盛られた薬は、2
甘ったるいです。閲覧注意!!!
「…………あれ、なんともない?」
むしろなんだが力が湧いてくるよう。
身体が軽く力も湧いてくる。
ナナフシの試作薬と聞いてもっと危ない中身かと思っていたけど、やっぱりナナフシってちゃんとした腕の良い医者なのね。それともリナの成果かしら?
恐れていたのが馬鹿みたい。
今の私ならいくらでも浄化出来そう。
「メロウ様。この薬、凄く力が湧いてきますよ。どんな成分なのか気になりますが、きっと……っ!?」
はしゃぐ私の声を割って勢いよく椅子から立ち上がったメロウ様。彼の薬はなにか効能が違ったのだろうか?
「メロウ、様……?」
何も言わずに部屋の扉へ向かうと、ガチャと音が鳴った。
「メロウ様……、なんで扉の鍵を、閉めたのですか?」
「…………。」
何も言わずにジリジリと近寄ってくるメロウ様。俯いていて表情は伺えないが肩で息をして苦しそうだ。もしかして、メロウ様の薬はなにか身体に害をなす物だったのだろか。そうであれば大変だ。
「私、すぐにジルバルを呼んできます!」
「待て。」
引き止められた手は熱く力も強く、そのまま彼の胸に抱かれる形になった。
「俺は獣は好かん。あいつらは卑怯で傲慢だから。でも、これは……。」
一体なんの話をしているの?
熱い吐息に鼓動も速い。
分かることはメロウ様に異常が起きていると言うこと。早くどうにかしないといけない。腕の中から逃れようと踠いているとくるりとある方向を見るように言われた。そこには身支度用の鏡が一枚。
「一体どうし、って………、ええっ!!!?!?」
鏡に映る自分の姿に驚愕した。
何かの間違いだと思って自身に触れて見るもやっぱりある。さっきまではなかったそれが!!
「嘘、でしょ……」
「あの薬のせいだな。」
髪の隙間から猫耳が生えてる!?
手触りも本物の猫だ。感覚だってある。
「なにこれっ!?!!」
「シシア、尻尾ってスカートが捲れてる。」
「ほわっ!?」
なんだこの同人誌みたいな展開は!?
じゃあメロウ様は?
「…………垂れ耳、うさぎ、だとっ!?」
潤む瞳に垂れ耳が反則級のビジュアルとなっているメロウ様。いつもはクールで美しいが、今は保護欲を擽られる可愛すぎる見た目。この組み合わせはズルすぎるだろうがっ!!
「写真撮りたい。保存したい。どうして現代の技術が今無いのよ。悔しい……っ!!!」
「シシア、落ち着け。」
「これが落ち着いてられますか! その見た目は誰にも見せてはいけませんよ。死人が出ます!!」
翡翠の髪から生える白い垂れ耳は陶器の様な肌と見事な親和を生み出している。私の出会った獣人にはなかった可憐さ。そして精霊の高貴さと相まって神秘的にすら感じる。この世の者とは思えない中性的な見た目が更に神格化させていた。
私にも尻尾が生えていると言うことは、メロウ様にもある訳で……。
「もふもふの尻尾……、見たい。」
「シシア!!」
「ふにゃいっ!?」
あまりの神々しさにオタク化していた私をメロウ様の大声が現実に引き戻した。
「はぁー……、はぁー、はぁっ……」
苦しそうに息をする彼の艶っぽいこと。
サファイアの瞳に涙を溜め、頬は赤く私を抱きしめる腕は小さく震えている。彼には申し訳ないが、過去一番の破壊力に私の方が先に倒れてしまいそう。
「シシア、身体に異常は?」
「特に、ありません。身体も軽いですし疲労回復薬を飲んでいた頃より元気な気がします。」
「そう、か。じゃあこれは……、種族の差、なのか?」
小瓶の液体は見た目からだいぶ違っていた。
獣に変化するのは一緒でも液体によって違う獣の姿になるという事?
それともメロウ様の方にだけ全く違う特別な成分が入っていたのだろうか?
とにかくこのままじゃ駄目なのは確か。
「メロウ様こそ、辛そうじゃないですか。早くジルバルの所へ行きましょう。」
「いや、大丈夫だ。それよりも……、シシア。」
「どうされました?」
「うさぎの特性を知っている、か?」
突然の質問に戸惑うもメロウ様があまりに真剣だから茶化したり話を逸らす事も出来なかった。
四足歩行でピョンピョンと跳ねるとか、草食動物だって事は知っているけど、それ以外の特性と言われたら分からない。実際、それぐらいじゃないの?
「奴らの一番の特性は、年中発情期なんだ。」
「………………ん?」
今なんて言った?
私の聞き間違いか……?
「シシア、すまない。」
「め、メメメロウ様っ!?」
「もう…………限界だ、」
素早く腕から抜け出そうとするも、時すでに遅し。
メロウ様が一番に掛けた鍵のせいであっさりと捕獲され、そのまま抱き上げられてしまった。
「おろして下さいっ!!」
「無理だ。諦めてくれ。」
諦められるもんですか!?
私を抱き上げたままなんの迷いもなく執務室の奥にある隣の部屋へと繋がる扉を開けた。
執務室には部屋を出る扉とは別に仮眠室へと繋がる扉がある。ここは多忙のメロウ様専用の部屋であり、寝室と比べると小さいが、ちゃんとしたダブルベッドが置かれていた。
仮眠室へ入るなり、ベッドの上に私を下ろすメロウ様の瞳がだんだん座っていく。さっきまでの草食動物特有の保護欲は吹っ飛んでいき、今や肉食獣の捕食シーンを見ているよう。
「シシアの猫耳かぁいい。」
美味しそうな獲物を前に涎を垂らすライオンみたく、恍惚な表情を浮かべてながらジリジリと迫ってくる、逃げ場なんてなくて、彼の熱い指は私の猫耳を撫で回す。
「やめ……、くすぐったぃ、です。」
完全に捕食者モードのメロウ様は私を逃すつもりは微塵も無いらしく、猫耳を撫でまわしご満悦。それならと私も彼のうさ耳に手を伸ばす。
「うわー、ふわっふわだ!」
まるでぬいぐるみでも触っているような手触り。冬場にこんな手触りの毛布があったらよく眠れそう。
「シシア、気持ちぃ?」
「――っ!!」
夢中でうさ耳を触っていた私にカウンターパンチがヒットする。上目遣いのまん丸な瞳が嬉しそうに近づいてもっと撫でろと言う。反則が過ぎるだろ!!
薬のせいなのか、いつもより甘えたなメロウ様が可愛すぎる。これは心が持たない。そろそろ本気でどうにかしてベッドから逃げないと。
「メロウ様、そろそろ本当にジルバルの所へ行きましょうよ。」
「こら、逃げるな。」
「にゃんっ!?」
説得を試みながらベッドの上を泳いでいた私の腰あたり、尻尾の付け根を優しく撫でる。するとビリッと電流が通ったみたいな感覚が全身を駆け巡った。
「猫が尻尾の付け根が弱いって本当なんだな。」
耳と尻尾だけじゃなく、感覚まで猫になってるって事!?
「メロウ様、そこ……、だめっ!!」
容赦なく尻尾の付け根を撫で、軽く叩かれてる度に身体が痺れていく。どんどん身体から力が抜けて、抗う力すらなくなる。
「シシア、口開けて?」
「んぅーっ!」
最後の抵抗とばかりに口を紐の様に閉じるもメロウ様の細く長い指に無理矢理こじ開けられて舌をねじ込まれた。甘い吐息と唾液が口の中いっぱいに広がると、麻薬みたいに脳が思考を止めてしまう。
「はぁ、はぁー……」
「気持ちぃー、もっと。……もっとシシアを感じたい。」
「んぐっ!」
息する間もなく押し広げられる口内に集中していると、いつの間にか着ていた服を捲り上げられ熱い手が太ももへと侵入していた。そのまま手はゆっくりと上へ、上へと登っていく。
「ちゃんと確認しないとな。シシアの全部見せて?」
服を簡単に剥ぎ取られ、露わになる素肌をじっくりと確認されていく。幸い、猫になっているのは耳と尻尾だけの様だ。外はまだ日が爛々に照らしている。遮光カーテンのおかげで薄暗くはあるが、視界はいつもよりクリア。そのおかげで恥ずかしさが増す。
「シシア、脱がして。」
「はぇっ!?」
薬のせいで覚束ない手元ではシャツのボタンが外せないらしい。いつものメロウ様からは考えられないお願いに胸が大きく跳ねた。
ベッドの上には下着姿の私とぺしょぺしょで耳を垂らす愛らしいメロウ様。今なら逃げられるかもと考える脳とは裏腹に手元は彼のボタンへと伸ばしていた。
「シシア、早く。苦しい。」
「――っ!!」
今にも泣きそうなメロウ様のシャツのボタンを上から徐々に外していく。こんな事、初めてで手元が震えてしまう。そんな姿を満足そうに見つめる視線が降ってくる。
「ボタン、外せました、よ?」
「うん。じゃあ早く脱がして。」
「自分でっ!!」
「脱がして?」
まるで羊の皮を被った狼のよう。
揺らめく宝石眼は高圧的で絶対に逆らうなと言っている。口元から少し垂れる銀糸をペロリと舐めとる仕草を見れば催眠術に掛かってしまったみたく身体が勝手に動く。
「シシアはいい子だから出来るよね?」
その問いに頷くより他はない。
シャツの隙間から覗く胸板を手を当てて、身体に這わせてゆっくりとシャツを取り払う。現れたのは華奢な外見からは想像出来ないぐらい仕上がっている良い身体。
何度見ても慣れない。
咄嗟に顔を背けようとする私の頬を挟んで掴むと、強引な口付けを落とす。
「ふっ、んぁ……」
「唾液、甘くて美味しい。もっとちょーだい。」
「ふぁっ!?」
絡み合う舌先が音を立てれば、部屋全体が誘惑の香りに包まれて、漏れる吐息すらいつも以上に甘く感じる。
「はぁっ、はぁー、メロウ様。ちょっと、待って。」
「ダメ。俺のもあげる。」
「――っ!?」
身体の内と外の両方から注がれる熱。あまりの多さに眩暈がして吐き出してしまいそう。けれど、タガの外れたメロウ様は更に熱を注ごうと攻め立てる。
「ゲホッ、ゴホッ――っ!!」
「吐いちゃダメだろ? ちゃんと飲み込んで?」
「ん゙ん゙ーーっ」
唇が離れると両手で私の口を塞ぎ、流し込まれた熱を吐き出す事が出来ない。溺れそうになりながら必死に喉を鳴らして飲み込んでいくとようやく満足した表情で手が口元から離れていった。
「うん。上手上手。」
「め、ロウ様…。ハァー……、はぁっ、ゆっくり、」
私の話なんて聞いちゃいない。
完全に暴走している。
「良い子にはご褒美をあげような。」
彼の両手が私の首元へ移動する。
起き上がる気力もない私はされるがまま。しばらくすると首元からチリンと音が鳴った。
「俺の飼い猫って証、ここに付けおこう。」
ゆっくりと首元を触れると太めの首輪が巻かれている事に気がつく。それも中央には鈴が付いており、首を動かすたびにチリンと音が鳴る。
「赤い首輪、よく似合ってる。最初からこれ付けとけば良かったな。」
一体どこから取り出したのよ!?
叫びたくなる気持ちを押し込めてなんとか首輪を外そうと試みるもびくともしない。
「これ、外して下さい!」
「なんで? 可愛いだろ。」
「そう言う事じゃなくてっ、」
「それは俺しか外せない特注品だ。前に作って置いた物でな、取って置いて正解だった。」
いつ作ったのよ!!
それに取って置いたって……、早く捨ててよぉー!!
「さぁ、続きをしよ?」
「ヒィッ」
覆い被さるメロウ様との夜はまだ、始まったばかりにらしい…………。
こういうの好きな人、☆を押して教えて下さい!
怒らないから手を上げなさい!!
もちろん私は大好きです( ̄^ ̄)




