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仕えるもの語  作者: マッド
中章 第一節 明けない夜はない
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第七十五話 マント

久々の投稿、言い訳を述べるならここ数日重めのインフルにかかっておりました!

あと若干最近スランプです。


「はたから見たらボクたち、女の子つけるヤバい奴?」


 人々の影に隠れ少女を追いかける中、カリがついさっき買っていたパンをおいしそうに食べながら隣にいる僕に話しかけてくる。


「まぁそうですね。外から見ればどうやっても駄目でしょうね。にしても人が多くて見失ってしまう気が」


「あぁ確かに。なんかなかったかな?」


 カリはそういいながらパンを口ではさんで固定しながらおもむろに鞄を探り出した。


「あっいいのあった!」


「なんですかそれ?」


 誇らしげな様子で取り出したのは半透明なマントだった。大きさは大人一人程度なら余裕で入るだろうといったところである。


「少し前に透明になれる液体に数時間漬けたらたまたまできちゃったやつ。効果は多分一時間ちょっとくらいかな。問題としてはこの一枚しかないこと」


「おぉ……じゃ僕があなたをおぶって羽織ればいいですかね?」


 まぁ一人一枚分ないのは残念だが体格的にも僕がカリを背負って羽織れば問題はないだろう。割といい案なのでは? そう思いつつさっさっとカリを背中に乗せるようにしようとする、と……


「ちょっちょっと待って! ま、まだその心の準備が……!?」


 なんか想像以上の反応を見せた。ただ、そのままにしてると本当に人混みのせいで少女を見失いそうなので一度建物の屋根上まで跳んだ。


「えっと僕が悪いですけど大丈夫ですか?」


 流石に不安になって振り向くとカリの髪色が先端から黒に変化していった。あぁこれ交代したんだろうな。もう一人のカリと。


「大丈夫だ、が少し脳がくらくらするからこの状態で追ってくれて構わない」


「そうですか。ならいいですが」


 マントを上から覆い隠すように羽織り少女を追いかけながらちらっと後ろの黒髪のカリを見る。二か月前カリから提案もあり僕たちは彼女を【ハザード】と呼んでいる。

 カリと交代する条件はよく分かっていないが学院でのことで僕たちに危害を加えることはないらしい。


「人を使っての移動というのはやはり視界が取りずらい」


 表情豊かとは真反対の無とも言える真顔のままの頭を僕の横からぐいっと出してきた。


「このまま投げ飛ばしても?」


「飛ばしてところで(セル)で身体を受け止めその後にあの少女を人気のないところへ誘導、確保、無理に引き出す、がいいのか? 言っておくがボクはあれを追うのに賛成じゃない。むしろ……」


「分かった。お前だけは離さないからな」


 離したら碌な事が起きないことだけは分かる。


「いい判断だ。代わりの安全は保障するから安心しろ。例えば……あれとかな」


 手を下から上へと無造作に振り上げる。すると建物同士の隙間から銀バッタたちによってネルトのマークが書かれたマントを羽織る男が手足を拘束(喰い潰)され軽々と持ち上げられた。


「な!?」


 驚きと困惑が隠せずに声が漏れ出るとハザードは僕を嘲るようなため息をついた。けれどもそのため息には少なからず悔しさが滲んでいた。

 それもそのはず持ち上げられた男の肉体は消滅し骨だけが残った。


「手足を潰された時点ですぐに自殺に及ぶとは。下手に情報を漏らさないためか。原理としては理解できるが実際にやるのは意味不明だな」


 一本だけ骨を残しそれ以外を隙間に投げ捨てるように戻っていく銀バッタ達。その様子を見ながら僕は足を動かして少女を追いハザードは僕の背中の上で骨を観察していた。


「そうですけど、まさかこうなる事分かった上でつぶしたんですか」


「違うな。どこまでならこの行為に至らないのかの実験だ。勘違いするな、ボクはカリのために動いている。だから君を守ってやる」


「……あ?」


 守る、守るか。それはこっちがやることなんだが?


「安心してください。カリ含め僕が守ってあげますよ」


「なるほどこれは喧嘩を売られているという認識であっているな」


 僕とハザードの仲はバチっと火花が鳴りそうな仲になっていく。


 そのせいで僕たちはこちらを見ている一つの視線に気づけなかったことにまだ気づけていない。


「さて、と少し遊ぼうか。バカども」

あぁあ、バレンタイン回したかったーーーー

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