文化祭②
文化祭当日___
「お、お帰りなさいませ、ご主人様……!」
「おかえり、ご主人様。」
「おかえりなさいませ、ご主人様。」
菜花とリーブはメイド服に着替え接客を行っていた。
リーブは献身的なメイド、菜花はフレンドリーなメイドだ。
柘榴はテンプレでも張りつけた様な真面目なメイドだ。
それぞれの個性を生かしメイドをしていたその時。
「リーブちゃーん!柘榴ちゃーん!遊びに来たで〜!」
勢いよくドアを開けてきたのは猫だ。
「ん?菜花ちゃんも一緒なんやね。みんな可愛ええで!」
「猫さん……!あ、ありがとうございます……」
「同じクラスだからね。メイド喫茶はベタだけど楽しいよ」
頬を赤らめながら礼をするリーブ。
「お化け屋敷はどうですか?」
「それがなぁ、演劇部が本気すぎて客が来ないんよ。暇やでぇー。」
「あはは……それはそれで大変ですね……」
苦笑いするリーブに対して爆笑する菜花。
「あはは!珍客でも来ない限り難しいんじゃないかな?」
未だ笑い続ける菜花。
「ちょっと菜花ちゃんウケすぎやで〜!コッチは暇で暇で仕方なくてなぁ」
その刹那___
「!!リーブちゃん、避けて!」
「へ?」
リーブの真横を1本の矢が壁に刺さった。
ザワつく教室。
客もクラスメイトも散り散りになって教室から出ていった。
矢には文が付いていた。
「なになに……翠川リーブ様へ。今夜9時に学校の屋上で1人で来てください。黒井 餡子」
「黒井さんって確か2年生の……」
「そうやなぁ、去年同じクラスやったけど、ええ子やったで。ただ戦い好きでなぁ。よく相手をさせられたわぁ。」
溜息をつきながら語る猫。
「果たし状ってヤツだね。リーブちゃん、どうするんだい?」
「……私、行きます」
「ホンマか!?危険すぎやろ!」
「僕は面白ければ遠くから見学させてもらうよ」
「行くのはええけど、危なくなったらすぐ逃げるんやで?」
「はい……!」
波乱の文化祭が幕を開ける瞬間であった。