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仕えるもの語  作者: マッド
第一節 明けない夜はない
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第七十二話 クラーケン串

修学旅行行ってくるので火曜までは出せません!

すんません!

「客人なら歓迎しよう、海の街サーペントにな! ‥‥‥ところであんたら名前はなんていうんだ? あっいや待てセロナ、自分で当てる」


「無理に決まってるだろ」


「いやできるね! それは俺だからだ!」


「相変わらず馬鹿だなお前」


「ッ!?」


 自信満々で考え込むガラにセロナは容赦なく絶対痛いであろう握りこぶしを腹に打ち込んだ。殴られたガラは地面に崩れ落ちた。


「殴るとやっぱすっきりするな!」


 セロナは僕達の方に背筋が凍るくらいにっこにっこな表情で振り向いた。


「(怖すぎでしょセロナちゃん)」


 横からカリのどんびきの声がひっそりと聞こえてくる。その意見には大いに賛同するように僕は首を縦に振る。


「あはは‥‥‥そう、ですね?」


 苦笑いをしながらガラの方をちらっと見る。


「おぉ、、前より腰に勢いがのってる。実にいい、実にいいな!」


 なんか大丈夫そうだった。いや痛そうな仕草はしているのだがその発言はよゆうな態度そのものだった。


 その後、なんやかんやありセロナが順番に僕達を紹介していった。


 ◇◇◇


「こここそがサーペントだ!」


 少ししてガラに案内され街の門を通り抜けるとにぎわっている人々が多くいた。その割合の多くは魚の尾や鱗があるのが特徴的な魚人が占めていた。


「おぉすごすぎ!!」


「そうですねクー様! すぅいい匂い」


 ミストの言う通りたしかに香ばしい匂いがあちこちから鼻の中に届いてくる。


「キュウク君、えっと‥‥‥あとであれ一緒に食べない?」


「いいですけど、大丈夫ですか? 顔赤いですよ?」


 僕の裾を掴みどうみても作った笑い、そしてほんのりと赤い顔で一点の店を指さした。


「いやいや気にしなくていいから?!」


「ならいいですが‥‥‥」


 最近ごくたまに似たような反応を見せることがおおいので病気にでもかかっていないといいんだけど。


「少し待ってろ」


 ガラはそういうと目で追えない速度である店に向かった。なにか会話をして少ししてからまたこちらに戻ってきた。両手に何本もの串を挟んで。


「食ってみろ、クラーケンの足を利用した串焼きのクラーケン串だ!」


 ガラは一本ずつ僕達全員に渡してくれた。その串『クラーケン串』は見たからにカリッと黄金色までしっかりと焼かれていた。


「まさかとは思うがガラお前あたしの好物を‥‥‥!」


「当然、ライバルが好きなもの嫌いなものくらい把握しておいてなんの違和感もないだろう? それにあの日の笑顔を見たら‥‥‥いやなんでもない気にせずに食べてくれ!」


「呆れるが、ま今は気にしないでやろう」


 わずか一瞬、ガラは先程までのカリに似たような表情を浮かべてた。別に気にする必要はないだろうし先に食べ始めているセロナに続くようにクラーケン串を口に運ぶ。


「うまっ!」


 食べて最初に出た感想は普通に美味しいというものだった。噛んだ瞬間に口の中に溢れ出る肉汁に釣られるようにあとから来る胡椒などのガツンッとくる香辛料の香り、ほどよい弾力に噛んでも噛んでも出てくる旨味などがとても良い。


「味は変わっていなさそうだな。まったく‥‥‥ガラもう一本あるか?」


 セロナ、そう言う割にはあなたが一番美味しそうに普段見せないような満面の笑みも乗っけて舌鼓を打ってクラーケン串を食べ進めているように見えますが?

 気のせいですかね?


「あのセロナさん、私の分食べます?」


「いいのか? 旨いと思うが」


「あはは、そうなんですけど‥‥‥気にせずに食べちゃってください!」


「そうか? ならいただこう」


 ◇◇◇


「じゃ僕は馬車を置いてくるので少しの間別れますね。誰かついてきますか?」


「あっ、じゃあボクついていくよ」


「俺も!」


 数分が経ち全員食べ終えたのを確認してから馬車を置いてこようとし、カリとアクセルが真っ先に手を上げた。


「了解、それじゃミストしばらくクーの護衛頼んだぞ」


「おこt‥‥‥は駄目ですよね。ん、承りました!」


 あっぶないぞミストぉ。もう少し言葉を踏み込み過ぎてたら殴ってたからな。


「ふぅ‥‥‥よし! 『幻影(ミスト)』たち行って来い!」


 頬を叩き気合を出したミストは能力を使って軽く十体の分身を生み出してすぐにバラけさせた。表向きは偵察だろうがこいつ(ミスト)のことだし分身たちとは視覚の共有もできるのでサボり場所やおいしい飲食店の把握なところだろう。‥‥‥僕は頑張っても最大二体しか出せないのに‥‥‥。

 やろうと思えば三体以上もできるが普通に疲れる、というか『幻影(ミスト)』に限らずすべての能力を僕は眷属本人以上に扱えない。


「キュウ、気をつけてね」


「大丈夫ですよクー、心配しすぎです」


「そうなんだけどさ‥‥‥ま、いいや気にしないで!」


 ? 疑問に思うがクーの言う通り気にしなくていいだろう。気にすることといえばさっきの山賊たちのことだが見たところは一人ひとりの力は大してなはずなのでそこも大丈夫か。


「キュウクだっけか? 少し聞いてほしいことがある」


「なんですか?」


 馬車を歩かせようとしたとき、ガラが近づいてある紙をこちらに向けた。その紙には薄暗い赤丸の中に禍々しい黒の6つの羽が特徴的な模様が描かれていた。


「それは‥‥‥?」


「ネルト教団の模様だ。詳しいことは話せないがこの模様をつけた者がいたらとにかく手足を縛ってくれ。一応の写しだ」


「分かりました、ありがとうございます。じゃまたあとで」


「ああ、‥‥‥」


 僕はガラから一枚ネルトの模様の写しをもらい馬車を動かし始める。

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