第五話~仲間~
明けましておめでとうございます。
今年も頑張っていきましょう。
ゲンリュウ:短髪の大男。見た目は怖そうだが意外と優しい。戦闘員リーダー。23歳
ユイ:銀髪で長髪の少女。口数が少ないおとなしい子。戦闘員。15歳
リコ:茶髪でセミロングのポニーテール。元気で明るい参謀役。13歳
第五話〜仲間〜
ー明日の朝6時にあの裏山の昨日会った場所にきてくれ。ー
僕はあれから家に帰ってお風呂に入ってからすぐに寝ようとしたが、嬉しさのあまり興奮してたのか、なかなか寝ることが出来なかった。
「明日、6時か。」
明日が待ち遠しい。
現在時刻は午後11:30。
(貴様は浮かれ過ぎだ。)
(別にいいだろ。そういえば、神の目的って皆が悪魔の討伐なの?)
(いや、神はそれぞれの目的を持って現れる。だが、悪魔がいることはだいたいの神の妨げにしかならない。だから、神は最初のうちに悪魔を排除しようとする場合が多い。)
(へぇ〜そうなんだ。)
(まあ、どの神も目的を口外することを嫌うがな。)
僕がヘファイストスの目的を聞こうとした時に言った。
それでも僕はヘファイストスの目的がどんなものなのか気になって仕方なかった。しばらく考えているとだんだん眠くなってきていつの間にかぐっすりと寝ていた。
(起きなくていいのか?)
「あと、五分だけ・・・」
(おい、待ち合わせあるだろ。)
「!!」
その言葉に僕は慌てて起きた。
時計を見ると時刻は5:45。
「大変だ!遅れちゃうよ!」
僕は急いで身支度を済まし、家を出た。裏山は近所なので走って五分もかからない。しかし、待ち合わせ場所は裏山の中だ。
「はあ、はあ、朝から走らないといけないなんて・・・」
(自業自得だな。)
裏山を登るころには大分疲れてしまった。
「やっと・・着いた・・・」
「界君、お疲れ様。」
先に着いていたアキトさんは笑いながら言った。
「ごめんなさい、遅れてしまって。」
「はは、全然気にしてないよ。
」
アキトさんはまたもや笑いながら言った。
「じゃあ、早速案内するよ。」
「え、どこにですか?」
「それは着いてからのお楽しみだよ。」
アキトさんは片目を瞑りながら言った。僕は黙ってアキトさんの後について行った。
「へぇ〜こんなところに小屋なんてあったんだ。」
アキトさんが案内した先に小屋があった。
「もしかして、ここが目的地ですか?」
「いや、正確にはこの中かな。」
「?」
僕はその意味が全く分からなかった。アキトさんはゆっくりとその小屋の扉を開けた。
「何も無いんですけど・・・」
小屋の中は何もなく、殺風景だ。
「よく見て。あそこだけ床の色が違うでしょ。」
部屋の隅の方の床だけ他の床に比べて色が濃い。
「ほんとだ・・・」
「よく見ててね。」
アキトさんはそう言うと、ポケットから何かのスイッチのようなものを取り出し、それを押した。その瞬間、隅の床がガクッと少し下がって左右に開いき、黒い床が現れた。
「うそ・・・凄い・・・」
小屋とは似つかないシステムが床には施されていた。
「さあ、行こう。」
そう言ってアキトさんは黒い床の上に立った。僕は誘われるようにその床に向かって歩いた。
僕が立つと黒い床はエレベーターのように下がり始めた。
下がること20秒、黒い床の動きが止まった。
アキトさんは僕より先に黒い床から降りて僕の方を向いて言う。
「ようこそ、我が本基地"デザリア"へ」
僕は夢を見ているんだろうか。果たしてこの21世紀はここまで発展していたのだろうか。
僕の目の前には地下都市(都市ではないが)と呼んでもおかしくない光景が広がっていた。目の前から続く大きな道は400メートルほど続いており、その道は正面に位置する大きな城のような建物に繋がっている。
「少し驚いたかな?」
アキトさんは笑いながら言う。
少しどころではない。本当に新木市の地下かどうかも疑わしい。
「ここで話すのもなんだし、行こうか。」
僕は言われるがままアキトさんについて行った。
「ごめんね、こんなに道がながくて。さっきのエレベーターは普段使わないから安心して。」
「あ、はい。」
僕はとっさに返事をした。
「ふう、到着。」
アキトさんはそう言って入り口の扉を開けた。
「さあ、入って。皆待ってるよ。」
言われたとおり入ると床には赤い絨毯があり、よく見る城の光景だった。
「こっちこっち。」
アキトさんは入って左にある扉の前にいた。
「心の準備は出来てるかい?」
僕が行くと、アキトさんは冗談混じりに言った。アキトさんはゆっくりと扉を開けた。
「皆、お待たせ。今日は新人を連れてきた。紹介しよう、界だ。」
そう言ってアキトさんは僕を前に出した。
「あの、新庄界です。よろしくお願いします。」
僕は丁寧に自己紹介をした。
「あれ、今日はナツミとケイはいないのか。じゃあ、皆自己紹介して。」
部屋の中央のソファーに座っていた大男が立った。
「うっす。では私から。私はゲンリュウだ。よろしく。」
次にゲンリュウさんの向かい側のソファーに座っていた少女が立った。
「私はユイ。よろしく。」
それだけ言うとまたソファーに座った。どうやら、大人しい子みたいだ。
最後は部屋の隅の机でパソコンをやっていた少女が自己紹介を始めた。
「私はリコ。リコでいいよ。よろしくね。」
パソコンをやっていたので大人しい子かと思ったが、元気で明るい子だった。
「今日から界君いや、界を含めた7人で活動する。」
アキトさんの雰囲気がいままでとは変わった。