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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

笛吹

 昔昔ある町に鼠が大量発生しました。あまりにそれらの数が多かったものですから町は大混乱。町民の不満を受け町長はある策を打ち立てました。

“この町の鼠を駆除してください。一匹たりとも逃さずに。もし出来たら金貨を百枚差し上げます。”

 これを聞けばわかりますが町長はほんとはそこまで解決させる気はありませんでした。一匹たりとも鼠がいないかなんてどう調べればよいのでしょう。金持ちの家には鼠は沸きません。駆除してくれる小間使いがいるから鼠の害を知らなかったのです。ただ何もしないと町民がうるさいから形だけの対応をしました。町長はどうせ長引かない、鼠は冬を越せないだろうと思っていました。町長の読みは当たっていたでしょう。ただ町民も冬を越せなかったでしょうが。そうだったとしても町長には関係のないことです。町長は大金もち。人がいなくなればどこかから持ってくれば今までと変わりません。むしろ感謝するかもしれません。このままでは町民は冬は越せなかったでしょう。

 ただ世の中わからないものです。どこからか来た旅人が町長のお触れを聞き

“私ならばこの町から鼠を追い出せます。”

と言いました。町長は金を払う気などありませんでしたがいい見世物だと思い旅人に出来たら金を払うことを約束しました。旅人は大きなカバンから大きなラッパを取り出して町中を歩きます。すると家から鼠が飛び出し彼の周りに集まります。みるみるうちに鼠を集め道を覆いつくします。町をざっと三周すると旅人は町の外へ行きしばらくして帰ってきました。そして

“町長さん。約束の金をください”と。

町長は困りました。大量の鼠がどこを探しても見つからないのです。約束を果たせていないことを理由に断ることができません。それでも町長は金を渡したくなかったので無理やり旅人を追い出します。槍を持ち出されては逃げるしかありません。こうして町長は金を渡さずに済みました。

 さてその翌年。ある朝ラッパの音がなり響きます。ひどく不気味な音でした。その翌日空は見えなくなりました。バッタです。バッタが空を覆うのです。そして空からバッタは落ちてきます。数が数なのでどうしようもできず、こんなことは初めてだったので対策もなく。三日で食糧も服も家具も何もかもなくなりました。あるのは金と家、刃物と鍋ぐらい。刃物と鍋ぐらい。

 実は金には価値がありません。金は交換できるから価値があります。珍しいからみんなで物々交換の代わりに使うことを認め合ってるだけです。さて、物がないときに金はなんの価値があるのでしょう。当然価値はありません。ただ金の意味を忘れ皆が欲しがることだけを覚えていると意味を持ちます。盾です。立派に見えるけどどんな攻撃も防げない、ただ目立つだけの盾です。持ってる人をすごいと錯覚させカンチガイさせる外法の盾です。

 さて、食べ物がないが人はたくさんいます。人が多いほど食べ物はたくさん必要です。人々はどうするでしょう。答えは簡単。いつだって、古今東西どこでも変わりません。人を食えばいいのです。人を食えば食べ物ができて必要な食べものが減ります。はじめに子供から、次に立場の弱いものから。ただ、みんな食べ物がないので飢えて死んでしまう人もいます。死んだ人は仕方ないので食べます。こんな状況です。目立って威張って物を奪うことに慣れている人間でも死んでしまうかもしれません。仕方ありません。みんな飢えています。たまたま嫌われている人間が死んでもおかしなことではないのです。刃物と鍋はあります。

 どうにかしてしまいましたが飢えを乗り切りました。そして数年。税がこなくなったため役人が来ました。

“町長はどこにいる”

町民は答えます。

“旅人が大きな笛で人を集めどこか遠いところへ連れていきました。我々にはどうしようも出来ませんでした”


この作品は適当なフィクションです。

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