおう、なんだー? 腹でも減ってるのかー?」

「怪我は無いようだが……ふむ、女の子か」

 きゃあーっ!?

「どうする? こんな所に置いていくのもなんだし、街まで連れて行くか?」

「そうだな。もうここに用は無い。さっさと戻ろう」

 タクミに抱えられ、ヒロシに頭を撫でられる。それだけで安心感に包まれるけど、それより、まずはわたしの事を伝えなくちゃ!

「それにしても、悠衣子のヤツはどこに行ったんだか」

 いや、わたしはここだよ!?

「悠衣子が消え、僕達が勇者として召喚された。そこにはやはり、魔王が関係しているだろう」

 え? 魔王ってなに!?

「へっ、なら、やってやろうぜ。悠衣子も、この世界も、まとめて俺達が救ってやるっ!」

「ああ。魔王だろうがなんだろうが、一体誰に手を出したのか、思い知らせてやらなくてはな」

 いや、だから、わたしはここに居るってばー!

「にゃあぁーーーーんっ!」

 ヒロシとタクミを勇者として戦わせるための動機付けとして、異世界に放り込まれた悠衣子。

 ヒロシとタクミは黒猫を悠衣子だとは気付かないまま、「ユイコ」と名付けて旅をしていく、というお話です。

 黒猫は十二支に成り損ねた猫で、干支に加えてもらうために色んな世界を救うんだけど、やり方がダーティーだからイマイチ神様に認めてもらえない、という設定。

 いや、なんで無駄に設定考えてるんですかね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ひたすら「にゃあにゃあ」言ってるゆいこが可愛いです。 神様に認めてもらえないほどのダーティなやり方で世界を救っていく3人の物語!読んでみたいです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ