アンネローゼの旅日誌2
皇紀311年 土の精霊2の月 2日 火曜日
今日は朝からシュワちゃんがお金を稼ぐ必要性を主張してきた。なので、その指示に従った。なんか悪い魔物を倒すと聞いた。義勇軍なる人達と一緒に行くらしい。
義勇軍の人たちは、みな傷ついていた。大切な人たちを失い悲しんでいた。だから、私は死んだ人たちを復活させれると教えようとした。でも、シュワちゃんは私を止めた。理由が分からなかった。目の前に救える人たちが居るのに何で反対するの?
シュワちゃんの制止を無視して、私は傷ついた人たちに希望を与えた。それから、トロールを討伐に向かった。シュワちゃんとキョウちゃんの活躍で犠牲者無しで、討伐出来た。
それから、死んだ人たちを生き返らせた。お昼ご飯の時間になったが、生き返った村人たちはご飯を持っていなかった。私がみんなを助けてとお願いするとシュワちゃんは快くお願いを聞いてくれた。村人たちにご飯を買うためのお金を渡したのだ。しかも、ボストロールの部屋から見つかった金貨は20枚しか無かったのに、追加で10枚の金貨を渡していた。
私は、シュワちゃんが本当は優しいのだと理解した。さらに、冒険者ギルドからもらった報酬のうち金貨200枚を被害にあった村人たちに分けると言ってくれた。
私たちが気分よく話をしていると冒険者が私たちを囲んだ。なんか、金寄こせと言ってきた。しかも、村人たちが犠牲になっているのを放置していたと言ったのだ。私は許せなかった。悲しんでいる人が居て助ける力を持っているのに自分の都合で何もしなかったのだ。
私はシュワちゃんとキョウちゃんに冒険者たちにお仕置きするようにお願いした。二人はすぐに応えてくれた。だが、冒険者が私に剣を突きつけてきた。でも、ラビちゃんが私を助けてくれた。ラビちゃんは冒険者の注意を惹き寄せて踊るように逃げていった。
最初に会った時から怯えてばかりだったけど、今は堂々としている。もしかして、キョウちゃんが原因なのだろうか?トロールとの戦いの後でラビちゃんのキョウちゃんを見る目が変わっていた。物凄くキョウちゃんの事を尊敬している眼差しで見ていた。キョウちゃんが強いから尊敬しているのだろうか?後で、ラビちゃんに聞いてみようと思った。
宿に移動して、お昼寝して、散歩して、夕食を食べた。ラビちゃんにキョウちゃんの事をどう思っているか聞いたら「私の守り神です」と答えた。よく分からないが、キョウちゃんを信頼してるのだけは分かった。
夜になりベットに入った。私はシュワちゃんの本心を確認する事にした。その結果、シュワちゃんは優しさの塊だと分かった。私は自分だけが蘇生魔法を使えると思っていた。でも、シュワちゃんも使えたのだ。蘇生魔法は神に認められた者だけが使える魔法だった。
色々条件はあるが、他者への無償の愛が無ければ使えない魔法だった。だから、シュワちゃんはとても優しいのだ。誰が知らなくても私は知っていた。私はシュワちゃんが好きだった。異性としてという感覚は未だに分からない。でも、一生一緒に居たいという思いは本当だった。
それにしても不思議だ。シュワちゃんは救世主と呼ばれている。メシアス教の教えに出てくる救世主は弱者を救い悪しきを挫く、そして、あらゆる奇跡を起こす存在だった。シュワちゃんの行いは救世主そのものだった。しかし、メシアス教の救世主は人間とされていた。でも、シュワちゃんは魔族だった。
シュワちゃんが魔族だとバレた時、みんなはシュワちゃんをどう思うのか少し心配になった。
私はとても強くなっていた。シュワちゃんやキョウちゃんが敵を倒す度にLVアップしシュワちゃんと出会った時には9だったレベルが25になっていた。そして、魔法『聖女の治癒』と『聖撃』を覚えた。私は年齢に不相応な力を手に入れていた。




