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水上奏夜

色々ヨロ

高校生活初日これからの生活を決めていく大事な日。

教室全員の注目はある一人の生徒に集まっていた。

「おはようございます」

決して大きいわけではないが良く聞こえる不思議な声。

何よりその神のお気に入りとしか思えないような容姿。

黄金律を詰め込んだような顔面。まぁ、黄金律が一体何:何:何なのかは知らないが。

女子たちはかなりの盛り上がりを見せていた。

ただ、そんな女子の反応にも慣れているのか。


「よろしく」

席について速攻後ろの席にいた俺に挨拶をしてきた。

すましてるのちょっとムカつくな。

おかしいな、俺話しかけるなオーラ出してたと思うんだけど。

コミュ力高い。


「よろしく」

俺も聞こえるか聞こえないかくらいの声で返す。

それで、会話終了。

女子も押し合って誰が声かけるのか争っているイケメンすぎて近寄りがたそうですね、はい。


「あ、あのさ。名前なんて言うの?」

周りに押し出された女子が恐る恐る声を掛けた。


「う~ん、どうせ自己紹介するだろうからさ。名前はそのときのお楽しみってことで」

う、上手い。

会話をばっさり切った。

なんか、会話続けづらくなってる。


「おーい、お前ら席に就けぇ~」

先生が教卓の後ろに立つ。


「はい、これから一年間お前らの担任をすることになった○○だ。担当強化は現国だ。よろしく」

いきなりお前ら呼びか、心なしかやる気もなさげだし。

てか、名前なんて言った?

いや、大丈夫みんな理解してるからいいんだ。

登場人物さえ認識してればいい。

これ以上は作者が苦しむ。あれ、作者?


「まずは自己紹介をしていってくれ」

そして、始まる自己紹介タイム。

笑いを取りに来る人。無難にこなす人。様々だ。

俺は取り敢えず変な奴らに構われなければいい。


そして、女子連中が待っているだろう人物の番がくる。

まぁ、俺の名字から考えて「ま」か「み」だろうけど。


水上 奏夜(みずかみ かなや)って言います。部活は...」

こういうイケてる男子は大体サッカー部なイメージだ。


「サッカー、」

にわかに色めき立つギャラリー(女子)

俺の中でこいつは陽キャに決定した。

っけ、イケメン様がよ~。


「とか、バスケとか、バドミントンとか色々やったけど性に合わなかったんでやめました」

そう言ってニコッと笑う、水上。

場が若干凍り付きそうだったけど、笑顔で回避しやがった。


「だから、次は部作ろうと思います。小説部を!最近ネット小説にハマってるんで一緒に書く仲間探してます。あと、嫌いなものは遠慮と言っても」


「はい、長いからそこまでもう十分わかったよ」

無慈悲にも水上の自己紹介を遮る弦刻先生。

ん?なんか、名前カッコよくなってね?中国人かよ。

イケメンの話を遮ったということで女子から睨まれる先生でも、そんなのはどこ吹く風って感じだ。

あ、でも、よく見たらイケメン。

女子の不満が若干減った。

いや、きついよ。俺この後に自己紹介するの?

さて、どうするか。

見ての通り陰キャです、みたいな感じで自虐ネタに走る80%滑る。

無難に名前と好きなものとかだけ言う滑る可能性0%が受ける可能性も0%

データ分析キャラ的に言うとこんな感じか。

残念ながらこのイケメンくんの後に受けるネタが思いつかなかった。


宮野 徹(みやの とおる)です。中学生の頃は文芸部に入ってました。最近はミステリーにハマってます。一年間よろしくお願いします」

業務的な拍手。

特に触れられることもなく次の人に回る。



そうして、全員の自己紹介をが滞りなく終わり、先生が少し話をした後ホームルームが終了した。

小説部、ね。少し興味があるかもしれない。

声を掛けようとして、やめる。

休み時間の間に話をしようと、女子がやってきた。

あ、ついでに言うとここ進学校的なのだから、知ってる人いなくてもおかしくないって設定でおなしゃす。

まぁ、部活が出来てからでいいか。


そんで、次の日の放課後。

やったねぇ、あいつ。

黒板にでかでかと書かれた小説部メンバー募集の文字。

文芸部横の空き教室で待ってますと。

てか、文芸部合ったんだ。

新人勧誘で見かけなかったけど。

というか、アレか。

部活作ろうと思ったら5人はメンバーが必要なはずだ。

取り敢えず文芸部見に行こう。

見に行ってわかった。

女子一人しかいない…。

いや、もしかしたら。他の部員がいないだけかも。

ただ、今行くのはちょっと気が引ける。

先に小説部の方行くか。


扉を開くとそこには水上が一人窓際の席で黄昏てた。

絵になるなぁ〜。


「あ、君か。来ると思ってたよ。えっと〜。まぁ、良いや。陰キャ君」

は?いきなり失礼過ぎないか。


「まぁ、座りなよ。入部希望でしょ?」


「まぁ、そう、ですけど」


「そっか、まぁ座りなよ」

促されるままに真ん中にあった向い会ってる机の片方の席に座る。


「入部希望理由を良い?」


「普通に小説が好きなので、書いてみたいなと」


「文芸部で良く無い?」

え?それ君が言う?

小説部って文芸部じゃダメなの?


「いや、ちょっと文芸部今女子一人しかいないっぽいんで」


「あぁ、話しかけづらいと」

お前が一緒に言ってくれたら楽なんだけどな。


「コミュ障じゃん」

前言撤回こんな奴と一緒に行きたくない。

仲良しだと思われたら困るし。


「一応言っとくとさ。この部って俺が俺のために作る部なんだよ。良い?」

あ、ここで理解した。

こいつは自分のハーレムを作りたいんだ。

クソ野郎じゃねぇか、部活何だと思ってるんだ。

どうせ、サッカーとかも上手くなくて、キャーキャー言われなかったからやめたんだろ。

やっぱ、帰ると言おうとしたところで扉が乱暴に開けられる。

そこからはギャルとヤンキーを足して割ったような女子とその取り巻きと思われる女子が立っていた。


「あ、陰キャ君、君一旦保留ね。ようこそ、入部希望?」

え?先に来てた俺より女子?

ちょっと目つきは悪いけど顔整ってるしな。


「そうだけど?」

謎に高圧的なヤンキー女子。


「まぁ、座って」

俺の席を指し示す。水上、それ退けってこと?

俺は渋々席を立つ。

あれ?一瞬ヤンキー女子から憐れみの目向けられた気がしたけど気のせいだよね。


「えっと、名前は?」

取り巻きの女子の片方は同じクラスの筈だが。真ん中のヤン女は違うクラスだった筈だ。


「西川玲奈」


「入部希望は君だけ?」

終始柔らかい笑みを浮かべる水上。

胡散くさすぎだろ。


「そうだけど?」

何故高圧的?


「入部理由を聞いても?」


「別に?どうせ遊ぶだけの部活でしょ?暇だから入っても良いかなって。まぁ、小説も?興味が無いわけじゃないって言うか。嫌いじゃないって言うか」


「ほら、水上君と一緒に部活したいとか言っちゃいましょうよ」


「そうですよ」

西川に耳打ちする取り巻き。


「う、うるせぇ」


「う〜ん、文芸部行ったら?」


「え?」

え?断るの?ヤン女は好みじゃないとか?


「文芸部今一人しか居なくて廃部寸前らしいし、そんな厳しく締め切りとかないだろうし。小説に興味ないわけじゃないんでしょ?先輩が何か教えてくれるかもよ」


「は?いや、まぁ。そうだけど。この部って俺が俺のために俺がしたいようにするための無難だよね」


「ちょっと、西川さんが入りたいって言ってるんだから。良いじゃない。募集してるんでしょ?」


「も、もういい、帰る!」

あぁ、怒っちゃった。

去っていく西川&取り巻き二人。


「良かった、んですか?」


「もうタメでいいよw同級生じゃんw」

特に気にした様子も無い水上


「アレ、君目当てぽかったけど何で文芸部勧めたの?」


「やっぱ?俺も俺目当てだと思ったわ。でも、どちらかと言うと取り巻きに勧められてって気がしたんだよな。あいつ自体は普通に小説興味ありそうっだった気がするから。それに…」


「それに?」


「あれ、入れたら。俺主人公だし、ラブコメ始まっちゃうだろ?今そう言うのは遠慮したいって言うか…」

は?何言ってんのコイツ。


「いや、そんな。軽蔑した目が向けないでよ。ほら、openingもう出しちゃったじゃん?なのに、一話目から入部させちゃうのはどうかなーって」


「俺たち、openingは認識出来ないからね!?今さっきから意味不明なこと言うなよ」


「あwやっとノリ良くなった。ねぇ、陰キャ君はネット小説読む?」


「その陰キャ君っての辞めてくれ。読むけど?」


「へ〜、でもミステリーとかあんま流行って無い気がするけどな」

何で名前は覚えてないのにハマってるジャンルは覚えてんだよ。


「それは、ファンタジーとか、恋愛って言うのも変だろ」


「ふーん、俺やっぱお前気に入らないわ」

いきなり、真顔でトーンの低くなる水上。

なんか、地雷踏んだか?


「なので!本音で話そう!」

打って代わって明るくなる。水上。


「お前、来てすぐからめっちゃ言いたいことありそうだったじゃんw何で心の中で突っ込んでばっかなんだよ。声に出せよ」


「それは、セリフの後の文字の部分無くなるからだよ!」


「え?」


「え?」


「いや、そんなことかよw想像の三倍くだらなかったwもう、セリフだけでもいいじゃんw」

まぁ、そうかも知れない。


「よし!お前俺の部に入れ」

そう言って笑う水上。

表情筋鍛えられてそうだな。

俺が俺のために作る俺のしたいようにする部、ね。

普通なら絶対お断りだ。

でも、ハーレムでは少なくとも無さそうだ。

なら、コイツは何がしたいんだ?


「なぁ、最高の小説を作りたいってのに嘘は?」


「無い!」


「分かった、取り敢えず仮入部で」


「オッケー、入部決定!」

いや、仮入部だからな?


「てか、まだ部じゃ無いだろ。さっきの女子取り敢えず仮入部してもらえよ」


「いや、俺特にあいつに文句無いし。それより、目、付けてたやつ居るんだ。行こうぜ!」


「え?今からか?」


「あぁ、多分居る」


「ならいいけど」


「俺さ、実は初めて会った瞬間にコイツと一緒に部活することになるなって思ってたんだよ、やっぱ当たったw俺こういう勘外したことないんだよ」

これから、会いに行く奴もその勘ってことか?


何だか、変な奴に捕まって(掴まって)しまった気がする。

まぁ、良いか。こんな物語の主役みたいな奴と一緒に部活。

少しだけワクワクしてくる。


小説部、部長、その男の名は


途中から眠くて思い付かんかったすまねぇ

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