第二十話 朝の光と、笑顔の絆
2025年11月2日 読みやすさの改善。
朝六時
朝日が窓を通してまぶしい光が顔に当たり目が覚める。
パジャマからさっさといつもの服装に着替え隣のクーが寝ている部屋に行ってみる。
「入っていいですか」
部屋の前に立ち扉を何回かノックすると返事は聞こえてこずに何かが扉にドンと当たる音がする。そのう衝撃が耳に響き、頭が完全に起きる。
「入りますよ!?」
慎重に扉を開けると、半分ほど開いたところでクーが中からほぼ寝た状態に近い様子で僕に倒れ込んでくる。寝ぼけたままの彼女が、扉にぶつかったのだろう。
「うぅ~、眠いよ~。なに?」
クーはおぼつかない足取りで立っている。
クーは寝ぼけたまま、ぼんやりとした目でこちらを見ていた。いつもよりはましだが黒曜石のように美しい黒髪が少し乱れ、まるでまだ夢の中を彷徨っているかのようだ。僕は、彼女が倒れ込んできたことで心配になりながらも、言葉をかける。
「大丈夫ですか?なんかすごい音しましたけど‥‥‥」
クーは足元に注意を向けるように小さくため息をついた。
「うぅん、大丈夫だけど、扉に頭ぶつけた‥‥‥痛い‥‥‥」
彼女は扉にぶつかった箇所を軽くさすりながら、目をパチパチと瞬かせていた。
部屋の中を覗くと、布団の中で丸まっているカリが、寝返りを打ちながら顔をのぞかせる。
「クーガちゃん、大丈夫?寝ぼけて突っ込んだの?」
カリは布団を抱えながら、少し笑いをこらえるような声で問いかけてきた。クーはぷいっと顔をそらし、照れ隠しのように手を振った。
「いや、たまたまだから!そう!たまたま布団から寝っ転がっちゃっただけだから!セロナもそういってよ!」
クーは流石に無茶がある言い訳を述べながらセロナに助けを求めながら窓の近くの椅子に座って髪をとかしているセロナの方に駆け寄っていく。
その途中で寝ぼけているのか段差に引っかかり床に勢いよく転ぶ。
「痛った~!?」
クーは頭を両手で抑えながら少し泣いている。
「大丈夫ですか!?」
「クーガちゃん大丈夫?」
「大丈夫かクーガ」
僕とカリが急いで近寄り、セロナも心配そうに椅子から立って近寄る。
「そうだ!ボクの回復薬でも‥‥‥」
「一人で飲んでろ」
カリがバックから取り出した謎の試験管をクーに飲ませようとすると、セロナが逆にカリに飲ませた。カリは飲んだらその場何故か気絶した。薬の副作用だと考えておこう。
「回復」
その様子を横目に僕はクーの頭に両手で触れ魔方陣が現れてクーの体を薄い緑色の光が包む。一秒ほど立つ光からクーが引いてきた。カリの方も目を回しながら起き上がっていた。
「大丈夫ですか」
「うん、もう大丈夫…あっ、なんか飲み物買ってくるね!キュウはお茶でいいよね!」
どことなく照れながら飲み物を買いに行こうとクーが扉の方に歩いて行くと、先程躓いた段差のところで滑って今度は背中から転んでしまった。
「痛った~!?」
「まったく、何やってるんですか‥‥‥!」
僕は少しため息をつきながら再びクーに近寄った。




