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初恋  作者: チョモランマ•マニコ
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山本翔

 朝から降り続いていた雨も、夕方には止んでいた。じめじめとした空気が部屋の中に流れ込み、ねっとりと体に纏わり付く。今年の梅雨入りは例年に比べて早く、6月に入ってからずっと雨だった。

 何週間も敷きっぱなしの布団の上に、山本翔は寝転がっていた。翔は今年の4月から大学生になった。通えない距離ではないが、大学近くのアパートを借り、一人暮らしを始めていた。一人暮らしを始めて2ヶ月経ったが、部屋にはほとんど物がない。翔自身モノに執着しないため、必要最低限のものしか置いていないのだ。実家から持ってきた勉強机や布団、中古で買った家電類。それ以外なにもない。小さな勉強机の上には参考書やノートが片づけられることなく、散らかった状態で置かれている。付けっ放しのテレビの中では、おじさん受け抜群なニュースキャスターが明日の天気を教えてくれていた。


 

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