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仕えるもの語  作者: マッド
第一章 序章
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第六話 矢が紡ぐ前哨戦

スタートの合図がなってからすぐ––


「キュウ後ろは頼んだよ」


「あたしの手を煩わせるなよ、キュウク」


 二人とも違う言い方だが僕を信頼しているは分かる。けどさ、なんで先に行くかな。どこに相手がいるのか分からないのに

 とりわけセロナは早く前に出て相手を倒している。


「弱い弱いぞ!貴様ら!」

 セロナが続々と相手を蹴散らしていく。その時だった。


暗殺の矢(アサシンショット)


 静かな確かな殺意を持った低い声が若干聞こえた。それから、どこからともなくセロナに矢が飛んでくる。


「危ない!」


 クーがいち早く気づいてセロナに教える。その言葉に反応し僕もいち早く身体を動かす。


「貴様らの助けは二度と受けん!」


 そういうと飛来してくる矢がセロナとの間一メートルとところで何かにぶつかったのか矢が落ちる。急な出来事に身体を急に止め転びそうになる。


「セロナ何それ!?」


 クーも突然のことに驚いている。僕も開いた口が閉じなかった。


「隠しても意味ないし、仕方ない!教えてやろう!」


 ◇◇◇


 そうして、少しの間だけ安全な場所にある洞窟に入った。そこで、セロナの魔法について、教えてもらった。

 どうやら、この魔法は自動的に攻撃を検知してその場所に魔力を展開しを防いでくれるらしい。

 作ったのは最近らしいが、作った理由までは教えてくれなかった。


 説明を聞いた感想としてはすごいなであった。


 自分でオリジナルの魔法作るのは結構かかるし、自分の魔力を自動的に放出するって難しいから改めて天才だなと感じる。

 どっかのお嬢様は勘で昔近いことをやってたなと思う。

 その時のやつと同じ仕組みなら一定のダメージ受けたら壊れるだろなと思いつつ、周りの気配に気づく。


「お嬢様、セロナ構えてください。敵です。」

 その呼び声にクーと僕、セロナが構える。

 直後、上の屋根が爆発して崩れた。


「は?」


 予想外の出来事で脳の思考が一瞬だけ止まる。一瞬のスキができたがすぐさま思考と身体を動かし、降ってくる岩からクーを守る。


入れ替え(チェンジズ)!」

 指を鳴らし、僕とクーの体が光を包み、落ちてくる岩一部と入れ替える。


「助かったよキュウ!」


 クーが笑みを浮かべ、手でグッジョブを作っていた。

 見渡すと崩れていく岩の中でセロナの姿が見える。先ほど教えてくれていた魔法で全身を守っていたようで怪我は見受けられなかった。

「セロナは‥‥‥大丈夫そうですね。けど一体誰が」


 周りを見渡し敵がいないか確認する。周りが崩れてきた岩の影響でおきた土埃のせいであたりがよく見えない。

 見渡してると飛来している一つの魔力に勘ずく。飛んでくるものを体が反射的に避け、それが何なのかを確認するために矢が刺さっている場所に移動する。

 それはさっきセロナに向けて放たれた矢と同じだった。

「矢は一方向にしか飛ばないから、敵がいる方向は‥‥‥」


 そういい、僕は赤く燃える炎の弓を構え矢が飛んできた方向に速度に特化させた矢を放ち、当たった感じがした。

 周りがよく見えないのでこの環境の中でも分かりやすく明るい炎の矢で目印を付けた。


「お嬢様、セロナそこに敵がいます!」


 僕の言葉に反応し、クーとセロナは目印に向かって走り始めた。それと同時に土埃が晴れていき、ぼんやりと敵の姿が目に移ってくる。

フードを被っていて顔は分からないが、少女の立ち姿に見えた。


氷柱雨(アイスレイン)!」


 セロナが自分の周囲に水色に輝く魔方陣を複数だし、ツララを何発も放つ。


 当たる!と思っていたその予想は外れた。


「まったく、だから失敗するって言ったじゃん」


 気だるげそうな言い方をする白い髪をした男が飛んでいくツララを無駄なく全て大剣ではじいた。


「ほう、面白いな」


 セロナが自分の攻撃をはじいた男に集中し、次の攻撃に移る。そんな中、クーはフードを被った少女をセロナとは別方向から攻撃を仕掛けようとしていた。


 クーは魔法を使わずに拳で殴り掛かった。

 その攻撃もフードの少女にあたることはなくまた別の男が現れクーと同じ方法でクーの攻撃を相殺した。

クーは不安定な岩の足場に軽やかに着地した。


 筋骨隆々で鬼人族の特徴の角を持ちこの場最も力があると思う体つきをした男が言う。


「まさか、相殺しかできないとは思わなかったな」


 自分の力に自信があったのかクーの攻撃に驚いていた。


「めんどくさいなこのタイプは!」


 クーも目の前の相手に集中し、相手の様子をうかがっていた。

 僕はフードを被ったの姿をはっきりと目視し、それぞれがそれぞれ自分の相手を確認していた。


「何ですかあなたたちは?」


 僕が三人の敵について誰なのか問う。


「はぁそういうのめんどくさいから言わないy‥‥‥」


「いいだろう、俺はリバル・メザート、そしてそこの馬鹿はコルド・ヴァラドだ」


「言わないって‥‥‥はぁもういいや、よろしく」


 大剣を振るう男__コルドは言いたくなさそうだったが筋骨隆々の男___リバルが何の悪気もなく、名前を話す。

 その様子からコルドが苦労してそうだなと直感的に感じた。なぜだろう同族な気配がする。


「私は、ユウカ・メイクラ、よろしく」


 フードを被った女性__ユウカはフードから薄い水色の瞳をちらつかせた。

 それと同時に再び弓を三方向に放つ。

 打ち出しの速度だけなら僕が見てきた中で一番だろうと思いながらも身体を右にずらして矢をよける。

 クーとセロナの2人も地面に矢をたたきつけたり、魔法で防いだりしている。


「それはもう聞きませんよ」

 流石に何度も同じ攻撃を見ていると対策はできる。


「そうですね、ならこういうのはどうでしょうか。」


 未だに静かに確かな殺意を表面に出さず、同じ矢を僕に対してだけ放つ。

 またかと思いつつもさきほどと同じように避ける。


「!?」


 矢が後ろに飛んでいくと、急に矢が180度回転し再度僕に向かってきた。

 いきなりことで戸惑ったがギリギリで矢を避けた。しかし服がほんの少し破けた。


「これも避けますか。厄介ですね」


「なっはっは、ユウカ、今日は良く外すな」


 リバルがユウカをからかいユウカが鋭い目つきでリバルをにらむ。コルドそんな二人を「まぁまぁ」となだめる。

 そんな状況にあきれたのかセロナが仕掛けた。


破壊の氷(ブレイクアイス)!」


 実技テストで放ったやつより破壊規模が上がっていた。しかし、それをリバルがユウカを背負い素早く避けた。


「チッ!」


 セロナがよけられたことに関して舌打ちをする。リバルがよけた先に素早くクーが移動し攻撃しようとした。


「君も早いね、さすがは魔王の娘というべきなのかな?めんどくさ」


 クーより早く移動し余裕の表情でコルドが大剣を前に構えクーの攻撃をはじく。


「キュウ、今だよ!」


「了解です。雷の矢(サンダーランス)!」


 クーが合図すると共に、体を前に動かし、構えていた炎の弓からバリバリと鳴り響く雷をまとった炎の矢をリバルの横に放った。


「ウォール」


 矢を抱えられているユウカが正確に矢を放ち矢が目印のように土の壁を地面からはやした。


「お嬢様、すみません」

 クーの近くに駆け寄り僕は自分の攻撃を外したことに関してクーに謝った。


「大丈夫だよ、キュウ。それよりこっからだよ」


 クーは外したことに関して許してくれたが、僕のだけではどうしても自分を許せなかった。


「もういいか、そんなにいちゃつかれているとあたしの迷惑なんだが」


 セロナも寄ってきて話しかけてきた。

 いちゃついているつもりはなかったがセロナにはそう見えていたらしい。思春期か? いやセロナに限ってそんなことないか。


「そんなこと言ってないでセロナ、キュウ目の前の相手に集中して」


「あたしに命令するな!」


「了解しました」


 クーはそういい相手の方を見た。

 この場の六人は相手の様子を伺い、誰かが何かしらの動きをすればすぐに戦闘が起きる空気になる。前哨戦が終わり、本戦がここから始まる。

2025年11月8日 読みやすさの改善、セリフの追加、ユウカの苗字変更 元【クラメイ】→変更後【メイクラ】

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