自分の中の掴みたいこと。
また新しい週が始まった。
いつもの時間に起き
いつもの準備して
いつもの時間に家を出る。
そしていつもの時間に学校に着く。
1つ違う事はまだ腕が少し痛みに似たものが残っていること。
今日もメンボウが休み時間にバレーボールをしようと行ってきた。
僕とメンボウはいつものコートへ行って見ると誰もいない。
なぜか複雑な感情が湧いた。
少しばかりそこでメンボウと喋っていると井ノ口先輩がやって来た。
「悪い悪い。」
そう言いながら井ノ口先輩はメンボウにバレーボールを投げた。
「こんちわっす。」
「こんにちは。」
メンボウと僕が挨拶すると
井ノ口先輩はいつもの爽やかと一緒の手を挙げた。
今日は井ノ口先輩一人か。
そう思いながら3人で何となくパスを回す。そんな感じのやり取りで時間が過ぎていった。
「メンボウ、これ返して来てくれ。」
井ノ口先輩はそう言ってメンボウにボールを投げた。
「うっす。」
メンボウはそう言って、ボールを受け取ると一足先に歩いて行った。
井ノ口先輩は僕に歩幅を合わせながら、メンボウが離れて行ったのを確認して話し出した。
「今川君どうかな、バレーボール。
一緒にやってみないか?」
「あっはぁ」
僕はため息に似たような返事をした、
迷いがまだあるからだ。
「部活に入ってから練習をしていけば
いまくなってくるし、俺はこの前言った事は本当にそう思ってる。小さな奴だってバレーは出来るんだよ、リベロって言ってレシーブ専門のポジションもあるからバレーには。」
「・・・」
「いや、返事は急がなくていいから。
でも俺は3年だしバレーは夏で引退だから少しでも長い時間一緒にバレー出来たらなって思ってさ。」
「あの、井ノ口先輩。・・・
一週間待ってもらえませんか?」
「おう、そうだねじゃ一週間後に返事を聞こうかな。実を言うと体育祭の準備なんかで休み時間にバレーする時間がなくなったんだ。いい返事が聞けるのを期待してるよ。じゃぁ一週間後に。」
そう言いながら、爽やかに右手を挙げて井ノ口先輩は去って行った。
「誠、遅れる行こうぜ。」
後ろからメンボウに声をかけられて、
ビクッとなった。
けど何事もなかったような顔をして
僕とメンボウは小走りで走り出した。
今日の最後の授業は体育祭の練習があり、自分達の持ち物を取りに教室に帰っている時、メンボウが近って来て話し出した。
「誠、バレー部のことなんやけど。
俺と一緒にやってくれんか?
やっぱり一人はキツイものがあるよ。
でも誰でもってわけじゃない。誠なら一緒にしたら、楽しいと思うし話も出来るんって、先週で思った。
なかなかバレーも上手いし、誠どうかな?もうお前しかいんだよ、頼みよなっなっ?」
「今日、井ノ口先輩からも、一緒にバレーしようって言われた。」
「でっなんて言った?」
「1週間待って欲しいって言った。」
「そうなん?なんで?」
「いや、なんて言うか・・・だからメンボウも1週間待ってくれよ。」
「1週間待っやら、入るんだろ?」
「まだそうと決めたわけじゃないよ。」
「頼むよ~誠。マジで!」
そう言ってマンボウは僕を拝む。
「だから、1週間!待って!」
僕は自分のバツが悪いので
ちょっとムキになって声が大きくなった。
僕は体操服のまま家に帰り、
まずは牛乳をゴクゴクと飲んだ。
「ふぅーやるか。」
独り言を呟き、サッカーボールを手にして僕の団地の練習場へと来た。
僕は壁打ちをが100回出来たら、
バレー部に入ろうと決めた。
返事を長引かせる言い訳ではなく、
僕は自信が欲しいと思っている。
それが他の人からしらくだらなく
簡単なことかもしれない。
しかし、今の僕には何かを始めようと
思った時にとても重要な100回なんだ。
僕の決意とは裏腹にサッカーボールとの意思疎通は上手くいかない。
1日で出来るわけはないとわかったいても期待と焦りが交差している。
そんな気持ちはサッカーボールは汲み取るようで上手くいかない連続。
「チクショッ」
今日のタイムリミットだ。
夕方に時間がある分、
僕は母さんが帰ってくまで手伝いをすると宣言していた。
僕はジンジンする腕にサッカーボールと21回の結果を抱えて家に向かう階段を登って行った。