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このゲームに勝者を!!  作者: 甘党ヒーロー
2/4

巡り巡ってたどり着いた場所

1話に続き2話になります。

こんな話をしよう。


世間一般。戦争もなく化学発展も中旬にして特別に食料や水が不足している訳でもないこの地球の一部、日本は何事もなく人類は日常を暮らしている。


はずが。

とある少年は眠りが覚めていつもと違う違和感を感じた。


ーあれ、俺病室にいたよな、何で自分の部屋で寝てたんだ?


このときはごく普通にあるボケという類になるのだが

少年の場合少々違う。


矢先に次々と見覚えのある記憶が少年の脳に濃縮し、激痛が、今まで味わったことのない痛みが襲われる中、ハッとある少女の事を思い出す。


みるみる内に表情が青くなり心の中で少女の名前を叫んだのだった。


ー奏奏奏奏奏、かなで……!


と呪詛のように。

ふと電子時計を見た。

そして病室にいた時と日にちのズレも違うと分かり、少年はますます混乱に陥る。


いてもたっても居られなかった。

病院に行こうと足を立たせ、部屋を出ようとすると。

ドアのノブが開く。


ーけんた、手紙が来てたぞ?


母から受けとったその一通の手紙に全てが書かれており、1つは少年が恋していた少女はもうこの世にいないということ。


1つは病室いた日と現在との記憶がない空白は自分自ら薬を飲んで消したということ。


最後にこう書かれていた。

それはもう自分の心を見透かされているかのような一文字で、


これからなにが起ころうと自分の命だけは粗末をするな。


そう書かれていた。


ゴクリと喉を鳴らす。

少年から見る限り文字は自分の字、そしてなにより終わりの一言で健太よりと、自分の名前が書かれていたのだ。


そのあと調べた結果、手紙に書かれていた通り奏は死

んでおり、次の日の学校生活では不幸が舞い降りていた。


よく分からないまま近所の人に避けられクラスメイトには殴られる。

こういった奇妙な人生を少年は背負いながら時代が流れ、今も生きていたのだった。


***


見渡せばそこは、活気に満ちた賑わいのある市場だった。

屋台が左右平行に並び、嗅いだことのない匂い、だけどそれが不思議と堪らなく美味しそうにただ寄せるこの匂いはついヨダレを垂らしそうになる。


他にも女性が、通り掛かる人を勧誘しているアクセサリー屋や八百屋や得体の知らない瓶を売る人などが正を出していた。


素通りする人達の大半は、剣や槍などを手に持ったり腰に携えたり……なんだか頭が痛いのだが全てが本物なのかと疑ってしまう。


今の俺に見とれている状況じゃないと知っているつもりなんだけど、どうも人の習性というものは馴れないものを見るとつい見とれてしまうらしい。

執心退散。


「ん……」


とはいえこういう場合俺はどうしたらいいのかさっぱり分からないし、動いて見るのが一番なのか?


でも、動いたところで知らない地形に行き場のない俺にとっては無駄に道に迷う訳で、ここは大人らしくこの場で、唖然と立ち尽くした方がいいんじゃないのか?


それこそ親切な人が訪ねてきて理由を話せばなにか教えてくれるかもしれない。


この国のことは皆無だから何を話されても知らないことだらけ、きっと勉強にあるだろう。


いや、でもちょっと待て……人に尋ねられた場合俺は何て会話を交わせばいいんだ?

また不良に謝ろうとしたみたいに下手な言葉だったらどうしよう。


俺は口下手だった。

結論からすると、まぁ何とかなるだろうと言う理由で歩くことにする。


巡り巡って人を素通りして、屋台から声を掛けられても適宜に受け流し、中心部にでかい、それはもう王様がそこで暮らしている的な感じの赤白の彩度を使われている城が建てられていたり。


いつのまにか迷い迷った住宅エリアに居ると気づいた時にはそこはもう真っ白い世界に入ってしまったかのように四角い家が満面なく白かった、などの感想を軽く心に仕舞い、ようやく全体のこの町を一周したところで少し整理しよう。


この賑わった市場に白にこだわった(いろど)り。

中心部には城が建てられていて、ここで珍しく天辺に赤色を使われていた。


そしてなにより気になったのは、猫耳に尻尾をつけ子供っぽさを見せ散らしている可愛い女の子。

異様に耳が長く尖らせ、妖艶(ようえん)さが見える美人女性。


………。


「もろファンタジーじゃねぇかぁぁぁ!!」


盛大な叫び声が街中に響き渡った瞬間だった。


どういうこった…

まぁ剣を携えている人を見た時からもう日本じゃないと思ってたけど、まさか外国を通り越して異世界って誰が思うんだよ。


いつのまにか俺は時空の狭間に迷い込んでいて別の出口にでてしまったのだろうか? ヤバイって これはシャレになってないって! どうするんだよ俺、こんな参考書のない知識もない世界でどうしようもないじゃないか!


「ミトラ! ミトラを呼んでくれ! そもそもあいつが余計な言葉を俺に吹き掛けなければモヤモヤした気持ちなんてもの、現れずに済んだんだ! 」


叫んだせいか回りにいる人達は耳打ちをし始めた

不味いと、身体一面に脂汗をかいてることが分かる。

俺の真下にはちょっとした池が出来ていた。


ポンと肩に硬く冷たい感触が伝わり、一瞬にして俺の焦りは治まる。

逆に言えばこの見知らぬ世界? で当然知り合いなどもおらず、今こうして誰かに肩を叩いてくれたことに少し安心感を抱いた。


きっと女神に近い人物が俺をこの意味の分からない世界から救いだしてくれるんだろう、と?


俺は振り向いた。

そして女神に近い人物を想像していた自分の考えが一瞬にして打ち砕かれる瞬間でもあった。


「貴様……この街の住民じゃないな? 少し城へご来乗を願おう」


若い青年が、ゴツゴツとやたら重そうな銀の鎧を身体に纏わせ、手には槍、頭には兜と、いかにも兵士にふさわしい装備をした人がそこにはいた。


「お、お手柔らかに……お願いします?」


弱々しく声のトーンが上がりながら俺は城に連れて行かれるのだった。






「ほうほう、この引き締まったボディに均等の長さで整った胴体と脚、そして中々のイケメンと来た、ちょっと目に(クマ)があるのが残念だが、その他諸々お前もヒューマンにしては上出来だな、おい」


極上の椅子に座っている王様が舐めるように俺を見つめ、スタイルが気に食わないのかさっきからイライラしているように見える。


見ると王様は少しポッチャリしていて、そのせいで顔にも脂肪が通っているのか、カッコいいとはお世辞にも言えないほどだった。


「この私を差し置いて……貴様等死にたいのか? 一人死んだ魚のような目をしやがって、どうなんだあぁ?」


死んだ魚のような目とは俺のことだろう。


「勘弁してください……」


さっきから正座で足が痺れた。

尋常じゃないほど脂汗も流れさっきといい、いい加減身体の水分がなくなってきているんじゃないか?


「陛下、悪ふざけはそこまでにしてそろそろ本題を」

「おう」


手に書を持った大臣らしき人が王様に言う。

王様はめんどくさそうに頷き、真面目な顔になる。


ゴクリと俺の隣で喉を鳴らす音が聞こえた。

気づいていたんだが隣にも俺と同じ状況に陥った青年が小鹿のように震えながら正座していた。


ツンツンと黒い髪を立たせた青年。元は凛々しい顔立ちだろうが今この現状、緊張で少しやつれているように見える。

服装は日本の物と一致していることと気づき、どういうイレギュラーなのかは知らないがどうやらこの人も日本人らしい。



「単刀直入に聞く、貴様等この街に不法侵入しただろう」

『……』

「黙ってねぇで答えろ」

『……』

「黙し、か。……よし分かった、貴様等まとめて死ー」

「はいっ!」


王様が死の次に何を言ようとしたのかは分からないが、死が付いた時点で穏やかでないことが分かる。それをいち早く気づいた、隣にいる青年が震えながらも手をゆっくり上げる。


「なんだ? 行ってみろ」

「知らない内に、この街にいました……」


……正直者の青年だった。

王様は呆れた表情でため息を吐く。

当然こんな嘘丸見えの言い方、信じるはずもない。


「はぁ~最初からそう言っとけばいいんだよ、バカタレが」

「お、王様?」


青年が呆けた表情で王様を見る。

勿論俺もだ。予想外の言葉に面を喰らった。


「俺も悪じゃないんだから適当に誤魔化しとけばそれで納得してやるよ。俺はイケメンじゃないからな、優しさだけが俺の唯一取り柄だコノヤロー」

「陛下、恐れながら貴方は権力がありますゆえ唯一とは違います」

「バカヤロー。それは親父に継いだだけであって俺の意志じゃねーんだよ」

「ハッ! しかし良いのですか? どこぞの馬の骨も知らぬ二人に易々と見逃しても」

「いやだってあいつら武器とか持ってないじゃねーか、それにもし新手の賊だとしてもお前らがいる。まぁ大丈夫だろ」

「……左様で」


こんな軽い王様がいたんだと少し表情が和らいだ。

青年もホッと胸を撫で安心する。


「よし、貴様等もう行け。貴様等の無駄なイケメン姿を見てるとにイライラしてくるんだよ。それともあれか、ノコギリでギロチンしてやろうか? そうすれば世の中のイケメンが二人いなくなるからな、良いことだ」

『勘弁してください……』


嫉妬深い王様だった。






兵士の後ろを歩き、出口に出る。

ようやく緊張から解放され、外の空気が新鮮な気がして堪らない。


「お前ら良かったな、陛下が優しいお方で。チャランポランに見えるがああ見えてなかなか確りとなさっておられる」


苦笑いしながら兵士は言った。


「とりあえずお前らに服装を整える事を勧めよう。今回はそれが招いた原因だ、いいな?」

「はい、迷惑掛けてすみませんでした」


青年が言い頭を下げる。続き俺も下げた。

それを見て兵士はじゃあなと交わし城に戻って行く。

鎧でガシャカシャと金属が擦り合わせる音が遠くなったところで俺等は顔を上げた。


「ふぅー……緊張したぜ!」


青年は言った。

俺はというと、


「はははっ、なんだこれっ!」


笑っていた。

というか笑えてきた。


「すごいスリリングを体験した!」


いつ斬りかかれてもおかしくないと思えるほどの緊迫感。

兵士皆が槍を持ち、王様のご機嫌で俺の人生が生か死の分かれ目って、これほど危機に落ちたことなんて初めてだった。


だけど俺が思っていた王様とは少し違い、それが優しいと、いい方向だったから奇跡的に生還して釈放されたからいいものの、もし王様悪い方で、王様から指示があって、兵士に槍で刺されたと思うとゾッとする。


運が良かった。

いや、捕まる時点で運が悪かったんだろう。


それもこれも不幸を反転してくれた青年のおかげだった。

お礼を言わないとな。


「えーと、ありがとう」

「ん?」


唐突に言われ何のことか分かっていない青年の様子に俺は細かく言う。


「だからえーと、小島くん? 君がいなければどうなっていたかと思うと、多分俺一人では乗り越えられなかった」

「ああ、その気持ちは俺も同じだよ。一人だったらプレッシャーに押し潰されてた。まぁようするにお互いが居たから助かったようなものだな、こっちからも礼を言うぜ。でもさぁ勝手に名前を捏造(ねつぞう)するなよ、俺の名前は坂木亮平(さかきりょうへい)だ」

「そうだよな、ごめん坂木くん。俺の名前は志依原健太(しえはらけんた)だ。これから宜しくな」


これから宜しくなと言ったあと、坂木は「え……」と呻く声が俺の耳まで届いた。

どうしたんだ。

なにか間違えたことを言ったんだろうか?


それとも坂木はこの街の住民? いや、ないな。日本人のはずだ。見れば見るほどこの街の住民とは顔の形が微妙に違う。


だとすればやはり俺の知らない内に失言してしまっていたのか。


そう思い自分で言った言葉をもう一度脳内にループさせるが別にこれといって間違ったことは何も言ってなく、だいたい、これから宜しくなの言葉に間違いようがない。


すると坂木は何を思って呻いたんだとどうして気になる。


「坂木くんもこの街に迷った日本人だよな、なら俺も迷っていることだし、ここは日本人同士、共同で行動するのが妥当じゃないのか? ほら、二人でこの街を検索すればなにか情報が得られるかもしれないことだし」

「それなら二人でじゃなくて別れて検索したほうが効率が良くないか?」

「……細かいこと気にするなよ、そんなに俺と居るのが嫌なのか?」

「いや、そういう意味じゃないんだ。俺はただ……」

「ただ?」


少し間が開く。

そして苦笑いしながら言う。


「……まぁいいか、うん、良いぜ。そのほうが楽しいもんな」


歯切れの悪い所で納得されてしまった。

俺にとっては「ただ」の次に出てくる言葉が気になるが誰にもプライバシーがある。

深く問いただすのは良くないことだろう。


「とりあえずお互いの情報交換で、この街の検索はそのあとでもいいよな」

「よし、それでいこう」


俺が言い頷いた坂木はまず、話す環境が良いところを捜してそれから情報交換することにした。








































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