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0話 プロローグ

ぶっつけ本番で書いてるので矛盾点があるかもです。見つけたら報告をお願いします。その他に修正点やアドバイスあれば教えてくれるとうれしいです。では、どうぞ。

「誰もパーティー組んでくれなかったな結局。」



 冒険者の街として有名な『ルシトル』。そこから少し北の森、『始まりの森』に俺は来ていた。冒険者になってはや10年。実力はついたはずなのだが、レベルが上がらず、ステータスも上がらない。魔法も全属性の初期魔法しか使えないためランクを上げることもできないままだった。


 Fランク依頼や街の困りごとの解決などで稼ぎ、安いボロの宿で一泊を過ごす。ご飯は魔物の肉を使い、自分で作る。この生活をずっと続けていた。


 今日も同じなんだがな。



「グルルルル。」

「お、いたいた。」



 目の前には俺と同じくらいの大きさの狼、『リトルウルフ』がいた。リトルでこのサイズのため、Aランクモンスターの『ロードウルフ』となれば人の3倍のサイズとなる。Fランクから抜けられない俺には関係ないが。


 右手にロングソード、左手には子盾を構える。俺の装備はどれも初期のものであり、Fランクモンスターでも時々切れないことがある。



「ガウッ!!」

「よっと。」

「キャンッ!!」



 飛びかかってきた先頭の狼を避け、同時に首を切る。この程度冒険者は軽々こなすのだろう。次々と襲ってくる狼の攻撃を避け、弾き、一撃で仕留め続ける。


 しばらく切り続け、気が付けば周りには狼の死骸が転がっていた。一つずつ丁寧に解体し、魔石、牙、爪、肉、骨、内臓に分ける。リトルウルフの肉は筋肉質で固いが、味は悪くない。むしろこの素朴な味が俺は好きだ。その点ではFランク冒険者で良かったのかもしれない。



「そろそろ街に戻るか。」



 空を見れば西の方が赤くなり始めていた。もう後少しすれば夜になる。夜には強い魔物が出現する。例えば『リバーシングバット』だな。リバーシングバットは幻惑魔法を使い、視界を反転させる。また、意思とは逆の行動をさせられる。そんな厄介な魔物なのだ。


 しかし、タネを知ればほら簡単。仲間を殺したくないなら『殺す』と念じれば良いし、リバーシングバットを倒したいなら『殺したくない』と念じればいい。そんな簡単な仕掛けに惑わされる奴が多いのだ。仲間がいないから仲間割れがおこったことないけど。


 そんなことを考えていると気が付けば北の門が見えた。そこには二人の騎士が立っている。侵入者や魔物から街を守るためらしいが…。



「おい。」

「……。」

「……。ギルドに報告。」

「お帰りなさいルシフ様。さ、どうぞどうぞ。」



 基本寝ているため余り対策にはなっていないだろう。新人だけは目を開けて監視するが、それが3日続けば良い方だ。つまり、ここの騎士は当てにしてはならない。これは町の人の暗黙の了解となっている。



「ユーリアさん、ただいま戻りました。」

「なんだ。今日も帰ってきたの。早く結果を報告して。そしていなくなりなさい。」



 しょっぱなからキレの良い罵倒を言ってきた人はユーリアさん。俺が新人の頃にこのギルドの職員になったとかで、何かとお世話になっている。


 この口の悪さから他の冒険者には嫌われ、怖がられているため、この窓口は俺しか利用者がいない。だが、誰も気づかないが、この人はこの中で一番冒険者の無事を願っている。



「はやく結果を報告しなさい。じゃないと冒険者証剥奪するわよ。」



 ……願っている筈だ…。



「はい、依頼の通りの『リトルウルフ』。今日は数が異様に多かったからまた巣ができたのかもしれない。」

「はぁ?また増えたの?面倒くさいわね。分かったわ。ギルド長に報告しておくから。しばらくDランク以下の冒険者は立ち入らないように連絡して貰うわ。」



 やはりこの人は冒険者の無事を願っている。だからこそ俺も周りの受付嬢より信頼しているのだ。まぁ、この罵倒によってプラマイゼロ。少しプラス寄りかな?くらいだが。



「そう言えば東の村で勇者と聖女が見つかったって。」

「本当か?2人も同時に同じ村からとは。」



 はやくいなくなれと言いつつ世間話をしてくるのはお約束。そしてそのまま帰れって言ったのにと怒られるまでがこの流れだ。10年も繰り返したおなじみの光景。そのことが俺の無事を自覚させるものとは。俺は既に調教済みなのかもしれない。


 それよりも重要なのは勇者と聖女だ。勇者と聖女といえば伝承にある魔王を討伐した人物で、他にも賢者や剣聖。精霊術者がいるらしい。


 最近魔物が活発になっているのは魔王のせいかもとうわさされていたが、勇者が現れた今、それは事実と確認されたわけだ。



「俺の仕事無くなるかもな。」

「えっ!それはこまっ。んん!それなら安全な村でのんびり農業するしかないわね。」



 ユーリアさんが何かを言いかけたが気のせいだろう。それより、冒険者を止めざるを得なくなるのならば俺は何ができるのだろう。俺の天職は『学者』と戦闘に不向きなものだ。1つ言えるのは記憶力、思考力、判断力が良いことか。特に判断力には助けられてる。



「それも良いかもしれないな。ま、まだまだ冒険者止めるつもりはないから。これからもよろしくな。」

「いやよ。早く冒険者止めればいいのに。」



 後から悪態をつかれるが気にしない気にしない。『いやよいやよも好きのうち』ってね。まぁ、あり得ないけど。


 明日も頑張ろう。







そう言えば今日は理不尽に怒られなかったな(感覚マヒ)。

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