表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
IRON AND BLOOD:荆棘王冠  作者: Killman
9/29

第二章 【1】

【1】

エシューは書斎に戻って、散らかっている場所を片付けようとした。 短い刃は地面に落ち、机の中に差し込まれていた、エシュが会ったことのない父が残してくれた短剣は、奇妙な光を放っていた。 しかしエシューは気にしなかった。 その短刀はときどき光るので、彼はそれに慣れていた。

「おや、エシュちゃん、あの老いぼれが、君にいいものを残してくれたらしいよ。この短刃は、普通じゃなさそうだね。なんというか、怖い感じがするんだ。前言を撤回するが、この短刃は、ちょっと危険な感じがするから、気をつけたほうがいい。何か恐ろしい呪いがあるかもしれない。うーん、僕みたいだね。ねえ、またいい冗談を思いついたんだ」

エシュがこわばった。

彼は幻聴したと思った。

「ねえ、エシューちゃん、どうしてあっけにとられているの?何か思いついたのでしょうか。私はあなたが今とても悲しいことを知っていて、しかし悲しい時いつも真剣な事を思っていたらもっと悲しいです。この前街のバーベキューで有名な酒場に連れて行ってくれなかった?明日また食べに行こう!そのマスターはちょっと凶悪そうに見えましたが、出来上がった焼き肉は本物の香りでした!あ、いや、私はとっくに死んで呪いになっているので、匂いがしません。へへ……ん?」

エシュウは幻視しているようにさえ感じた。

その左前に、華麗な白衣を着た十二、三歳くらいの小柄な女の子が机の上にすわっていて、2本の小さな足が楽しそうにゆらゆらしていた。エシュウはゆっくりと頭を振り向けた。彼らが目を合わせた時、女の子の体も硬直した。

「お前は誰だ!」「私が見えているのね!」

エシュウの驚きの声と、女の子の驚きの叫びが同時に鳴り響いた。

「私の名前はアインナ!本当に見えるの?」アインナと名乗る少女は机から飛び降りるが、着地するのではなく、両手を広げてバランスを整え、低空飛行の姿でエシュウを取り囲む。「私の手が振っているのが見えますか!変な顔をしているのが見えますか!じゃあ、私に触れることができますか?触ってみます!……いいでしょう、やはりあなたを通り抜けます。でもよかった、あなたは私を見ることができましたね!」

二人きりのエシュウは自分がクソッタレだと思っていた。

「ちょっと待って、ちょっと待ってください。状況がよく理解できませんでした」

「はい」

アインナは机の上に落ち、両足を後ろに開いて正座した。顔には「私は利口な子だから褒めて」と書かれていた。 しかし、エシュは自分のこめかみをこすりながら、何から話を始めたらいいのかわからなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ