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仕えるもの語  作者: マッド
休章 幕間
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第六十七話 ドギマギナイト

あけましておめでとうございます! 今年も【仕えるもの語】と共によろしくお願いします!

幕間はあと一話か二話で終わらせる予定です。


 深夜、カリはリビングに向かうため廊下を歩いていた。


「うぅ水ぅ」


 何故か? それは喉が乾いていたから。眠っていると突如として喉に乾きが来て普段のクセなのか水道はまだ通ってないのにリビングに向かっていた。


「? 誰かいるのかな?」


 リビングに繋がる扉が見えてきた。少し開いている扉の隙間から光が漏れ出ていた。誰かいるのかと思って隙間から中の様子を伺う。


「どうぞ、セロナ」


「ああ、すまないな。わざわざホットミルク作ってもらって」


「いえ別に。ついでですし」


「!?」


 部屋の中には椅子に座りメガネを掛け本を読みながらキュウクから受け取ったホットミルクを口に運んでいるセロナとその反対側でホットミルクを飲み片隅の皿に入れたナッツを食べているキュウクの姿があった。


「メガネ、かけるんですね」


「ん? そういえばお前には見せてなかったな。寝る前はこうした方が落ち着く」


「そうなんですね」


 静かな空間。どちらもお互いのことを深く詮索せず黙々とゆっくり時間が一つ一つ溶けていく。


「むぅ‥‥‥」


 カリはそんな光景を見て無意識にもセロナにヤキモチを焼いていた。


(うらやまってなに思ってんのボク!? あの二人はたまたまそうたまたまそうなってるだけ‥‥‥。決して二人はそういう関係ではない。というかセロナちゃんに限ってそんなことありえない!‥‥‥はず)


 もちろん、カリが思っている通りセロナ並びにキュウクはお互いにそういうことは思っていない。

 偶然というか寝るのが遅い二人がたまたまリビングであっただけなのだ。


「砂糖‥‥‥入れているのかこれ」


「いえ一切入れていませんよ」


「そうか」


 問題はセロナがそう思わせてしまうようないくつか質問をしキュウクがただ淡々と答えていることである。どこか一言間違えたらあっちにいってしまいそうな温かい雰囲気が流れているようにカリにはみえた。


「なに読んでいるんですかそれ」


「虹色錬金超越物語」


「‥‥‥へぇ」


 タイトルを聞き少し間が空いた後キュウクは答えた。


「引いてるだろお前、殺さないから吐け」


「すんません。普通に厨二のウェザーを浮かべました、半殺しはやめてください」


「素直でよろしい」


 カリはこの時とても安堵した。やはりありえないと心の底から安堵のため息をついた。


「しかし何故そんなものを?」


「ふふっ秘密だ。乙女には一つくらいあったほうがいいものさ」


「乙女‥‥‥あなたが?」


 はっはっはっと裾の長いパジャマで口元を隠していたセロナの動きがぴたりと止まった。


「殺して欲しいなら素直に言ってくれればいいものを。死に方は何がいい?」


「いやあっその口が滑っただけです、ほんとすいません」


 カリはものすごくデジャヴを感じていた。先程の会話が繰り返されているように聞こえた。


「まぁいい」


「ふぅ」


 冗談交じりなのですぐに怒りの矛先を抑えホットミルクを飲み直す。キュウクの額には冷や汗が浮かんでいた。


「どうしよう、すごく入りずらい」


 カリは一度二人の会話から目を逸らし床にしゃがみこんでいた。二人の空気的に変に入ったらダメな気がする。かといってこの喉の渇きはどうにかしたい。

 悩んでいた時だった。


「なにやってんだカリ」


「カリなにしてるんですか」


「ひゃ!?」


 悩みこんでいるカリの前にある扉をキュウク達二人は開いた。そう、先程から二人は気づいていたのだ。カリの気配に正確には誰かの気配に。

 だが一つ想定外のこととして開けた時のカリの声がとても普段から想像つかない声を出したことがある。それにより気が緩み思考を放棄した。


「いやなんでもないなんでもないから!!」


 大声を発しながらカリはリビングに来た理由も忘れ自室に走って戻っていってしまった。


「なんだったんだ?」


「さぁ?」


 残されたキュウクとセロナはただただ呆気にとられた。なんだったのか分からないまま二人はこのあと雑談を交わしながらホットミルクを飲み切り自分たちの部屋でそれぞれのルーティンをした後に眠りについた。


 カリは自室に入った瞬間ベットに飛び込み顔を真っ赤にしたまま布団で身体を包んだ。




 ちなみにクーガの方はというと。


「むにゃ‥‥‥zzz」


 ベットからどすっと鈍い音を立てながら落下し着ているズボンがずり落ちていく中すやすやと心地よさそうな寝息を立て寝ていた。そして仰向けのまま両手を大いに広げてよだれを垂らしている。

 次の日の朝にはピンク色のパジャマは上下ともにすべて脱げ下着だけになっていることは今は誰も知らないことである。

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