ヨッシーのショートshort 「不思議なえんぴつ」
ヨッシーのショートshort「不思議なえんぴつ」
ある日、
文房具屋さんに行った。
見たことのないえんぴつが売っていた。
不思議なえんぴつ、
テストの答えを書いてくれるえんぴつ?
本当かな、
ウソかな、
おじさんが笑う。
夜、
不思議なえんぴつをけずって筆箱に入れた。
今日はテストの日だ。
むずかしい問題だ、まったく解らない。
不思議なえんぴつを使ってみた。
スラスラ答えを書いてくれる。
やった、100点だ!
ママは大喜び。
次の日から、いつも不思議なえんぴつを使った。
ずっと100点だった。
先生にほめられた。
皆んなに、うらやましがられた。
僕は得意になった。
それからも、不思議なえんぴつを使い続けた。
試験も100点、
受験も100点、
車の免許も100点!
ずっと使い続けた。
大人になっても…
「大事なプロジェクトだ!この計画は絶対に失敗できない」
不思議なえんぴつはすり減っていて、あと少ししかない。
僕は、書類に最後の一筆を使った。
スラスラスラ、
無くなった…
20年ぶりに、あの文房具屋さんに行ってみた。
不思議なえんぴつは、まだ売っていた。
「これ下さい!」
僕は、不思議なえんぴつを全部買った。
おじさんが笑う。
会社、
よーし、バリバリ使うぞー
あれ?
電子書類に不思議なえんぴつは、
効かなかった…