だらだら長くなった設定語り
後書きにしようと思ったけど長くなったので別話にしました。
クレメンティナ
異世界転生者。昔プレイしていた乙女ゲームそっくりの世界に転生したため、自身が悪役令嬢として追放される未来を無くそうとしていた。頼りのない王子をあまり好んではいなかったため、婚約破棄は喜んで受け入れた。
王子がどのような教育を受け、何を思いヒロインと共に歩もうと決めたのかさえも考えることはなく。物語に溺れ、酔っていた。
パトリック
クレメンティナの元婚約者。幼い頃から年の近い叔父や婚約者と比べられ続け、彼らに及ばない自身に嫌気が差していた。二人ほどではないが優秀だった。同じく比べられ、褒めてもらえないモニカと互いに惹かれ合い、王族から抜けるために卒業パーティーで婚約破棄を宣言する。
『作物の育たぬ不毛の土地』で緩やかに二人で死んでいくくらいにまで気持ちが落ち込んでいたのだが、そこに領民がいたので凹んでる場合じゃない!と一念発起。慣れないながら頑張る内に気力が湧いてきて「もしや自分たちの置かれた環境、よろしくなかったのでは?」と気付いて以後は領民に愚痴をこぼせるようになった。
水害の際に土石流に巻き込まれた領民を救おうとして逆に大怪我を負い、立てなくなってしまう。母親に求めた領民のための援助の手紙に一切返事がなかったとき、彼は相当意気消沈した。それでもなんとか領民のために頑張っている。
でも愚痴りながら勉強を教えた子が学園でやらかしたと聞いたときは特注の椅子ごと引っ繰り返った。後に快癒し、遅まきながら子供を授かる。
モニカ
『誰が為の光』のヒロインにあたる少女。転生者ではない。聖女としての力を見込まれていた元孤児。同年代にクレメンティナがいたことが彼女の不幸。ずっとよその子と比べられ続けた女の子は、同じように比べられ続けた男の子を見つけて、お互いに褒め合おうと決めた。始まりはたったそれだけのことだった。二人とも夢見がちだったことは確か。王子と聖女候補ではなくパトリックとモニカになるために、卒業パーティーでとんでもないことをやらかした。
領地についてからは減衰した聖女の力の残り香じみた力で何とか領民のためになろうと奮闘。気力が戻ってからは周りの人のいいとこを探して褒めまくるようになった。後に遅まきながら夫と同じ色の瞳をした子供を授かる。
アイダ
『誰が~2』のヒロインにあたる少女。転生者ではない。パトリックとモニカの治める領地の出身。難産だったがモニカの弱い聖魔法と周囲の奮闘により無事に生まれてきた。『奥さま』のことを命の恩人だと思っているので、彼女と『ご領主さま』に意地悪をしたらしい中央の貴族のことはよく知らないけどあんまり好きじゃない。でもご領主さまの足を治すために勉学に励み、学園に特待生として入学。直後の素質検査で大いにやらかした。それでも学園には三年通って頑張った。聖女にはならなかったが聖魔法は強力であり、パトリックの『全身』を『健康な状態』に回復させた。
王族貴族諸々関係者の皆さん
『王弟にも婚約者にも及ばないし浮気するダメ王子に見切りをつけちゃえ!』
しちゃった人たち。物語に酔っていた。
「誰も言えないだろうから自分『だけ』は王子/聖女候補に厳しくしなくては」を
みんなでやらかしていたことがアイダの事件以降判明する。
そのためアイダに厳罰を与えることはなかった。パトリックに謝罪するのは様々なしがらみから難しかったため没交渉……にしようとして彼に関しての調査がろくにされていなかったり彼からの手紙や陳情を全部後回しや破棄していたことが判明してしまい更に王城は大混乱。
特に先代王妃(パトリックの母)の心痛は酷く、彼女からの謝罪だけはパトリックも受け取り許したという。
次の聖女
お察しの通りパトリックとモニカの娘。三代(パトリック父・クレメンティナ夫・リカルド)に渡っての聖女不在はまずいと思っていた所にようやく見つけた候補が紫の瞳をしていたのでリカルド王はひっくり返った。詰られる覚悟で娘さんを聖女にしてくださいと頭を下げに行ったら「娘が苦しまないようにしてください」と逆に頭を下げられたので謝罪合戦。年の離れた従兄弟同士がそっくりなのにバカ受けした娘は聖女になることを決めた。なお彼女に誰かが何か根拠もなく酷いことを言おうものならピンクの髪をした彼女の乳母兼筆頭侍女にメンチを切られることになる。