第十九話 異国の宿、消えてゆく光
2025年11月23日 読みやすさの改善
結局一日ずっとジパングの観光をしてしまい一晩だけ宿に泊まることになった。
部屋は僕だけ「男だから」というセロナが放ったの最もな理由で一人部屋になり、残りのクーとセロナ、カリは一緒の部屋になった。壁越しにクーとカリの明るく話す声が聞こえてくる。
部屋の中はほこりが発見できないほどに綺麗だった。タタミ?という物には最初はなれなかったが案外いいものだなと思いつつ、今はオンセン?という大きな風呂に入り終わって部屋に戻るために廊下を歩いている。
部屋に戻るとベットに座り、お父さんに念話が届くか試してみる。
『お父さん、聞こえますか』
果たして結果は‥‥‥っと。
『キュウク、お前、今どこにいる!』
かなり焦っているような声が脳内にとどろいた。よし!ぎりぎりつながったことに拳を握った。
『ごめんなさい。後で理由は話すんですけど、今、ジパングの宿にクーとセロナ、カリと泊まってます。馬車って用意できますか』
移動だと魔王城とジパングとの距離が想像以上にあって飛べないから馬車で迎えに来てもらうように聞いてみる。
『なるほどジパングか。ふむ‥‥‥今から最速の馬車でも不眠不休で動かせて半日以上はかかるな』
『‥‥‥そうですか。なら無理させない程度で早めにお願いします』
『分かった。二日後には着くように手配するからクーガ様を傷つけないようにしろよ』
『ありがとうございます。それじゃあこれで切りますね』
僕は会話をやめようとすると、
『それとキュウク、言い方はクーガ様かお嬢様にしろと何度も言って‥‥‥』
『おやすみなさい‥‥‥!?』
僕は心の中で慌てながらも素早くお父さんとの会話をきった。
危ない、またお父さんの最低二時間はあるお説教を受けるところだった。あれなぁ長いと半日は消え去るんだよなと嫌な思い出を思い出す。
とりあえず馬車は手配されるようなので一安心だなと思いつつ、寝る前のルーティーンの片眼鏡を外してブラシで尻尾をとかしたらベットに寝っ転がり静かに眠りについた。
◇◇◇__キュウたちが泊っている宿の屋根にて
夜風が吹いて揺れる不安定な屋根の上にフードを被った男が裸足で立っている。
「ここは変わんねぇな」
男はどこか懐かしさを感じるとともにどこか悲しさを感じているかのように一枚の写真に写っている大人な色気がある女性を見ながらを一つまた一つと明かりが消えていく街を見下ろしている。
「さてと、さっさと終わらせますか」
その声には楽しむことへの明るい声と共に恐怖を帯びている。
男は写真を大事そうに胸にしまい代わりに腕輪を取り出しながら屋根から煙のように消え去りジパングの近くにある山に走っていく。
すみません。短いものしか書けなくなりますが許してください




