第十六話 冷気の中で輝く四人
学校生活が始まったのでもしかしたら三日に一話になるかもしれません。ごめんなさい。
魔物が巨大な腕を振り上げ、廊下を叩きつけようとした瞬間、セロナは冷静に氷の壁を生成して衝撃を防ぐ。その一撃で壁が粉々に砕けるが、その間にクーが迅速に敵の足元へと滑り込み、一撃を加えようとする。
「隙だらけだよ!」
クーの剣が敵の足を切りつけるが、その厚い外皮に弾かれ、ほとんどダメージを与えられなかった。敵は唸り声を上げ、さらに冷気を放出してクーを追い詰める。
「お嬢様、下がってください!」
僕が叫びながら矢を放つ。矢は敵の肩に命中するが、その冷気によってすぐに凍りつき、無力化されてしまう。僕は歯を食いしばりながら次の攻撃の機会を探る。
「このままだと埒が明かないねぇ」
カリが呟きながら探知装置を操作し、魔物の動きを解析し始める。
「胸の中心が魔力の源っぽい。そこを狙えば効果があるかもね」
セロナがカリの言葉に頷き、鋭い声で指示を出す。
「キュウク、クーガ、敵を引きつけろ。カリと私は魔力の源を狙う準備をする」
「任せて!」
クーは敵の目の前を駆け回り、その注意を引きつける。彼女の軽快な動きに翻弄されながら、魔物は鋭い爪を何度も振り下ろすが、そのたびに空を切る。
「おいでおいで!ここだよ!」
クーの挑発的な声が廊下に響き、その隙に僕は弓を構え、魔力を込めた矢を放つ。矢は敵の動きを封じるため、足元を狙い撃ち、わずかにバランスを崩させる。
その間にカリは装置を床に設置し、敵の冷気を抑制する準備を進めている。彼女の手際は素早く、まるでこの場の状況を楽しんでいるかのようだった。
「よし、これで少しは動きを鈍らせられるよ」
カリが装置を起動すると、敵の冷気が一時的に収束し、廊下全体の温度がわずかに上がった。
「ナイス、カリ!今がチャンスだ!氷柱雨」
セロナが鋭く叫び、ツララを何発も放ちながら、氷の剣を振りかざして敵の胸元に突進する。その剣が敵の厚い外皮を鋭く貫き、冷気が内部から噴き出した。
「とどめを刺しますよ!虚無なる破壊」
僕が叫びながら矢をさらに放ち、クーも背後から敵の足を狙って剣を振る。敵の動きが鈍り、体勢を崩したその瞬間、セロナが再び剣を構え直す。
「カリ、最後の一手を頼む!」
セロナの声に応じて、カリはバッグから小型の試験管を取り出し、敵の胸元に向かって投げつけた。その液体が敵に触れると、強烈な反応を起こし、冷気の流れが逆流する。
「これで終わりだ!」
セロナが力を込めて剣を突き刺し、敵の胸元を貫いた。冷気が一気に噴き出し、魔物は大きな唸り声を上げながら崩れ落ちる。
静寂が戻る中、一行は深い息をつき、崩れた魔物の残骸を見つめていた。セロナは剣を収め、慎重に敵の痕跡を調べ始める。
「まだ不穏な気配が残っている。ここをもう少し調査する必要があるだろう」
カリが結晶を回収しようとすると突然、結晶が光り始める。