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第二話~役割~

こんにちは。赤井葵です。

 「僕は神を知っている」第二話です。一話の題名が二字だったので二話も二字にしてみました。

 これから二字縛りにしようかなぁと思っています。それでは、第二話もお楽しみください。




    第二話〜役割〜


 (・・き・・ろ)

誰かが何かを言っている。

「なんだよ。僕は眠いんだ。」

(起きろ!!)

「うわっ!!な、なんだ!?」

(もう、朝だぞ。)

どうやら、自称神が僕を起こしたらしい。ということは、昨日の出来事は夢ではないみたいだ。

(何をぼさっとしている。今日も学校あるだろ。)

「今思ったんだけど、僕、お前と話す時、実際に話さないといけないの?」

(そんなことはない。言いたいことを心の中で言えばよい。)

(なるほどね。)

実は内心、独り言みたいで嫌だなと思っていたが、その心配はしなくていいみたいだ。

母さんがいない今は朝食はちゃんと食べることができない。これは僕が料理できないわけではなく、朝早くに起きられないのが原因である。

「今日はヨーグルトだけでいいや。」

(そんなので大丈夫なのか。)

(僕、少食な方だから。)

さっさと食べ終わり、身支度を始めた。

「これなら、走れば間に合いそうだ。」

全ての準備を終えるのにシャワーを浴びたおかげでいつもより時間がかかった。

「じゃあ、いってきます。」

誰もいない家にそう告げた。


 

 「はあ・・はあ、日頃運動しないとこれだけで疲れるな・・・」

(弱いなあ。)

(うるさいよ。)

神はいちいち口を挟んでいる。今だ自分の心に直接話しかけられるというのに慣れていない。

それにしても入学式に出ていなかった僕はクラスて目立ってしまうだろうか。それだけはなんとしても避けたい。僕は静かに学校生活を送りたいのだ。

(それは難しいだろう。)

(おい、人の心読むなよ。)

いや、もしかして言いたいこと以外も筒抜けなのか?違うと信じたい。


 

 今、僕は教室の前にいる。なかなか教室に入る勇気が出てこない。みんなと一緒に入学式に出ていれば話は別なのだが、初日休むだけで、もはや転入生である。こうしている間に、時間は過ぎていく。

「よし、行くか。」

教室に入った瞬間、みんなの視線は一斉に僕に集まった。きっと今の僕の視聴率100%だろう。

僕は気にしないように黙って席に座る。やはり新入生の机には名前が書かれたシールが貼られていた。実にありがたい。これがなかったら、「僕の席どこ?」と聞かないといけない。

僕が席に着いた直後に朝礼のチャイムが鳴り、クラスの皆が席に着き始めた。

「おはようございます、新庄くん。」

どうやら、左隣の席は花岡さんらしい。

「おはよう、花岡さん。」

花岡さんは挨拶を済ませると前を向いて先生の話を聞いていたので僕も黙って前を向いた。


 

 「あー・・・疲れた・・・」

(そんなに疲れる内容だったか?勉強なんてほとんどなかったではないか。)

急にヘファイストスが話し始めた。やはり少しは配慮してくれていたのだろう。そうしてもらわないと困るのだが。

(だからだよ。普通に授業やってたら、誰とも話さなくていいだろ?でも、クラスの決め事とかは周りの人と話し合わないといけないじゃないか。)

(花岡とかいうやつとしか話してないではないか。)

(まあ、そうだけど。)

神との会話を終え、僕は食堂に向かった。ここ聖秀学園の食堂のメニューは結構豪華だという噂がある。そうなると確かめたくなるのが人間だ。少し歩くペースを早めた。


 

 食堂はメニューだけでなく、内装まで豪華だった。食堂内にはお茶することができる場所までついていた。これほど豪華な食堂はなかなかないだろう。

「さて、どれにしようか・・・」

品揃えがよすぎるというのも意外と困りものだ。

僕は迷った末、定番のカレーライスを注文した。

「・・・なんだこれは・・」

見た目はごく普通のカレーライスなのだが、味が全然違う。カレーライスを超越したカレーライスみたい感じた。とにかく旨い

「あ、そのカレーライス、美味しいって評判ですよね。」

僕が夢中に食べていると花岡さんが自分のお昼を持って席に座った。

「相席いいですか?」

「うん、全然いいよ。ところで、その、敬語やめてくれないかな? そういうのあまり好きじゃないんだ。」

「分かった。じゃあ、改めてよれしくね、新庄くん。」

花岡さんは満面の笑みで言った。花岡さんはおとなしい人だと思ったけど、笑顔がとても似合っている。

「どうしたの?早く食べないと昼休み終わっちゃうよ?」

「あ、ぼーっとしてた。」

本当は花岡さんの顔を見ていたんだけど。

僕たちはその後、世間話をして昼休みを終えた。


 

 (午後の授業は一時間だけなんだな。)

(今日は始まったばかりだから特別らしい。)

午後の授業は普通の授業で数学だった。僕は数学が結構好きで得意だったので、苦ではなかった。

(後で話しがある。昨日の続きだ。)

ヘファイストスはいつもより少し低い声で言った。

(分かった。)

僕は最小限の返事だけをした。

僕は下校時刻になるとすぐに帰宅した。正確にはすぐに下校したかったが、花岡さんが「一緒に帰ろう。」と誘ってきたので、断る作業で多少時間を使った。


 

 (で、昨日の続きを話してくれよ。)

僕は学校から少し歩いてから言った。

(そうだな。貴様には神の器としての仕事をしてもらわないといけない。)

(なんだよ。その仕事っていうのは。)

(まあ、簡単に言うと、悪魔の討伐だな。)

(・・・悪い、もう一回言ってくれ。)

聞き間違えだと信じたかった。

(だから、悪魔の討伐だ。)

(それ、本気で言ってるのか?)

聞き間違えではなかった。ヘファイストスは確実に"悪魔の討伐"と言った。

(もちろん本気だ。貴様には神の器としてやってもらう必要がある。これは義務だ。)

(なんでだよ。僕は絶対そんなことしないぞ。)

悪魔の討伐なんて死んでもやりたくなかった。

(貴様には断る権利はない。貴様は私と契約を交わした。貴様の願いを叶える代わりに貴様は私の器になるというな。)

(・・・・・)

何も言えなかった。ヘファイストスの言うことは筋が通っていた。

(それでも断るというのであれば、願いを取り消すしかないな。それはつまり貴様の母親はあそこであの悪魔に殺されていたけとになる。さて、どうする?)

(!?・・・・・分かったよ。)

さすがに、母さんが殺されるのは嫌だった。・・・?まて、今こいつ、悪魔って言った?

(おい、今、あの時家に居たのは悪魔って言ったのか?)

(あれは悪魔だ。下級悪魔だかな。)

(それはつまり、僕は既に悪魔を倒しているのか?)

(そういうことになるな。)

僕は既に悪魔を討伐していた。

(じゃあ、あの時の剣と炎はお前の力?

(そうだ。貴様はあの時には既に神の器だ。)

あの時は混乱していてよく考えられなかったが、今考えると全てこいつの力だと気付いた。

(貴様の仕事は神である私の力を使って悪魔を討伐することだ。悪魔は私が感知できる。貴様がわざわざ探すことはない。)

(俺にお前の力なんて使いこなせないと思うけど。)

普通に考えて神の力なんて使いこなせるはずがない。

(普通の人間は使いこなせない。だが、異常な人間ならどうだ?貴様は神の器になった瞬間から使っていだろう?貴様は異常な人間なのだ。)

ヘファイストスは僕が異常だと言った。これといって特に目立つ特徴も特技もない平凡な僕を異常だと言った。別に褒められてはいないのに何故か少しだけ嬉しかった。

(・・・じゃあ、やれることはやるよ。)

(それでこそ我が器だ。)

 

 この時から僕の神の器としての物語は動き出した。




第二話どうだったでしょうか?まだ序盤ということもあり、いまいち盛り上がっていませんが、今後戦闘シーンも出てくるので楽しみにしていてください。

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