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第八話~暗黒~



鬼竜:黒髪で無造作に伸びた髪が特徴。自称最強の神の器。親を幼くして失ったため、医者の日渡に育てられた。16歳




    第八話〜暗黒〜



 「ナツミ、さっさと倒していくぞ。」

「わかってるって。」

ケイとナツミは悪魔に余裕の笑みを見せていた。

「あんたたち、あたしを誰だか知ってて言ってるの?あたしは

エキドナ。悪魔の中でも上位の方よ。あんまり舐めてかかると痛い目に合うわよ。・・・!?」

「悪いが、貴様に付き合っている暇はない。」

ケイはエキドナの腹に渾身の蹴りをいれ、エキドナはその場に崩れるように倒れた。

「ナツミ、いくぞ。」

ケイとナツミはその場を去り、ゲンリュウ班の元へ向かった。

「はあ、はあ、まさか不意打ちとは・・・。生きていただけで運がいいわ。」

エキドナはゆっくりと立ち上がる。

「・・・そこのあんた、盗み見とは達悪いわね。」

「バレちゃったら仕方ないな。」

電柱の陰から一人の少女が現れた。

「あんた何者?」

「私は花岡すみれだけど、あなたには関係ないよね?ここで死ぬんだから。」

花岡すみれは笑顔で告げた。

「!?」

エキドナは急に息が出来なくなりその場でもがき始めた。エキドナは状況が理解出来ずただ苦しむことしか出来なかった。やがてエキドナは動かなくなり、消滅した。

(悪魔であろうと、神によって決められた運命には逆らえない。)

「うん。フォルトゥナの言う通りだね。仕事も終わったし帰ろうか。」



「おい、てめェ、人のテリトリーで騒いでんだからお礼ぐらいさせろよ。あン?」



すみれはその場から逃げ出したかったが背後から近づいてくる恐怖に身体が動かない。

「さあ、始めようぜ。殺し合いをよォ!」




 「ゲンリュウさん、ここはどうしましょうか?」

「私がここから水刃撃を放つ。界は反対側に回ってやれ。」

「了解」

僕は反対側に回ろうと走り出した。その時、

「ぐぁ!?」

「キャァ!?」

振り向くと後ろでゲンリュウさんとユイが倒れていた。

「ゲンリュウさん!ユイ!」

「私を舐め過ぎていたようね。あれぐらいの竜巻なんて簡単に飛び越えられる。」

「くそおぉぉぉ!!」

僕は怒りのままにエムプーサに剣を振りかざした。

「隙が多過ぎよ。」

エムプーサは僕の腹に右足で一発蹴りをいれた。

「ぐはぁっ!」

僕は腹を抱えてその場に倒れた。

「私の右足は青銅で出来てるの。人間なんかの蹴りとは比べものにもならない。」

「くそっ・・・」

気持ちとは裏腹に僕の身体は動かなかった。

「さあ、次で終わりにしましょうか!」


「終わるのは貴様だ。」


「!?」

エムプーサが声に反応した時には既に遅く、エムプーサの身体は真っ二つに斬られた。

エムプーサの背後には大剣を振り下ろしたケイさんがいた。

「待たせたわね。」

少しあとからやってきたナツミさんが言った。

「・・・あそこに、ゲンリュウさんとユイが・・・」

僕はゲンリュウさんとユイが倒れている方を指差した。今の僕は手を動かすのも一苦労だった。

「ケイ、早く戻って手当てしないと。」

「ああ。」


ーズドンッー

その時何かが凄い勢いで路地から飛んできた。

「「!?」」

「何?・・・女の子!?」

ナツミさんはその正体に驚愕の表情だった。僕もかろうじて姿を見ることができた。

「・・・花岡さん?」

僕は状況が理解出来なかった。なぜこんなところに花岡さんがいるのか。出来れば信じたくない事実だった。

「!?こいつが、花岡すみれ・・・?」

?今、ケイさんは何て言った?僕の聞き違いだろうか。

「・・・ケイさん、今なんて?」

僕はケイさんに聞き返したが、ケイさんの耳には届かなかった。

「おいおい、もうギブとかないだろ?もう少し愉しませてくれよォ。」

路地から一人の男が現れた。そいつの目ははたして人間の目と呼んでいいのだろか。そいつの目はとても人間の目とは思えないほど冷酷な目だった。

「あ?なんだお前ら?」

その男はようやく僕たちの存在に気付いた。

「貴様は鬼竜だな?」

ケイさんは強めに言う。

「俺も大分有名人になったじゃねーか。」

鬼竜という男は笑いながら言った。

「ナツミ、すまねーな。」

ケイさんそう言いながらナツミさんに近づくと、ナツミさんの首の後ろを叩いた。

「!?」

ナツミさんはケイさんの不意打ちに対応出来ずにそのまま倒れた。

「ケイさん・・・何を・・・」

僕は必死にケイさんに話しかけるが、僕の声は届かない。

「おいおい、仲間割れかよ。」

鬼竜はまた笑いながら見ていた。

「貴様を倒して花岡すみれを回収する。」

「てめぇの目的はこの女か?ならさっさと持っていけと言いたいとこだが、生憎この女は今俺と遊んでんだよ。邪魔させねーぞ!!」

そう言って鬼竜はケイさんに手を向けた。

「させねー!」

ケイさんは鬼竜に向かって大剣を振り下ろした。

「!?」

本来ならば鬼竜の身体を引き裂いているはずの大剣は黒い何かに飲み込まれていた。

「俺の力の前にはそんな攻撃、無意味なんだよ!!」

ケイさんは強引に大剣を引き抜くと、鬼竜と距離をとった。

「貴様・・・」

「俺の暗黒世界は最強だ!!」

僕は鬼竜に今までに無いほどの恐怖を感じた。



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