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第六話~決行~

5日から学校が始まるので投稿が今までどおりできない(中三なので)時もあると思いますが、なるべく早く投稿したいと思います。



    第六話〜決行〜




「今は五人だが、早速作戦を決行する。今回の作戦内容はケルベロスの討伐だ。先日深手を負ったケルベロスを取り逃がしてしまった。しかし、やつの体内にGPSを入れておいた。見つけ次第討伐だ。」

僕はアキトさんの変化に驚いていた。あんなに笑っていた人が今はこんなにリーダーシップを発揮している。

「リコ、追跡出来るか?」

「もちろん。姿を消していても変わらないよ。」

「そうか。じゃあ、リコは引き続き追跡を。ゲンリュウとユイ界はリコの指示通り行動だ。」

「「了解」」

「りょ、了解」

僕は皆より少し遅れて返事をした。返事をするて皆は外に向かったので僕は黙ってついていった。

「ゲンリュウ、中央公園の地下水路よ。」

「了解。」

ゲンリュウさんの無線にどうやら指示があったようだ。

「あの、ゲンリュウさん、リコって頭いいんですか?」

あんな小さいのに、指示を出しているのが気になった。

「ああ、リコの中には知恵や戦略の神がいるらしい。だから今のあいつは俗にいう天才だな。」

「そうだったんですか。」

それなら納得だ。少し羨ましいかも。

「さあ、行くぞ。」

城内の黒い床はどうやら地下水路に繋がっているようだ。

ゲンリュウさんに続いてユイさんと僕は走った。

「リコ、ケルベロスはどの辺だ?」

「次右に曲がってそのまま真っ直ぐ。」

「了解。」

僕たちは右に曲がりそのまま走った。

「目の前よ!」

「了解!水刃撃!!」

ゲンリュウさんは走るのを止め言った。ゲンリュウさんのその声を合図に空中に水で出来た無数の刃が出現し、前方に飛んだ。

「ギャャァァァァ!!」

無数の刃はそれまで見えなかったケルベロスに直撃した。

「ユイ、界!追撃を!」

ゲンリュウさんは僕達に言った。

「「了解」」

ユイさんは手を前に出すと手から竜巻が発生し、ケルベロスを襲った。ケルベロスはさらに後退した。

「うおぉぉぉぉ!!」

僕は剣を構えてケルベロスに突っ込む。ケルベロスも対抗するように突進してきた。

(界!)

(大丈夫、僕もやる時はやるんだ!)

僕はタイミングを見計らってスライディングをした。僕を見失ったケルベロスは立ち止まり、僕はケルベロスの下に潜り込むことに成功した。

「はあぁぁぁぁ!!」

僕は力の限り剣をケルベロスの腹に突き刺した。

「これで終わりだ。豪爆炎!!」

ケルベロスに突き刺さった刃の部分から炎が巨大化し、ケルベロスを呑み込んだ。

「グァァァァァァ!!」

ケルベロスは叫びながら消滅した。

(零距離からの豪爆炎か。考えたな。)

(まあね。)

「よくやったな。二人とも。」

ゲンリュウさんとユイさんは僕のところにきた。

「いえ、ユイさんが隙を作ってくれたからですよ。」

「ユイでいい。」

「え、ああ、分かった。」

急に言われたので戸惑ってしまった。

「じゃあ、帰るぞ。」

ゲンリュウさんはそれだけ言うと歩き出した。

(こいつら、全員かなりのつわものかもな。)

(ヘファイストスが言うくらいだからね。)

(僕も頑張らないと。)

(そうだな。)


 

 「ただ今戻りました。」

「おかえり、皆。お疲れ様。」

アキトさんは笑顔で僕達を迎え入れた。僕達はあれから何事もなく無事に帰ることが出来た。

「皆お疲れ様〜」

リコは椅子に座ったままこちらを向いて言った。

「これでケルベロスの問題は解決だ。って言いたいところだけど、まだ問題は残っている。」

またアキトさんの雰囲気が変わった。

「問題って?」

「まだ、界はよく分からないかもしれないが、あれ程の悪魔となると力が大き過ぎて単体で現界するのは難しい。となると、何者かがわざわざ召喚したことになる。」

「では、そいつを探すのが次の任務ということだな。」

ゲンリュウさんはアキトさんの代わりに言った。

「そうだ。」

「でも、手掛かりがないんじゃどうしようもないんじゃない?」

「ああ、リコの言う通りだ。そこでリコに頼みがある。新木市周辺で人が近寄らない場所を探してくれ。」

「ほいほい。任せてー」

リコはそう言うとパソコンに向かった。

「まだ動くまでは時間があるからそれまで皆はゆっくりやすんでくれ。界、君もしばらくはここにいてくれ。君の部屋も用意してある。」

アキトさんはそれだけ言って部屋を出た。ゲンリュウさんも「体を動かしてくる」と言って出ていった。

「ユイ、一つ聞いていいかな?」

「何?」

「アキトさんってもしかして多重人格?雰囲気が変わってるんだけど。」

「違う。アキトは今焦ってる。それだけ。」

さっきアキトさんが言っていたことだろう。

(ヘファイストス、悪魔を召喚するって人間に出来るの?)

(ただの一般人には無理だな。最低でも魔術の知識がないといけないはずだ。まあ、私の専門外だから詳しい話は分からんが。)

魔術なんてこの時代にあるのだろうか。昔はあったとかいう話を聞いたことがあるような気がするが、今は漫画やアニメでしか聞いたことがない。今では魔術はとても廚二っぽい。そんなことを考えていると、疲れが溜まっていたのか急に眠くなってきた。

「少しだけ寝るか。」

僕は座っていたソファーにそのまま横たわって寝た。



 「・・・あー、よく寝た。今何時だ?」

そう言って携帯をポケットから取り出す。時刻は午後6:40

「げ、7時間以上も寝てたのか・・・。あれ、ここ、どこだ?」

僕はソファーで寝ていたはずなのに、今はベッドの上だ。部屋も変わっている。今いる部屋の方が小さく、一人用ってところだ。

「お邪魔します。」

声がした方を向くとドアを開けてユイが入ってきた。

「やっと起きた。」

ユイはそう言ってベッドの横にあった椅子に座る。

「ここ、どこ?」

「界の部屋。好きに使って。」

ここは僕の部屋みたいだ。家の部屋より綺麗だ。

「誰がここに僕を運んだの?」

「ゲンリュウ。ソファーで寝るよりベッドの方がいいって。」

「そうだったんだ。」

やはり見た目とは違ってゲンリュウさんはとても優しい人だ。

「それと、アキトからの伝言でしばらくは進展なさそうだって。」

「分かった。ありがとう。」

「じゃあ、また後で。」

ユイは僕の部屋を後にした。

これで本格的に僕の生活が変わり始めたと僕はその時思った。


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