アネシカルリサーチ　シークレットクラブと倶利伽羅のカルマ

　猿川和馬は十五歳の夏休みに忘れられない経験をする。伯父（猿川忠人）が突然、同い年の少年（瀬戸熊巧）と少女（鷹野玲香）を家に連れてきて、一緒に暮らすことになったのだ。天才の伯父、そして才能豊かな二人に猿川は憧れと嫉妬心を抱く。和馬と二人の子供は、伯父の出身校である倶利伽羅大学で再会しようと約束を交わし別れる。
　和馬は現役で合格するも、瀬戸熊と鷹野は既に飛び級で入学しており、和馬とは格差が生じていた。差を埋めたい和馬だったが、倶利伽羅大学のレベルの高さについていけず、退学させられそうになる。
そんな時、和馬にチャンスが訪れる。大学内外で圧倒的な権力を誇る、クラブ『幽玄』へと誘われたのだ。クラブへの入会条件は、学内で起きた失踪事件を解決することだった。
瀬戸熊の協力を得て事件を調べていくうちに、和馬は黒木という落ちぶれた准教授が事件に関わっていることを突き止める。黒木の研究室へ行くと、そこはもぬけの殻だった。すでに別のクラブ『エクレシア』が調べた後だった。
　エクレシアの会員になっていた玲香に事情を聞き、和馬は黒木の裏の顔を知る。黒木は古に滅んだはずのクラブ『デスアンドタックス』の会員で、学生をさらっては非道な研究『アネシカルリサーチ』を繰り返しており……。