第五話 青春×魔法三人の日常
実技テストが終わった後、技能テストも難なく終わりクラス分けの紙が張り出された。
それから___2ヶ月
何事もなく入学式も終わり、一ヶ月経った。
「お嬢様、次の時間、移動ですよ」
僕は、クーの分の教科書をもって席を立つ。
「わかってるよ!何回も言わないで!」
クーの指摘どうり何回も何回も言っているが、それは
「そういって何回遅刻ギリギリなったと思ってるんですか」
という理由があって何回も言っている。
遅刻さえしなければこう何度も言ってない。
「はん!そのようなことをちんたらしていたらあたしがすぐに貴様らを追い抜くぞ」
後ろから教科書をもったセロナが話しかけてきた。
あの実技テストから特段変わった様子は見られないが、あの時から、顎を下に向け濃い水色の目をまっすぐ前に向けて話している。
それでも、傲慢な口調は変わってない。
「あなたも同じくらい遅刻してるでしょう.。お嬢様と同じくらい」
僕は静かにつぶやく。実際、セロナとクーはどちらも遅刻ギリギリなことが多い。クーの方が若干多い気はするが。
「「なんか言った?」」
クーとセロナの強烈な視線が向けられる。
なぜ、この二人はこうも耳がいいんだか。
「何も言っておりませんよ」
こういうことも何回もあるから作り笑顔が得意になっていく。
「チっ!まぁいい。それより早くしないと遅れるぞ」
セロナがそう言って時計を指差す。
時計を見ると、次の授業まで残り3分だった。
「普通に行ったら遅刻しますね」
「そんな!ヤバいじゃん!」
クーが焦り始めると、
「セロナ、あなたの分も持ちますよ」
「そうかい?だがキュウク、君の助けはいらないよ」
特段焦る様子は見せないにセロナにセロナの分の教科書を持つ提案をしたが断られた。
何回かこういう助ける場面での提案はしているが断られていて、バラク家は助けられるのは嫌なのだろうかという疑問を持つ。
「そうですか。なら先行ってますね。移動」
そういうと、自分とクーの分だけもって足元に魔方陣を出した。
「ちょっ!私も連れて行ってよ!!」
クーが焦っている様子でこちらに近づいてくる。
「お嬢様近づかないでください」
急なクーの行動に僕は慌てる。
「ニッ!捕まえた!」
クーはそういうと僕の体に寄り添った。
どうにかしようとするもの魔法は発動し、足元からまばゆい光が僕とクーの体を包む。
セロナはどうかなと様子を見るとすでに、そこにはいなく移動した後があった。
速いなと思いつつ視界が光で覆いつくしていく。
次の瞬間、教室の扉の少し前にとんだ、残り1分。
クーが割り込んできたせいで予想より遠いところに飛んでしまった。
後ろ見るとセロナが爆速で廊下を駆け上がってるのが見える。魔法を使い身体能力をかけているのかなと思いつつ、クーの方を見るクーがこっちに向かう準備をしていてがむしゃらでものすごい速度で走ってくる姿が見えたが、このままだと死ぬ!そんな気がした
すぐさま次のテレポートの用意、距離的に3秒
その間にもセロナやクーはどんどん近づいてくる。
一秒一秒が長く感じる。
2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
死の危機が目と鼻のさきまで迫ってくる。
1!
それと同時に再度光が体を包む。
次、目を開いた瞬間教室の席についていた。
「アッブナ!」
思わず素に戻る。
自分に怪我もないか体に触れながら確認する。
確認していると扉の方からものすごい音がした。
クーとセロナが同じタイミングに教室に入った。
それと同時に授業のチャイムが鳴る。
「セーフ!」
「さすがはあたしだな。時間ぴったりだ」
二人とも清々しい顔してチャイムにが鳴り終わる前に座る。
教科書をクーに渡し、先生を待った。
___数分後
「よぉ貴様ら今日は実践型の授業だ。外に出ろ!がっはっは!」
数分遅れたガンダ・ラッドの言い方に生徒たちからブーイングの嵐が出る。
この先生はいつも突然いうのであきらめの境地に近い
「がっはっはっすまんな」
___さらに数分後
外に出て、実践訓練を行う訓練場に来た。
ここは四つのフィールドがあり、地獄のような暑さの場所やツララが降り注ぐところもあってきわめて不可思議な場所だ。
昔、二人の魔法使いがやり合った場所を再利用したともいわれているが、こんな不思議な環境なんだ本当にあったのかもしれないなと思いつつ。先生の話を聞く。
「今日はここで三人一組を作り、戦ってもらう。がっはっはっ!」
先生は大きな声でそういうと魔法具を一人ずつに渡す。
「何ですかこれ?」
一人の生徒が先生に渡されたものについてきた。
おそらくこれは…
「それは相手の魔法で一定のダメージを受けた光が光るんだよ。光ったらアウト。これで何となく今日のやることはわかるだろう。がっはっはっ!」
やっぱりだ。似たようなものを昔に一度作ったことがあるので何となくわかっていた。
というかこの先生最後にがっはっはっ!って言わないとダメのかね。
「ルールは簡単、それが光らないように行動して相手のチームを全滅させる。簡単なルールだ。がっはっはっ!さぁ、三人一組になれ。がっはっはっ!」
本当に簡単なルール説明を受けて、三人一組を作るようになった。
勿論、大体同じになる人は目星がついている。一人は、
「キュウよろしくね!」
クーだ。さすがにクーは決定事項に近い
そしてもう一人は、
「どうやら、人が足りないようだな。どれ私が味方になってやろう。感謝しろよ」
セロナだ。
「そういって、他に一緒になる人がいないから私たちとやりたいんでしょう」
クーがセロナをからかう。これは三人組を作る時のお決まりの流れになっていた。
からかうのやめてくれと内心思いつつ心にしまう。
「なっ馬鹿な事を言うな!!」
そうやって君も簡単に挑発に乗らないでもらいたい。
「お嬢様、そこらへんにして、魔法具を身に着けたら早く移動しますよ」
そう僕が言うと、クーがおとなしく右腕につけた。
セロナはすでに足に着けており、僕はクーとは反対の左腕につけた。
ガンダ先生の命令で各自スタート位置を伝えられ、指定された場所に移動する。
ガンダ先生が全員指定された場所に移動したのを上空から確認したら
「それでは・・はじめ!頑張れよがっはっはっ!」
ガンダ先生の声が訓練場全体に響き、戦いが始まる。