第7羽 ザワザワ
読んで頂き、誠にありがとうございます。
子分の情報によると、ここだ間違いない。
船着き場から少し離れた、村長の別荘だ。
「シマジロー。花ちゃんら。様子はどうだ?」
「へい。チビの野郎、開いた窓からヒョイと中に入ってから半時ほど経ちます。タチマチュ。」
「よしよし、何でここに来たかは分からねえが、もう少し様子を見てから、突入だ!」
「「「「「「へい。」」」」」エイ。」
ん?正面のドアが開いて、中からチビ野郎が出てきたぞ!‥‥‥後ろに‥‥ふわふわ浮いた、蛇‥‥蛇女がいる。
消えた!蛇女が‥消えた‥。
これ以上、関わらない‥‥
ボスの威厳なんか、へだ。
知らない。見てない。わからにゃい。
「腹減ったな。帰るか子分たちよ。」
「ボス!あれ蛇「何を食べるかな?行くぞ!」が」
「「「「「「へ‥‥へい‥」」」」」ぺい。」
□
匂いを辿ったてきたら着いた。
ここからシーナーガの匂いがプンプンする。
お誂えむきに、窓が開いている。
ヒョイと窓から家の中に入ると、絢爛豪華な贅沢品の山だ。
大夫、悪どいことをしていそうだ。
誰もいねえ。
匂いは地下からする。
地下に降りるドアも、何故か開いている。
いた。
間違いない。シーナーガのマリだ。
長机の上に縛れている。
その下には、誘拐犯とおぼしきオッサンが死んでいる。
死んで間もない。
ゴンゾーじーさんから、シーナーガを奪い独り占めをしたまではよかったが、いったい誰が?
まあ気にしないでおく。
マリは気を失っているが、問題なさそうだ。
「マリよ。シーナーガのマリよ。」
声を掛けながら、魔法で縄をほどいていると、
「‥んっ‥んん~んっ‥‥」
「センリに頼まれ助けにきた。大丈夫か?」
「‥センリ‥ママ!‥」
「行くぞ。」
俺は浮遊魔法をかけ、マリを持ち上げて家の外に出た。
今は夕刻だが、まだ明るい。
不可視化魔法を追加して移動した。
子猫の歩幅で、ゆっくり船着き場に向かい、着くころは日が落ちていた。
強い意思の念で、
「シーナーガのセンリよ、娘マリを連れてきた。」
と、海へ向け飛ばした。
程なくすると、海面から顔が現れ、
「ありがとうございます。有翼の獅子様。」
俺は魔法を解き、感動の親子の再会を眺めていた。
「ママ!」「マリ!」
「獅子様、お礼を‥‥」
「明日、貰う。今日はゆっくりするが良い。」
「ははっ。仰せのままに。」
ただ、昼の鮭がまだ腹の中にあり胸いっぱい。
だから眠い俺。
□
遡る事、2日前。
冒険者ギルド クルタ支部。
「チャコ!チャコ!チッチッ‥出ておいで~。」
変ね居ない‥‥。
「おーい!馬車の護衛依頼を一緒にやる奴はいないかー?」
「ハーイ!お願いします。」
「よし!これで3人だな。依頼は、ここから馬車で3日の漁村のルジル村だ。宜しく!」
「はい!」
「準備ができ次代、出発だ!」
漁村かあ~美味しい魚がたべれるね。
(重要案件が発動した事が分からないマリア)
□▼□
殺す殺す殺す殺す殺す殺すブッ殺す!
腹を痛めて産んだ我が娘の!我が主人の恨み!
絶対に晴らす!!
見つけ出して殺す!
有翼の獣を殺す殺すブッ殺してやる!
今回の仕事ではシーナーガしか居なかったが!
何時か必ず探してブッ殺す!
□▲□
今日は疲れた。
先ずは寝る。猫の俺。
なんか、背筋がザワザワする。
生暖かい目で、宜しくお願いします。