風紀委員問題
「僕は神だからね。君たちを消すことなんて造作もない。けど敵対する気はないよ。ラスボスは主人公には勝てないからね」
「主人公……?」
「たまにいるんだよ、漫画の主人公みたいな体質を持った子が。それが君、リーブちゃんさ。」
「私が……主人公……」
リーブは自分の手を見やる。
「むしろ副会長として光栄な気分だよ」
「ならいいけど……」
「まぁとにかくこれからも仲良くしようじゃないか」
「そうだね……!」
菜花と握手をするリーブ。
彼女の手は肌の手入れが行き届いていた。
「そんなことより投書があるみたいだよ。えーっと、【風紀委員が風紀を乱していて困っています。助けてください】だって。風紀委員の片隅にも置けないね」
「菜花さん、早速行きましょう……!」
リーブは駆け出して行った。
ゆっくりと後を追う菜花なのであった。
風紀委員管理室____
「失礼致します!投書を受け参りました!ってタバコ臭っ!」
管理室はタバコの臭いで満ちていた。
オマケに酒も置いてあった。
「これは……酷いね」
「これで風紀委員……?」
「あ?あー、生徒会の奴らか。俺達の態度が悪いから難癖つけに来たんだろ?」
「難癖つけに来たと言うより注意しに来たというか……」
委員長の赤い瞳に茶色の長い髪で制服を着た【天鵞絨 躑躅】が声を出す。
「別に迷惑かけてないし良くない?」
「タバコの時点で迷惑なんだけど。言う事聞かないならそれなりの対応はさせてもらうよ?」
笑顔だが目の笑ってない菜花。
「……上等!アタシが相手になってやんよ!」
躑躅が立ち上がる。
「会長として見過ごす訳には行きません!」
同じく立ち上がるリーブ。
校庭で向かい合う2人。
バチバチと音を立てて刀を精製するリーブ。
「へぇ、物騒なもん使うな」
バチバチと斧を精製する躑躅。
風紀委員との決戦の火蓋が切って落とされた。
2人の力は互角だった。
何度も鍔迫り合いをし、斬り、斬られの繰り返しだ。
「はぁ……はぁ……」
「中々やるな、お前……」
お互いボロボロの状態だった。
「仕方ない、僕も手を貸すよ」
今まで見ていた菜花が重い腰を下ろす。
「えい」
コツン、と軽くつつくだけで吹き飛ぶ躑躅。
「カハッ……!」
もんどり打って倒れる躑躅。
「まだ続けるかい?」
「当たり前__ガッ……!」
菜花が倒れている躑躅の腹に蹴りを入れる。
かなり苦しそうだ。
「菜花さん、ストップ!やりすぎです!」
刀を消して駆け寄るリーブ。
「だってコイツ、キミの敵だろう?なら徹底的に潰すまでだよ」
「わ、わかった、態度を改めるから許して……!」
これ以上痛みを味わいたくない躑躅は懇願する。
「無理だね。この様子では三日坊主だ。」
「そんな……アガッ……!」
菜花は何度も何度も躑躅に蹴りを入れる。
躑躅は泣きながら悶えていた。
「このままその首落とそうか?」
「それはダメ!!」
リーブが躑躅を庇うように立つ。
「なんだい、庇うのかい?」
「もう充分です!だからやめて!」
「……はぁ、わかったよ。」
菜花は殺気を抑え、踵を返す。
「躑躅さん、これからはちゃんとしてくださいね」
「けほっごほっ……わかったよ……」
こうして風紀委員を巡る騒動は収まった。
タバコや酒はすっかりなりを潜め、健全な風紀委員になった。
菜花の事は躑躅にとってトラウマになっているらしく、菜花を見る度に怯えるようになってしまったのは別の話。




