アンネローゼの旅日誌3
皇紀311年 土の精霊2の月 7日 光曜日
ようやく村人たち全員の蘇生が終わった。暫くの間、アディーヌ湖の宿に泊まれなかったが、村人たちは真心でもてなしてくれた。自分のしたことが認められて嬉しかった。
お風呂とベットがちょっと不満だったけど、村人たちの嬉しそうな顔が見れたので満足だった。
皇紀311年 土の精霊2の月 8日 火曜日
朝一で、シュワちゃんはお金を両替に行くと言った。4人で冒険者ギルドに入ると兵士に囲まれた。領主に呼ばれているらしかった。身分を明かせば拒否できるが、それをすると色々と面倒になる。シュワちゃんはそれを分かっていて、秘密にして兵士たちに従った。
領主は酷いやつだった。シュワちゃんには考えがあるようなので、黙っていた。あんな奴が領主になっているのも大臣たちが腐っているからだ。領主の見本となるべき大臣たちは賄賂を平気で受け取り、法も無視する。本当に腹が立つ。
お金を奪われたが、村人たちを助けた。そして、宿に戻ってシュワちゃんと作戦会議を開いた。シュワちゃんの作戦に従って、領主を交代させる為に領主の館に忍び込んだ。私はワクワクしていた。
見回りの兵士が通り過ぎる時、見つかるかもしれないと思ってドキドキしたが、何事もなく通り過ぎていった。皇宮ではこんなドキドキする出来事は無かった。
新領主候補のアイスは頭が良さそうだった。でも、少し怖い感じがしたが、まともな人だと分かったので、お母様への手紙を出す時に『使える男だ』と書き加えることにした。
だが、不思議だ私はルークスの領主とは面識が無かった。なのに部下のアイスは初対面のはずなのに私の事を知っていた。私もアイスをどこかで見たような気がしていた。よく思い出せない。小さい頃にどこかで会っていたのだろうか?
皇紀311年 土の精霊2の月 14日 火曜日
今日、ようやく村人たちに金貨を渡すことが出来た。領主の館にシュワちゃんと二人で忍び込んだり、新領主を説得したり、お母様に手紙を書いたりとワクワクする事が一杯あった。シュワちゃんと居ると色んな事が起こる。
皇宮に居た時は、どこか毎日がつまらなかった。でも、今はワクワクする事で一杯だった。旅に出た事で私のLVも上がり、新しい魔法も覚えた。人の役に立つ力も手に入れた。シュワちゃんと出会ってから私はたくさんのものを得た。
でも、一番嬉しかったのはシュワちゃんと再会できたことだ。こんなに嬉しい事は無かった。いつまでも、この旅を続けて行きたいと神様にお願いした。
お金を取り返した後で、アディーヌ湖の宿で今後の事をシュワちゃんと話した。私は海が見たかった。船にも乗ってみたかった。それをシュワちゃんに話すと快く引き受けてくれた。明日からは海へ向かう旅になる。
今度は何が待っているのか今から楽しみで仕方がない。何があってもシュワちゃんが問題を解決してくれる。そんな気がするのだ。




