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29 ―番外編―

後程、修正します…!



 休日。私とシャルは、ユリアスの研究室に訪れていた。


 先日、急遽決まった予定だったせいか。研究室ここに来るまでに、私のヒットポイントは半分になったよ! 皆まで言わずとも、私のヒットポイントをゴリゴリと削ってくれたのは、ユリアスの研究室まで付いてきてくれた涼しい顔をしているウチの執事様だ。


 シャルにとっては予定外だった仕事を入れて悪かったよー、今度は迷惑掛けないようにするから今日のところは許して下さいよー。(でも、シャルが『私が付き添います』って自分から言ってくれたんだよ!?)


 そして、今。更に私のヒットポイントが削られようとしている。


 「お初にお目に掛かります、ルチアーニ様。私、グリンベルグ侯爵家にてマリスティア様付きの執事をさせて頂いております、シャル・ウィングスと申します。本日は私も、お嬢様と…先生のお手伝いをさせて頂きたく参りました。宜しくお願い致します」

 「ユリアス・ルチアーニです、初めまして。貴方のお名前は存じています。学園卒業生の中でも特に優秀な成績だった、と。お会い出来て光栄です。…手伝いをして頂けるのですか、ありがとうございます」


 ウン。光栄ですとかユリアス言ってるけどさ――…


 「勿体無きお言葉です。ルチアーニ様も歴代卒業生の中で、とても優れた成績を修められた方だったと、私も聞いております。私の方こそお会い出来て光栄です」


 …――シャルも光栄ですとか言ってるけどさー…。


 二人共、目が笑ってないから。その上――…


「…」

「…」

「…」


 うおーいぃ!! 全員で無言とか気まずい以外の何ものでもないわ! 耐えられん!


 と言うか、シャルとユリアスはあれか?


『チッ、コイツも主席卒業者なのかよ』

『ハッ、私の方が優秀ですよ?』


 …――みたいな感じで。

 

 実は口には出さないけど張り合ってるの? だったら、どっちも優秀なんだからさ、張り合わなくて良いって!(いや、本当に張り合っているのかは解らないけどね)

 

 「…」

 「…」

 「あ、あの…」


 耐えきれなくなった私は二人に声を掛けた。


 「何でしょうか? お嬢様」

 「何かな? グリンベルグさん」


 あ。やっぱりユリアスの態度が軟化している。それは、まあ置いといて。


 「お二人の挨拶も済んだ事ですし、早速ですが作業に入りません?」










 それから、数時間。


 結論から言えば、ユカリグサの葉の粉末(まあ、ユカリのふりかけだよね)は、完成した。


 それにしても。天才? 秀才? 二人が何かと小さな事で小さな衝突を起こしていた気がする。


 例えば――…


 『ごめんなさい、シャル。袖を上げて貰えますか? 下がって来てしまいまして』


 乾燥しているユカリグサの葉を揉んで、葉の部分と茎等の固い部分に分ける作業をしていた私は、腕捲うでまくりしていた制服(一応、休日とはいえ学園内に居る訳だから制服にエプロン着用という出で立ちだ)のブラウスの袖が下がって来てしまったので、向かい側に居たシャルに上げてくれるよう頼んだのだけど――…


 『これ位で、どうだろう?』

 『あっ、ありがとうございます、ルチアーニ先生』


 ササッと。隣で選り分けた葉の方をスリ鉢で更に細かくしていたユリアスがシャルよりも早く、私の腕を手に取り、ブラウスの袖を上げてくれたので、戸惑いながらも礼を言うと――…


 『申し訳ありません、ルチアーニ様のお手を煩わせてしまいまして。ですが、お嬢様の事は私がお世話致しますので、どうぞ、ルチアーニ様は貴方様の作業に専念なさって下さい』


 ウン、だからさ? 目がね、笑ってないからね? 怖いからね、シャルさん。


 『いや、お気になさらず。この位、何て事ありませんから』


 それから――…


 『ルチアーニ先生、こちらの作業は終わりましたので、何かお手伝いできる事はありますか?』


 と、尋ねたんだけど。


 『ああ、お嬢様。それでしたら、申し訳ありませんが私の作業を手伝っては頂けませんか?』


 ユリアスが答える前にシャルから手伝いの申し出があった。


 『えっ? ええ、解りましたわ。この瓶に詰めていけば良いのよね?』


 あれ? シャルのとこは余裕あるように見えていたけれども、気のせいだったようだ。


 『すぐに気づかなくてごめんなさいね。シャル』

 『いいえ、大丈夫です。お嬢様、手伝って下さりありがとうございます』

『い、いえ…こちらこそ』


 シャルが笑った! こちらこそ、ありがとうございます!(いや、本当レアなんだよ、この笑顔! 良い物が見られたなー)なんて思っていると。


 ガチャン!! と、陶器が打ち付けられたような音が聞こえ、音がした方に目を向ければ――…


 『ああ、手が滑ってしまった。驚かせてしまって、済まないね』

 『おや、中身が散らばってしまったようですね。集めるお手伝いを致しましょうか?』

 『…いや、結構だ』


 …――なんて事もあった。うん、ユリアスも目が笑ってないから。無理に笑顔作らないで…怖いよ。


 ねえ。この二人、ずっとギスギスしてなかった?


 もうね、帰る頃には私のヒットポイントは赤い表示(見えないけど!)になっていたからね!





 

 はああ、疲れた一日だったなぁ―――…。

(ユカリグサの葉に疲労回復効果もあれば良かったのになぁ…)



ここまでお読み下さりありがとうございます…!(ブクマや評価も、どうもありがとうございます!励みになります!!)

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