二人の別れ
ある日曜日の昼下がりに、仲睦まじげな二人が手を繋ぎながら街を歩いていた。
しかし、急にその歩を止め、意を決したように口を開いた。
「俺達、もう終わりにしないか?」
「・・・え?どうしたの?いきなり。」
「疲れたんだよ、この関係に。前々から考えていたことなんだ。」
「そんな風に言われても納得できないわ。」
「俺には仕事もある。同僚や上司だっているんだ。」
「そんなの関係ないって言ってくれてたじゃない。」
「こんなところを見られたらと、気が気じゃないんだよ。」
「ちゃんと理解してもらえるわよ。私の知り合いにもたくさんいる。特別なことじゃないわ。」
「その性格にもうんざりしてたんだ。あぁ言えばこう言う。とにかくもう終わりにしよう。」
「待って。行かないで。」
街行く人達は皆、一様に振り返る。
大の男二人が大声で話していれば無理もないが。