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オーデナリージャンプ  作者: 市丸 時化人
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入部

「行って来ます。」


月曜日が来た。

僕はバレー部に入る決心をして家を出た。


なんか入学式の朝のように期待と不安が入り混じっている。


僕よりも待ちきれなかったのはメンボウの方だった。


「誠~お~い、誠。」


振り向くとメンボウが駆けっよって来ていてた。


「誠、今日は月曜だぜ。納得いくレシーブ出来たか?」


「いや、上手くいかなかった。」


「マジかよ・・・じゃぁバレー部入んないのかよ?」


メンボウは断られるとは思わなかったようで少し青ざめた顔になった。


「だから、バレー部に入ろうと思ってる。」


「マジかよ、バレー部に入るのかよ。ん?バレー部に入る。」


「はははっ、なんとかレシーブ出来たし親にも話せたから、バレー部に入ろうと思ってる。」


「なんだよ!マジびびった。こいつ!」


メンボウは僕にヘッドロックをしながら嬉しそうに笑った。


「いたい、いたい、メンボウ。」


僕がそう言うとメンボウはヘッドロックをやめて僕らは学校へと歩き出した。


「マジびびったよ。でも入るって決めてくれて嬉しいぜ」


「そう言っくれて嬉しけど、やっぱり不安もあるなぁ。」


「大丈夫だよ。基礎も教えてくれるし

井ノ口先輩にも誘われただろう。先輩も先生も優しくていいぜ。」


「でもメンボウはなぜ僕を誘ったんだよ?」


「前にもいったじゃんか、やっぱり同じ年代の仲間が欲しいじゃんか

誠なとなら楽しくバレー出来るしよ。」


「でも、心配はあるよ・・・大きくないじゃん、僕。」


「大丈夫、俺がデカイじゃんか。誠が拾って、俺が打てばいい事。

そう心配すんなよ。小さくてもバレーしてる人はいっぱいいるんだかから、な?」


「そうだね、やってみようって決めて来たからまずはやってみるよ。」


「そう、そう言う事。それに六美とも体育館なんかで会えるのが多くなるぜ!」


「な、なんで!それは関係ないだろっ!」


「おい、おい誠~顔が赤くなってるぜ~」


「やっぱやめる。」


僕はそう言うと、恥ずかしさから走り出した。


「誠~待てよ、冗談だよ。冗談~」


メンボウはニヤニヤとしながら僕を追いかけて少しだけ僕の機嫌をとった。


休み時間になると井ノ口先輩がやって来てくれた。


「今川君、調子はどうだい?」


井ノ口先輩もメンボウと同じで期待をした顔をしている。


「あっこんにちは。」


「うん、月曜になったけど、どうだい気持ちは固まった?」


「はい、何が出来るかわからないですがバレー部に入ろうと思います。」


「そうか!それはよかった。ちょっと心配したけどよかった。」


僕はメンボウの時のように悪ノリは出来なかった。当たり前か。


「あの、あとはどうすればいいですか?」


「そうだね今日、体操服はあるかな?」


「はい持ってます。」


「それなら放課後にメンボウと一緒に体育館に来ればいいから。」


「わかりました。ありがとうございます。」


「じゃぁ放課後にそんなに緊張しなくていいから。ホントよかったよ。」


僕は井ノ口先輩に頭を下げた。

あぁホントにバレー部に入ることになるなと今更ながらふと思った。


僕は早速メンボウに井ノ口先輩と会ったことを話した。


「さっき、井ノ口先輩と話して、放課後メンボウと一緒に体育館に来いって。」


「そうか、じゃぁ放課後迎えに来るから行こうぜ。」


あっという間に放課後になり僕はメンボウの後をついて体育館に向かった。


メンボウがあらかじめ体操服を着ておけと言ったか制服の下に着ていた。


体育館に着くとメンボウが端っこで制服を脱ぎ出した。


「誠、俺の横で体操服になれよ。」


「うんわかった。」


僕は少し緊張の顔で制服を脱いでバックに押し込んだ。


「メンボウ、今川君」


「こんちわっす。」


「こんにちは。」


井ノ口先輩と三年の先輩が入って来た。

他の先輩も休み時間に一緒のバレーをしてくれたので、よく来たと歓迎してくれた。


その後も2年の先輩達がゾロゾロと入って来た。


「こんちわっす。」


「こんちわっす。あれ?」


「おぉ、新入部の一年生。」


「こんにちは。」


井ノ口先輩が入って来た2年の先輩にも僕を紹介してくれた。


2年の先輩もメンボウ以外に後輩が出来たとみんなワイワイと盛り上がって話をして僕を歓迎してくれた。



「もう、話は終わった?だったら早く()()()()を始めましょうよ。せっかくの体育館だから、()()()()がなくなってしまいますよ。」


ただ一人を除いて。


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