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仕えるもの語  作者: マッド
禁忌あるいは、奇跡
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番外編 第一話

 どうも皆さんこんにちはわたくしはカレン、キュウク様の忠実なるメイドです。

 もし知らないなら知っといた方が人生得しますよ。今は、書類の整理をしているですがいつもより少し急いでやっています。

 今日はキュウク様といっしょにお茶が飲めるという何にも変えられない幸せの日なのですが、仕事が残っていて午後のお茶会に間に合うか不安なんですよね。

 まったくこれならデザイアに押し付けるんでしたね。あいつ仕事任せたらすぐに終わらせるのでありがたいんですよね。なのに、なんであの時、キュウク様のためにと我先に動いてしまったのでしょうか。

 この怒りは後でアクセルかブックを殴ってすっきりしましょうか。


「あっカレンお姉ちゃん」

 仕事の整理をしているとムウがわたくしの体に抱き着いてきましたね。

 この子、ほんとに可愛いですね。ブックと同じで低身長なのですがあいつと違って小動物みたいで愛らしいと言いましょうか。素直な所もオドオドしているところすべてが可愛い。


 クーガ様とキュウク様の2人はカップルみたいで自分なんかが入り込める隙が無いほどまぶしくて尊くて高嶺の花みたいな存在なので、ムウがホント目の癒しになりますね。表情には出しませんが、出していいならたぶん顔が溶けちゃってるんじゃないでしょうか。


「ムウ、危険なのであっちにいってください」

 なんでわたくしは冷たく接してしまうのでしょうか。癖なのでしょうか。

「はぁい、センゴクお姉ちゃんのところいってるね」

「はい、行ってらっしゃい」


 そこは抵抗してもよかったのに素直な所も可愛いのですがそういうところは残念ですよね。そんなところも可愛いんですが。


 というかムウってわたくしよりセンゴクの方になついていませんか。

 あいつほんとバカでシスコンの姉なのにたまにわたくしに勝てそうな時があるので嫌なんですよね。


 ムウね、先日わたくしとセンゴクで料理対決したときに真っ先にセンゴクの料理食べに行ったんですよね。キュウク様もセンゴクの方食べに行って悔しかったんですよ。

 それに、理由がね、

暗黒物質(ダークマター)じゃなければカレンのはおいしいんだけどね」


 暗黒物質(ダークマター)だからって理由ですよ。そりゃ、あの時は腕を振るってしまってケーキとかトマトとか色々混ぜたしまって紫色になってましたよ。

 だからと言って、暗黒物質(ダークマター)はないでしょ。あっ、クーガ様は食してくれてうれしかったですよ。感想は言ってくれませんでしたが。

 なぜでしょうか、疑問が尽きません。いつも最高においしい料理ですけどね。たまたまあの日だけ味の調整を失敗してしまっただけですからね。


「あっカレ姉、それ手伝おうか」

 ムウの次はミストが部屋に入ってきましたね。ミストもミストで可愛いんですよね。空のように透き通った水色の長髪がいいんですよね。少し生意気な所はありますが。そんなツンな所がいいんですよね。ぬいぐるみのようにいつか抱きしめてあげたいですね。

「否、必要ありません」

 わたくしは断りますよ。だって、キュウク様から頼まれた仕事ですから。キュウク様はいつも大変そうですよね。

 クーガ様の買い物に手伝ったり食事の用意したり、いつもならこの書類の整理もやっているのですが、なんか今日はどこか様子が違いましたね。わたくしが詮索するべきことではないと思いますが。


「ふーん、ならいいや。ところでさウェザーってどこにいるか分かる?私さ、キュウク様に午後の会議のために呼んできてって言われているからさ」

 は?なんであいつも来るんですか。怒りを抑えつつミストの質問に答えます。

「知りませんよ。いつもの北の塔にでもいるのでは」

「そうだよね。ごめん、カレ姉邪魔したわ」

 ミストが走っていってしまいましたね。さて、自分の仕事に集中しましょうか。




 ◇◇◇__数分後


 ずっと同じ作業していても少し暇なのでわたくしたちが生まれた時の話でもしましょうか。

 わたくしたちはキュウク様の尻尾から生まれた存在なのですが自我が生まれる前は魔物のように暴れ散らかす化け物だったんですよね。


 何回もキュウク様に反逆して何度叩きつぶされたか、今、考えると馬鹿なことしてましたよね。

 自我最初に芽生えたのはデザイアでしたね。

 その後にセンゴク、わたくし、ウェザー、ミスト、アクセル、ブック、ムウの順番で芽生えたんですよね。ムウの時は一番大変でしたね。あの子の能力『大地(ムウ)』は厄介で大地を操る力の応用で地震がたくさん発生するのでデザイアが『創造(デザイア)』で土がない空間作ってくれて助かりましたね。


 ホント、デザイアの『創造(デザイア)』は万能すぎて助かるときは最高なんですけど自分の能力と比べるとずるいと思いますね。わたくしの能力『吸収(カレン)』なんて相手の技を99パーセントの精度で習得できるだけの力なので、何でも作れる『創造(デザイア)』はチートだと思うんですよ。

 えっ、何わたくしの能力も十分チートだって?あのさ、ちゃんと能力を理解した上でそれは言ってますか。


 いいですか、わたくしのはどうやったって100パーセントにならないんですよ。格下の敵ならまだしも同格かもしくは格上の敵が相手だとこの1パーセントが命取りになりえるんですよ。



 『創造(デザイア)』だって、もちろん制限は存在しますよ。

 生きている存在は生み出せないっていうのはあるんですけど、デザイアのやつガワとなる器だけ作ってそこに支配して管理している魂を宿すとかいう制限が制限の意味をなしていない芸当をするんですよ!ずるいと思いませんか!

 おっとわたくしとしたことが少し感情が出すぎましたね。


 デザイアの能力は多分わたくし達の中だと1、2を争うほど強いんですよね。デザイアと争うならセンゴクの能力しかないですよね。センゴクの能力『破壊(センゴク)』は万物を壊す力でこれも十分チートですよね。物理的な物でも竜巻とか幽霊とか超常的なものでも壊せるんですよ。まさに化け物です。


 三番目になるのはウェザーの天候(ウェザー)でしょうか。あいつはいつも「我の右腕がうずく」とか「外の世界へ降臨するとしよう」とか中二病としか思えない言葉を話しているのに能力は結構強いんですよね。竜巻起こしたり、雷雨起こしたりすぐに広範囲に影響を出せるからいいですね。


 次にムウ、わたくしの順番でしょうか。


 その次はアクセルかミストなんでしょうけどどっちが強いんでしょうね。


 アクセルの『加速(アクセル)』は能力止めるまでは身体や思考を加速し続けることができて、ミストの『幻影(ミスト)』は霧を発生させて実体がある分身を作り出す能力でしたっけ。

 ミストの方が便利ちゃ便利ですけどやはり戦闘となるとアクセルの方がいいのでしょうか。アクセルは生意気で熱血過ぎてあんまし好きになれませんが。


 最弱はブックの『知識(ブック)』でしょうか。確か、【世界の書庫(ユグドラシル)】に自由に干渉できる能力でしたっけ。【世界の書庫(ユグドラシル)】は普通なら100年間の間に一回でもいければ運がいいと言われているんですよね‥‥‥確か?

 読書大好きなブックにとっては最高の力なんでしょうね。読書の何がいいのかはわたくしには分かりませんけど。必要最低限の知識量で充分ですね。


 キュウク様はわたくし達全員の能力を使用できるのですごいとしか言えないですね。

 例えば、‥‥‥って書類の仕事が終わりましたね。ではまた。

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