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仕えるもの語  作者: マッド
禁忌あるいは、奇跡
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第三十一話 騒がしい喧嘩の終わり

最後のシーンを変えさせてもらいました。

「あっキュウ居たいた!ミストどこにいるか知らない?……って、カリ大丈夫?」

クーと扉を開けて明るい笑顔を向けて右手で手を振りながら入ってきた。すぐにカリとセロナに駆け寄る。

「お嬢様、もう動いても大丈夫なんですか!?」

「ダイジョブダイジョブ!…なはず」

クーは赤いジャケットを上から着こみ下は包帯を巻いている。クーが笑顔でこっちに振り向きながら話す。


「あはは、やっぱりクーガちゃんは面白いね」

カリは空を見ながら涙を拭きながら大きく口角をあげて笑っている。

「どういう状況なのかは分からないけどカリがそこまで笑っているのは珍しいね」

クーが笑いながらカリを少しからかう。

「いや、ボクだってたくさん笑うときは笑うよ」

「そうかな、意外と笑ってるところ見ないけど」

クーとカリが仲良く話し合っている。その光景に心がホッとする。


「クーガちゃんが来ちゃったし、またいつか続きは話そうか。ボクは学院に帰るね」

そういいカリが足元に半径一メートルほどの魔方陣を展開させる。

「セロナちゃんも来る?」

「は?どういうことだ。あたしも移動(テレポート)を使って一人で帰れるぞ」

セロナも魔方陣を展開させようとするがどこか苦戦しているようだった。

「嘘だね。セロナちゃん空間系の魔法苦手でしょ」

セロナの言葉にカリが先程の暗い様子から打って変わって明るく話す。

「なっそんなわけないだろ!?」

セロナが分かりやすく顔を赤らめて困惑してカリに反論している。珍しいな。

「へぇー意外。セロナって魔法の大体が得意なんだと思ってたからホントに意外!他にも苦手な物ってあるの?」

「うるさい!詮索するな」

「すみません…」

クーが笑いながらセロナをいじくりセロナに拳骨一発を頭にくらい怒られて縮こまっている。

「じゃあまたいつか話の続きを話そうか」

カリの言葉のトーンは少し暗かった。

「ええまたいつか、いつでも聞いてあげますから」

僕は冷静にカリに言葉を返す。

「セロナちゃんそろそろ帰るよ」


 クーとセロナの方に目を向けると二人がお互いの頬を強く引っ張ったり髪をぐしゃぐしゃにしたりと激しい喧嘩を繰り広げていた。

「あたしに苦手な物なんてない!」

「絶対嘘でしょ!早く言いなよセロナ!」

 セロナが氷柱を放ちはじめクーも剣技で対応していて喧嘩がまばたきをする瞬間瞬間にエスカレートしていく。訓練場の壁が揺れているのが目に移ってくる。後できつくクーを怒るべきか考えながらクーの後ろに回る。

「終わりですよお嬢様」

「そこまでだよセロナちゃん」

僕はクーをカリはセロナを背後から脇を持ち上げて二人を離す。

「離せ!カリ!まだクーガと勝負が終わってない」

「その意見には賛成するよセロナ!ほらキュウ早く腕をどけて!」

よし、後で怒ろう。心の中でそう決心しながら持ち上げている腕の力を少し強める。

クーとセロナはお互いをにらみ合っていた。これでもいつもは仲がいいはずなので…………ってそんなわけないかいつも通りだな。何か少し火種があれば喧嘩し始めるからやめてほしい。

「じゃあねキュウク君」

暴れているセロナと抑えているカリが魔方陣から放たれた光が包み次の瞬間にはいなくなっていた。

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