ぶきよう
ずいぶんと自分を荒く削ってきた
古い木箱の鉛筆のような
とんがって折れやすい私がいる
いまさらどうしようもできずに
窓の下を眺める私がいる
左右前後に道はない
可能性を無闇に断捨離してしまって
高い空だけがある
よく他人と口論をした
そうすることでしか
自分の位置を知ることができなかった
無計画に 弾丸のように
私は飛んで見えなくなった
他人は私を見ているだけだが
私は他人が
私を笑っていると思っていた
ずいぶんと不器用に生きてきた
すっかりあたりは閑散として
ずっと遠くから肉じゃがの匂いがする
私は夕餉の仕度をする
たったひとりの晩餐をする