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仕えるもの語  作者: マッド
第一章 序章
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第一話 仕える者の成長の始まり

小説家になろう初心者なので誤字や脱字があったら報告お願いします。

「キュウ、早く早く!」

一人の少女がガチャリとドアを開け人を呼ぶ。

「わかってますよ。そうせかせないでください魔王様」

「その呼び方はまだ早いよぉ」

部屋の中には百八十センチくらいの青年が椅子に腰かけ読書していた。青年の言い方に少女は少し顔を赤らめていた。

 今日は魔王国ブラシエルの三代目魔王の就任式。

 外は明るく雲が消え去ったと思うほど青空。涼しい風が窓から本や実験道具が並ぶ部屋の隅々まで突き通る。青年は少女の呼びかけに答え部屋を出て少女についていった。

 誰もいなくなった部屋の机の上から一つの本がポロっと落ちた。

 その本にはこう書かれていた。【仕えた物語】と。


数百年前…


「キュウこんなもんじゃないよっね!」

 少女__魔王の一人娘クーガ・ブラシエル16歳は木刀を構え目の前の少年に言った。

「まだまだぁ!」

 後にクーガの側近になるキュウク・スチラー16歳は黒色の服を汚しながら木刀を持って立ち上がりながらクーに言葉を返した。生い茂る芝生の上で木刀と木刀をぶつけながら戦う。

「火球!」

僕の手のひらに魔方陣が現れそこからボールひとつくらいの炎をクーの足元の向けて放たれる。

その火の玉は肌を焼くように熱く芝生が一瞬でもん触れただけで焦げるような暑さだった。

あたりはしなかったかがクーの足元に着弾しクーが転倒しそうになる。

「勝った!」

僕が勝ちを確信すると、

「エアブースト」

クーガが唱えると地面から空気が巻き上がりクーが起き上がる。

「えっ」

いきなりの行動に振りかぶりは空振りクーガの攻撃をもろに受け芝生に倒れてしまった。

「これで私の199戦100勝99敗だーーー!」

「やっぱりクーは強いですね」

 クーは喜び、僕は負けた反省点を考えていた。勝ちを確信するのが速かったなと思った。


「今日も精が出ていますね」

 扉がある方向から張りのある声が聞こえた。

「お母さん‼」

 クーは漆黒で美しくつやのある髪をなびかせた。声をかけた人物に大きな声で言った。

 クーのお母さん__王妃キキ・ブラシエルはクーの呼び声に手を大きく振った。

「今日こそお母さんに勝つよ!!いざ尋常に勝負‼」

「ふふっいいですよ。キュウク木刀を貸してくれますか」

 王妃は僕に声をかけた。

「ああいいですよ王妃様」

「キキさんでもいいって言っているでしょう」

「そうは言われても」

「ふふっ、冗談ですよ」

 疲れた声を出しながら僕は王妃に木刀を渡した。おうひはもらった木刀を構えて話す。

「さぁ、かかってきなさい!!」

 人が変わったかのように声が凛々しくも荒々しくなり、部屋の空気がぴりついている。

 王妃から気を緩めたら倒れるような魔力が流れ出て緊張感がどんどん増していく。

「いくよ!」

 クーも声を荒げ王妃に切りかかっていった。

 すごいなクー。毎日毎日あんなに挑戦して。今のうちに救急箱用意しておくか。僕はそう考えながら訓練場の奥の部屋に逃げるように入っていった。


__数分後


「___ツ⁉いった~~」

「動かないでくださいね。回復(ヒール)

 王妃との勝負から少し経った後部屋の中でクーの体のいろんなところにできたあざを魔法で治療していた。

「これで体のあざとかは消えたと思いますけど。よくもまぁ毎日毎日挑められますよね」

「今日こそは勝つ自信があったんだよ!トラップも仕掛けたし」

というのも開始直後クーは「液状化!」といい王妃の足元に魔方陣が現れ地面を泥沼化させた。

魔法・・・魔族と魔物が持っている魔力という力を魔方陣を通して発動させる技。

 今日は10分間という時間制限でやっていておそらく行動を封じて10分間耐えるつもりだったのだろう。

 最初は…最初はうまくいっていたのだ。王妃の体が地面に吸い込まれ姿見えなくなった所までよかった。

 その時はクーも「よっしゃ‼」と言って拳を握っていた。僕も部屋の奥からマジか!と心の底でその様子を眺めていた。

 しかし、次の瞬間クーの後ろから戦闘用の服を汚した王妃が出て来たのだ。

 彼女によると地面の中が柔らかかったので泳いだといっていたがクーもぼくも、

(何だよそれ)

って思ったよね。たぶん。

 クーが油断した一瞬でいつも通りものすごい速度で王妃は木刀を振るいクーを圧倒した。

5分もたたずにクーが負け今日の勝負に終わった。

「それにしてもクー髪の赤色の比率増えましたか?」

「突然だね。まぁキュウがそういうならそうなんでしょ」

 実際にクーの145㎝と少しくらいの身長から伸びるかわいらしい漆黒の髪の赤色の比率ほんの少し増えている気がした。


「それとクー魔王様から伝言がありますよ」

「んっ何?」

「一ヶ月後に魔族学院に行くことに決まったと」

「ふ~んな~んだ…ってえぇ‼それホント!?」

「ホントですよ」

「えぇ~~~!!!」

 部屋全体に響き渡るような声でクーが驚く。窓が震え、外の芝生がざわざわ動いている。

 当然だろう、このことついさっきクーと王妃が戦っている間に現魔王キド・ブラシエルから軽い感じに伝えといてねと言われその時は僕だって驚いたもんだ。

 ついでに自分もいくことになったのだがほんとに軽い感じすぎて自由人かと思ったよ。

「キュウもいくの?」

 愛らしい瞳をこちらに向け、クーは問いかけた。

「はい、行きますよ」

「なら心配ないね‼」

 不安そうな目に明るさ戻りいつものクーに戻った。それでも目には少し暗みがかかっている。

 一人で行くの不安だったのだろうか?

 それを聞くのは無粋だと思い聞くのはやめた。

「これから忙しくなりそうだね」

「そうですね。けど準備はお任せください。クーがやると大変なことになるのでね」

「それは私に向けての悪口かな。けどまぁそうした方がいいっていうのは私にも理解できるね。それじゃぁ頼んだよ未来の私の側近さん‼」

「お任せください」

 僕はクーに向かってそういった。僕が必ずクーを…お嬢様を立派な魔王にする。



 これは魔王になる者の成長の物語ではない。それに仕える者の成長の物語だ。

もしこのお話がいいなと思ったら続きも見てみてください。

なるべく一日一話のペースで投稿することを心がけます。

感想もよろしかったら書いてください。

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