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プロローグ


 はっきりと覚えているのは、涙を流す女の顔。ピクリとも動かない血まみれの親友。女を取り囲んだ大勢の警官。怒号と発砲音。ただ茫然と立ち尽くし、親友の亡骸を見つめる自分自身。

 どうにか思い出そうとするが、そこから先の事はあまり覚えてはいない。恐らく、その後には自分にとって重要な出来事などなかったのだろう。

 世間を震撼させた化け物による連続殺人事件のおわり。不可解な能力で犯人を探し出し、連日匿名で報道される小さなヒーロー。

 目まぐるしく過ぎ去った、けれど普通に生きていたら体験しようのない濃密な日々の記憶はしかし、とても希薄だった。


――恐らく、それらは自分にとって重要な事ではなかったのだ。


テレビに映る映像は自分が望んだ結末ではない。そこには思い描いていたものとは別のモノが映し出されている。そこには居るべき人間が居らず、人が何人も死んだというのに英雄を称えるチープな凱旋模様が映し出されていた。

ヒーローの称号なんていらなかった。あいつを死なせて貰うそんなモノに、意味など見出せなかった。


きっと俺は親友の亡骸を見た瞬間から、何もかもどうでもよくなってしまったのだ。


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